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着るメガネ オプティカル・テイラー・クレイドル

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「クレイドル」という青山骨董通りにある瀟洒なメガネショップ。

取材のために、オーナーの夏目社長を訪ねたところ、店内で、お客様のフレーム選びに立ち会う姿があった。

しばし待ったあとで、夏目社長に「自らよく接客するんですか」と尋ねたら、「日常のことですよ」と、こともなげに返答された。経営者である前に、メガネをこよなく愛し、お客様を大切にしている方なのだという印象を持った。

会社員として京都での眼鏡ショップ運営を経験後、1995年に独立。名古屋でクレイドルを立ち上げる。2001年に東京進出。青山に店を構える。

木のぬくもりを感じる落ち着いた店内には、2,000点あまりのコレクションが整然と並べられている。

クレイドルでは、ここ数年、アイウェアを自由に、感覚的に、という思いで“Rock on the eyewear.”をキャッチフレーズに、世界中からオリジナリティ溢れるブランドを厳選してラインナップしている。

そのコンセプトの中核的な存在が、クレイドルのオリジナル・ブランド「EFFECTOR」。

ギターの音色や響きを変え、ロックに深みを与えるエフェクターやロック・ミュージシャン、ビートニク・カルチャーなどからインスパイア。16種類のモデルがあり、レトロなデザインが特徴的である。

音楽とファッションをスパイスに加えて、アイウェアのもつ魅力や楽しさを伝えようとしているところがクレイドルらしさだ。

季節やTPOに合わせて、一人で複数のメガネを所有するのが当たり前の時代になったからこそ、クレイドルの存在意義がクローズアップされる。



現在の主なセレクトブランドは

■alain mikli  揺るぎない地位を占めるハウスブランドの草分け

■BEAUSOLEIL  厳しい品質管理に裏づけされるデザインの冒険

■christian roth  各界の著名人が愛用するグラマラスの代名詞

■CHROME HEARTS  崇高と気品を漂わせる孤高のブランド

■Eye’DC  ファッション界にも定評ある遊び心が魅力

■ic! berlin  進化するデザインと技術革新でアイウェアの未来を担う

■LESS THAN HUMAN  既成概念を覆すアナーキーな装飾品

■OAKLEY  トップアスリートからストリートファッションまで

■prodesign  アイウェア界におけるデンマーク・デザインの継承者

■CUTLER AND GROSS  アイウェアを実用からファッションへ転換

■SELIMA  個性が引き立つファッショナブルなコレクション

■STARCK EYES  アイウェアの進化を牽引し続けるカリスマ

■theo  オプティカルデザインをアートの領域まで到達させた独創性

■tse tse  東京発の機能美溢れるコレクション  



中でも、現在、圧倒的な人気を誇るのが国内ブランドの雄「LESS THAN HUMAN」(人間以下)だ。癖が強く豪快でかっこよく、パンクで無秩序な、あくまでも「道具ではない」、眼鏡。ノークラフト、ノーインダストリアル、ノービジネス、製造原価にも、一般 眼鏡ユーザーの意見にも惑わされず「馬鹿でエロティックでアナーキーな装飾品」としてレスザンヒューマンは創造される。

そして今後の注目株は、下記のブランドだという。

■ic! berlin  (ドイツ)

■prodesign  (デンマーク)

■ CUTLER AND GROSS  (イギリス)





 


商品ラインナップは、夏目社長が中心になって決定している。海外ブランドが約7割。仕入れは、ほとんど卸業者を介さない販売元との直接取引きである。

フレームは、男性向け6割、女性向け4割程度であるが、ユニセックスのものも多く、あえて女性が男性向けのフレームを選択したとしても、違和感を感じないケースもあるそうだ。

客層は、結果的に20代半ばから30代半ばの人が多いが、特にその年代をターゲットにしているというわけではなく、「ファッションとしてのメガネに理解のある人」であれば、年齢にかかわらず対応できる品揃えになっているとのこと。

クレイドルの、もうひとつのコンセプトは「仕立てる眼鏡屋」(オプティカルテーラー)。

メガネのフルオーダーが可能なのだ。工程は、以下の通り。

お客様のイメージにしたがってフレームの簡単なデザイン画を描く。それをメーカーに委託してCADとして起こしてもらう。職人にプロトタイプとして、まずは前枠のみを制作してもらう。お客様に前枠の現物を確認していただく。その後、テンプルを含めフルで制作。

納期はおおよそ二ヶ月と長い。

オーダーによる1点もののフレーム委託制作が可能なのは、地道に構築してきたメーカー、工場、職人との強い結びつき、信頼関係があってこそのものだという。

但し、オーダーメガネを前面に押し出して奨励しているわけではなく、あくまでも、既製品ではサイズがどうしても合わない、などの特殊事情がある場合にサービスとして対応しているという位置づけにすぎない。いわば、眼鏡制作に関する技術および知識の蓄積を目的に始めたものであり、実際の注文は月に1本あるかないか程度。



夏目社長に最後の質問として、「競合として意識しているショップはどこですか?」と聞いてみた。

すると即座に「特にありません。独自路線です。好きなようにやるだけです。」と返ってきた。

今後も顧客のウォンツに応えていけるという確かな自信が垣間見えた。



【CRADLE(クレイドル)青山店】

■URL: http://www.cradle.ne.jp/

■所在地:東京都港区南青山5-11-5 住友南青山ビル1F

■営業時間:11:00から20:00

■定休日:火曜日(祝日を除く)

■TEL: 03-6418-0577

■交通・アクセス:地下鉄銀座線、半蔵門線、千代田線 表参道駅 B3出口より

  徒歩5分 青山骨董通り沿い


東京都港区南青山5-11-5



 



 



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