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100年後でも手紙を送れるフォーエバー切手登場

(記事要約)

米郵政公社の発表によれば、5月14日からの郵便料金改定に伴い、第1種手紙の基本料金用に未来永劫使えるフォーエバー・スタンプ(永久切手)を導入する。フォーエバー・スタンプの販売は4月12日からで、販売価格は第1種手紙用の新基本料金と同じ41セント。

米国では、しばしば郵便料金の改定が行われるが、将来の料金改定で基本料金が上がっても、リバティ・ベルの図柄がついたこのフォーエバー・スタンプは、未来永劫、その時々の手紙用基本料金と同じ価値があると見なされる。

フォーエバー・スタンプは次に料金改定があるまで41セントで販売され、次回料金改定時には、第1種手紙用の新たな基本料金と同じ価格で販売される。

米郵政公社のプレス・リリース
http://www.usps.com/communications/newsroom/2007/sr07_011.htm

(解説)

「フォーエバー・スタンプ(永久切手)」という言葉を聞いた時、これでイライラから解消される!と思った。去年、郵便料金が改定されたばかりだと思ったら、また値上げである。

アメリカの郵政事業は税収入ではなく、郵便事業収益で賄われているため、経費が上がれば郵便料金にすぐにはねかえる。ガソリン価格が1ガロン(3.8リットル)あたり1セント上がれば、郵政事業の経費は800万ドル上昇すると言われている。

私がアメリカに来た1995年には、手紙の普通郵便基本料金(1オンス=28.34gmまで)は32セントだったが、その後の4回目の改定で、2006年1月には現行の39セントに引き上げられた。

今年5月14日に再び第1種手紙用の基本料金が41セントに引き上げられるに伴い、同じ41セントで未来永劫に第1種手紙用の基本料金として使えるフォーエバー・スタンプが売り出されるのだ。

同じ値段でフォーエバー・スタンプが購入できるなら、普通の41セント切手を買う人などいるのだろうか?

だいたいアメリカは何でも大雑把だ。料金値上げは政府の独立機関である郵便料金規制委員会の承認が必要で、ぎりぎりまで新料金がわからないため、とりあえず金額を入れないで新料金用の第1種手紙用の切手を先行販売したりする。

私の机の引き出しの中にも、1995年発行の天使の絵がついた切手や2000年発行の自由の女神切手、2002年発行のアンティークの玩具切手が埋もれているが、金額が入っていないので、それぞれがいくら分なのか思い出せずに放置されている。

その点、フォーエバー・スタンプなら、いつでも基本料金の手紙が送れる切手と覚えておけば良いので役立ちそうだ。

ところで長い目でみて、将来への投資としてこのフォーエバー・スタンプを買いだめする価値はあるだろうか? 確実に価値は上がるが、1?2セントずつ値上がりする分をヘッジすることで、切手富豪になれるとは思えない。本来の切手として使おうにも、Eメールで送れるカードやオンラインでの支払いが普及し、封書を郵送する機会自体が減っているのだから、大量に買いだめする余剰資金があったら定期預金に入れておいた方が良さそうだ。


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