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ブラジルで女性管理職の割合が高い背景

<記事要約>

「SEAD(サンパウロ州立データー分析システム財団)」による、サンパウロ市の女性の職場進出の結果が発表された。職場における女性の比率は2005年の44,7%から2006年には45%へ増加した。18歳から39歳までと50歳以上の世代の進出が大きく伸びたのが特徴だ。

2006年は全体的に失業率が下がったが、男性の13,4%に比べ、女性の失業率は18,6%と高い数値を継続した。サンパウロ市で女性が占める職業は、サービス業、工業、商業であった。そして、この8年で初めて、家事代行者の占める割合が減少した。

3月6日 BBC Brasilより


<解説>

女性の高学歴化に伴って、ブラジル女性の社会進出はめざましく進展している。

ブラジル地理統計院は、93年から2003年までに採用された女性労働者は採用全労働者の54,5%で、男性より多いことを発表した。女性の失業率が男性より高いことも、女性の社会進出の増加が、現在進行形であることを示している。

ILO(国際労働機関)によれば、ブラジルの女性管理職の割合は44%だ。職場における女性の比率とほぼ一致している。企業内での、雇用、昇進、賃金における男女差別は法律で禁止されており、大企業になればなるほど、厳格に守られている。

そしてブラジルの20,17%の企業が、女性リーダーであるという、CATHOの調査結果も興味深い。6年前にはこの数字は13,88%であり、急激な変化が見られる。

法律で保障される産後休暇は、120日間。配偶者出産休暇は、5日間。結婚退職は存在せず、出産後、職場復帰する女性がほとんどだ。そのうち全員が出産前のポジションに戻る。

これらの数字は、法律での男女差別の禁止が功を奏している。しかしそれだけでなく、社会全体の姿勢が大きく関係しているのではないだろうか。

ブラジルは、世界でも有数のキリスト教大国で、子どもは神からの授かり物、社会の宝物だという意識が強い。そんな宝物の誕生と成長を、企業内でサポートしていくのはブラジル人にとっては常識だ。そして男性の育児参加に対するサポートにも積極的だ。

また、ブラジルではキャリアを目指す女性は、家事代行者やベビーシッターを雇い、仕事を続けるのが一般的だ。家事の一部から開放され、働きやすい環境が整っていることもまた、女性が活躍できる理由の一つのようだ。


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