Entry

傷だらけの英雄、ルディー・ジュリアーニ

(記事概要)

「ジュリアーニの押入れはガイコツだらけ?」(フォックスニュース 3月24日)

共和党候補として今のところトップを走っているルドルフ・ジュリアーニ。その実力は折り紙つきだが、それと同時にスキャンダルのリストも長々と綴られている。

犯罪浄化に功績のあった警察署長を理由もなく降格。多くの人は、単なる嫉妬からの行動だと信じている。前妻ドナ・ハノーバーとの離婚と不倫疑惑。側近の警察署長の贈賄事件。実力派と言われながら、醜聞ネタにも事欠かないジュリアーニ。普通であればすでにレースを脱落していてもおかしくないが、そこでへこまないのがジュリアーニの魅力だという。 

(解説)

Skelton in the closet.(押入れの中のガイコツ)。よく使われる英語の表現で、人に見せられない秘密→スキャンダルを意味する。日本語で言えば、“脛に傷持つ”といったところか。

9・11テロで圧倒的な指導力を見せつけ、世界的なヒーローとなったルドルフ・ジュリアーニ。現在、支持率2位のジョン・マケインを大きく引き離し、共和党の指名候補ナンバーワンである。その武勇伝は枚挙にいとまがないが、共和・民主を合わせた候補者中、もっとも傷だらけの脛を持つ人物でもある。

フォックスニュースは3月24日、ジュリアーニのスキャンダルをダイジェスト化して見せた。腹心の警察関係者による汚職事件、マスコミの評価がジュリアーニよりも高くなった警察署長を、さしたる理由もなく更迭、離婚問題etc。こうして見ると、確かにジュリアーニほどスキャンダルの火種を抱えた候補者はいない。

画期的なのは、こうした外野の声をまったく意に介さないジュリアーニのパーソナリティーだ。

これらについてマスコミに突っ込まれても、それがどうした?政治の本筋には関係ないだろう?的な態度を貫く図太さ、豪放磊落さ。マスコミや反対陣営から投げつけられるこれらのハードボールも “政治家は実績がすべて”というルディーの自信に満ちた態度に吸収され、暖簾に腕押し状態である。

過剰とも思えるジュリアーニの自信を支えているのは、検事時代から積み上げられてきた輝かしい実績だ。大物マフィアの逮捕、犯罪都市ニューヨークの再生、そして、9・11当時の危機管理能力。反対陣営でさえルディーの能力には一目置いている。

イヤミな自信家、力強い指導者。自信に裏打ちされたジュリアーニの不敵さは、人々の評価を二つに分ける。

後を追いかける共和党候補ジョン・マケインが、不法移民や同性結婚などの微妙な問題に関して今ひとつ歯切れの悪い発言を繰り返しているのに対し、ジュリアーニの立場は明快だ。同性婚、人工中絶容認、銃の規制支持等、共和党保守派にとっては神経を逆撫でされるような主張の数々。誰の顔色も見ないジュリアーニは、自信を失いかけた一部の共和党支持者にとって、希望の星でもある。 


大統領選挙まで2年弱。その間、さらに強力なスキャンダル爆弾が炸裂する可能性は高い。その時ジュリアーニは今までのような傍若無人を貫けるのか。かつての側近、ヘンリー・スターンは語る。「ヒラリーとジュリアーニには2つの大きな共通点がある。二人とも絶対謝罪しない。そして、二人ともそれが強さだと思っている」。



  • いただいたトラックバックは、編集部が内容を確認した上で掲載いたしますので、多少、時間がかかる場合があることをご了承ください。
    記事と全く関連性のないもの、明らかな誹謗中傷とおぼしきもの等につきましては掲載いたしません。公序良俗に反するサイトからの発信と判断された場合も同様です。
  • 本文中でトラックバック先記事のURLを記載していないブログからのトラックバックは無効とさせていただきます。トラックバックをされる際は、必ず該当のMediaSabor記事URLをエントリー中にご記載ください。
  • 外部からアクセスできない企業内ネットワークのイントラネット内などからのトラックバックは禁止とします。
  • トラックバックとして表示されている文章及び、リンクされているWebページは、この記事にリンクしている第三者が作成したものです。
    内容や安全性について株式会社メディアサボールでは一切の責任を負いませんのでご了承ください。
トラックバックURL
http://mediasabor.jp/mt/mt-tb.cgi/122