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アダルト・グッズ通販会社が株式市場に上場

<記事要約>

セックス・トイ、つまり大人のおもちゃを7年前からインターネットで販売するDreamNexは、この業界で初めてパリ証券会議所の株式市場に上場することを発表した。

創業者のパトリス・マカールさんは、1990年にネット事業を始めようと、たまたま思いついたアイディアだと言う。従来よりソフトで、見た目も良い製品を揃え、新規の市場を開拓し、大きな利益をあげている。29万ユーロの資本金で始めたビジネスは、昨年は3400万ユーロの売上高をもたらしている。

上場後は、売上高8300万ユーロ相当になると想定されている。

http://www.lefigaro.fr/actubourse/20070319.FIG000000254_sexy_avenue_quand_le_charme_s_invite_en_bourse.html2007年3月19日のLe Figaro(全国日刊誌)より


<解説>

フランス人が、インターネットを使いこなし、抵抗なくネット上の通信販売を利用するようになったのは、ここ5年くらいだ。

「アムール(愛)の国」といわれ、カップルにとってのセックスが重要視されているフランス。夫婦が一週間にするセックスの平均回数が週3回との統計があり、世界の他国と比べても多い数値を示すが、セックスそのものに関しては意外と保守的。近年までアダルト・グッズを利用するカップルはそれほど多くはなかった。

厳格なカトリックの信者が多かったフランスは、1968年の五月革命で「女性と性の解放」を謳い、避妊薬ピルの普及のおかげで、フリーセックス、性の快楽を追及する時代が続いた。しかし、80年代後半からエイズの脅威で、特定のパートナーとセックスを楽しむスタイルに変化していった。

そして、90年代にはいり、セックス・トイの一般化がやっと進んだのだ。インターネットで情報が手に入りやすくなったおかげと、セックスのことを赤裸々に語るアメリカの人気ドラマ「セックス・アンド・シティ」の放映もあり、セックス・トイへの、特に女性の興味が高まった。

パリ市内のデパートでも販売コーナーがあるくらいだ。パリには、ピーガルやサンドニという風俗店やセックス・ショップが軒を連ねる界隈が昔からあるが、地方都市は、アダルト・グッズ・ショップがオープンすると人気を博していた。

人目を気にしなくてよいネット販売の利用者が増えるのも必須である。DreamNexが経営するSex Avenueは月間1800万ヒットするくらいの人気サイトになった。上場して、1400万ユーロの投資を狙い、携帯電話での出会いサイトをつくる計画をしている。

日本のように性産業が表面化しておらず、地下に潜りがちのフランス。産業としての成熟が近年みられるだろう。


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