坂道でも自動変速 ─自転車業界にヒット商品の予感:Trek(トレック)社のLime(ライム)
米国在住ジャーナリスト
コンピュータ制御で自動変速を行う自転車が話題だ。冷え込みが続く市場で需要回復の起爆剤になるかと期待されている。
(記事要約)
ビル・ラングさん(58)は、自転車に乗るたびに、難しいギア変速のことを考えるのが苦痛だった。どのスピードでどのギアに入れればいいのか、路面状況に合ったぴったりのギアにタイミング良く変速するにはどうしたらいいのか。走っている最中に、いろいろと考えながら操作するのは難しすぎる。頭がこんがらがるのだ。でも、そんな心配も過去のものとなった。自動変速機付の自転車を500ドルで購入したからだ。ついでに妻用にと、2台をお揃いで買った。
このハイテク自転車は、センサーが車両の速度と勢いを感じ取り、コンピュータで変速を自動制御してくれる。時速11キロ、18キロあたりで3速ギアが切り替わる。まるでオートマチック車のようだ。乗り手はペダルを漕いでさえいればいい。
サンノゼ・マーキュリー新聞より
(解説)
コンピュータ制御による変速システムが自転車に登場したのは2001年。シマノがDi2(デジタル・インテグレーテッド・インテリジェンス)と呼ばれる制御システムを開発したのが始まりだ。自転車に装着されたセンサーとコンピュータでギアをコントロールし、例えば上り坂では低いギア、下り坂では高いギアに自動変速する。走行にあわせてサスペンションも最適な硬さに調整されるスグレモノ。
そのDi2の自動変速の部分だけを取り出した技術がShimano Coastingで、自転車メーカー最大手のトレックにライセンス供与された。同社が発売した「ライム」はおしゃれなスタイリングをした街乗り自転車で、ペダルの付け根の部分に自動3速シフターが内蔵されている。前輪ハブの部分に発電機が内蔵され、それを電源としてシフターが自動でギア制御を行う。
シンプルな車体デザイン、ライム、ピンクを始めとするパステルカラーのペイント、小物入れにもなるサドルなど、ライムには思わず乗ってみたくなる魅力が詰まっている。http://www2.trekbikes.com/lime/
アナリストによると、米国の自転車市場はここ12年間ゼロ成長が続いている。2005年の統計では、7歳以上で年間6回以上自転車に乗る人口はおよそ4300万人。10年前と比べて1300万人減った。業界では市場回復の決め手となるような新製品を探し求めており、この自動変速機付自転車はそうなる可能性があるという。
■関連情報
●GIZMODO 2007/04/05
「Trek Lime」:自動ギアチェンジシステムとかその他いろいろ付き自転車
http://www.gizmodo.jp/2007/04/post_1252.html
●DesignWorks サドルが小物入れになる自転車「Trek Lime」 2007/04/05
http://designwork-s.com/article/37859638.html
●Trimmarks 「自転車についていろいろ」
http://trimmarks.blog15.fc2.com/blog-entry-779.html
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