女性だけのスタッフで、靴磨きサービスを会社組織として提供しているところは、日本広しといえども、そうそうないだろう。

東京　品川駅ショッピングセンタービル　atre（アトレ）のエントランスロビーを通ると、設置されている「王朝風椅子」に目を引き付けられる。ニューヨークに、このような椅子での靴磨きスタンドがあるかどうかは知らないが、コンセプトはニューヨークスタイルなのだそうだ。

あらためて考えてみると、一昔前は、街場（まちば）に、靴磨きのおじさんがいる風景を普通に見ることができたが、最近は、ほとんど見かけなくなったと感じないだろうか。

元々、若い靴磨きは稀であることから、高齢化の波により、自然と引退したため、見かけなくなったということか？　はたまた、稼ぐことができないから、やる人がいなくなってしまったのか？

そんな時代に、今までの「靴磨き屋」のイメージを根底から覆す形で出てきたのが、「Sabrina （サブリナ）─shoe shine─」だ。　　2006年9月にオープン。

店長の佐藤　英里さんにお話を伺った。

店名の由来は、ある有名な靴磨き職人が、オードリー・ヘップバーンが来日した際、靴を磨いたところ、感激してオードリーに抱きつかれたエピソードから、自分たちも「お客様に感動を与えたい！」という気持ちを込めて、オードリー主演映画「麗しのサブリナ」よりとったものだという。

この事業は、株式会社ベルビーという法人向け旅行代理店業務を主とする会社の社内プロジェクトである。といっても、運営スタッフは靴に関する仕事の経験があったり、知識をある程度備えた人が外部から招聘されたとのこと。つまり、この事業のスタッフになることを希望して入社し、さらに技術的なトレーニングを積んだ女性たちであり、会社命令により、嫌々やっているわけではないので、ご心配なく。

とはいえ、現状、運営は女性３人だけの交替制ということで、業務はハードだろうなということは窺い知れる。

店長の佐藤　英里さんは、前職がアパレル関係であるが、社会人になる前に、文化服装学院のシューズコース３年課程において、靴作り、デザイン、ドローイング、パーツ・素材の知識、ファッションビジネス、マーケティングなどをトータルに学んだ経験を持つ。

「“靴磨き”を起点とした靴および皮革製品に関するサービスで、独自のスタイルを確立したい」と夢を語る。
 

そして、「Sabrina(サブリナ)」には、以下のような特徴、利点があると説明する。

●女性客が依頼しやすい雰囲気がある（女性の社会進出が進んでいるので需要がある）。
●ファッショナブルな若い世代が依頼しやすい雰囲気がある。
●トータルファッションとして、高級な靴を履く人が増えているが、靴磨きを自分では、なかなかうまくできない、あるいは面倒という人も多いので、需要が高い。
●靴を短いサイクルで履きつぶすのではなく、行き届いた手入れをすることにより、いい靴を長く履くことは、環境にもやさしい（LOHASなライフスタイルの実践）

「Sabrina(サブリナ)」をただの靴磨きスタンドと甘くみてはいけない。
下記のラインナップをみれば、皮革製品に関する高度なトータルサービスであることが理解できるはずだ。

●靴磨き（カウンセリング料金込み）─￥700から
●靴以外に、財布、名刺入れ、ベルト、ビジネスバッグ、旅行用バッグなどの皮革製品の磨きサービス─￥1,000から（旅行用バッグ等LLサイズのものは─￥5,000）
●カラーリング（各種革染めを専門工房にて、熟練の職人が一つ一つ丁寧に染め上げ、お気に入りの靴やバッグを新しい姿に変える。）─￥5,000から
●修理（細やかなカウンセリング後、専門工房にてお直し。バッグ・革製品の修理も可。）─￥1,000から
●クリーニング（靴の丸洗い）─￥3,000から
●上記のような注文を郵送でも受け付ける（１．電話にて受付をした後に、靴と一緒にお客様のお名前、住所、電話番号、ご注文内容のメモを送料お客様負担にて送付。２．靴が届き次第、担当者からお客様に電話。注文内容、代金、納期をご相談。３．本社の口座へ代金をお振込いただき、入金の確認が取れ次第、作業を開始。４．仕上がり次第、返送。）

新しいコンセプトの「女性による靴磨きサービス」が時代にマッチし、多店舗化へと繋がるのか、見ものである。

【Sabrina ─shoe shine─】
公式ブログ：http://sabrinashoeshine.blog.shinobi.jp/
所在地：東京都港区港南2-18-1品川駅港南口/アトレ品川２Ｆエントランスロビー
営業時間：9:00から20:00（土・日・祝日定休）
TEL: 070-6966-8490
Mail:info@bellevie.co.jp