「下品」「悪趣味」「程度が低い」などの批評を受けつつも、Sabrina Sato
（サブリナ・サトー）の人気は絶大だ。

ブラジルには、歌手のマルシア、日本国籍を取得したサッカー選手　田中マルクス闘莉王、ブラジル大統領府広報行政調整長官のルイス・グシケンなど著名な日系人が多くいる。サブリナ・サトーはその中でも全国ネットのテレビ番組に出演し続けている日系ブラジル人のバラエティ・アイドルだ。

ブラジルの日本人移民の歴史は2008年に100周年を迎える。奴隷解放後、不足したコーヒー園の労働者として、多くの日本人が海を渡った。過酷な労働、気候文化の違いを乗り越えて、その勤勉さが評価され、ブラジルでの日系人の信頼度は高い。ブラジルは世界最大の日系人居住区で、現在約50万人の日系人が生活している。

サンパウロから485キロ離れた「ぺナポリス」出身の、サブリナ・サトーが注目をあびたのは、2003年のことだ。ブラジルで爆発的な視聴率を誇る「ビック・ブラザー・ブラジル（BBB）3」に出演したのだ。67日間、選ばれた若者が一つの家で共同生活をする番組で、モデル出身で田舎なまりの「ジャッピーニャ（日本の女の子）」に、お茶の間は釘付けに。露出場面が多い出演者としても注目をあびた。

1981年生まれ。レバノン系の父と日系の母を持ち、その容姿とスタイルにティーンからの爆発的な人気を勝ち取った。明るくて素朴で、額のほくろと、腰の上にあるハートのタトゥーがトレードマークだ。

また、「ビック・ブラザー・ブラジル」はこれまで7回放送されているが、2006年までに10人の出演女性が、雑誌でヌードを披露している。もちろんサブリナ・サトーも「プレイボーイ」で表紙を飾り、話題を呼んだ。ブラジルは世界でも有数の整形大国。シリコン入りのサブリナ・サトーの胸とお尻に文句をつけるファンはいない。

彼女の存在を決定的にしたのは、現在も進行中の「パニックTV」。Red TV局の番組で、局の中では一番の視聴率を誇っているが、実は一番クレームが多い番組でもある。理由は「卑語、俗語の使用」「動物に対する残酷さ」などであるが、確かに、ねずみに風船をつけて飛ばしたり、動物の性器を肝試しに使用したり、悪趣味で下品な企画が目玉である。

サブリナ・サトーはこのお笑い番組に、「ランジェリー隊」の隊長として出演していた。Tバック姿の女性たちが、番組内で様々なロケを決行する。牛の性器に腕を突っ込んだり、ダチョウに乗って競争したり（この回ではサブリナ・サトーはダチョウから転落し入院、新聞でも報道された。）、様々なことに身体を張って挑戦する。

「セクシーでかわいい日系人」がサブリナ・サトーのキャッチフレーズだ。実際、ダチョウから落ちて番組出演できなかった時は、代わりに2人の日系ブラジル人の女性が出演していた。といっても日本語が話せるわけではない。それでも「細い目」であればブラジル人にとっては日本人。

なんにでも挑戦する「マゾ」的な存在感も人気の秘密だ。そして田舎なまりのハスキーボイスと、行動のかわいらしさは、とにかく憎めないキャラクターだ。

自分のキャラクターを売りに、「悪趣味」と批評される番組に、まさに体当たりしていくサブリナ・サトーの勇気は注目に値する。現在は「ランジェリー隊」ではなく他のコーナーに出演している。

ブラジル生まれの「かわいいセクシーな日本の女の子　サブリナ・サトー」の挑戦は続く。

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