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mixi(ミクシィ)コミュニティで話題 インドの樽ドル「Namitha(ナミータ)」とは?

最近、インド女優のナミータ(Namitha Kapoor)がなぜかmixi(ミクシィ)の、あるコミュニティ上で密かに人気だという。

といっても、本国インドでナミータ(Namitha)はそれほどメジャーな女優ではない。映画大国インドの映画産業の中心地はムンバイ(現地語での発音に対応してボンベイから改名)で、そこで主に作られる映画は、ハリウッドをもじって「ボリウッド映画」と呼ばれ、近年では世界でもその名を聞くようになってきている。ボリウッド女優の中には元ミスユニバースのアイシュワリヤ・ラーイのように、世界的にも名が知られている女優もいる。http://www.aishwaryaraifan.com/picture.html

だがナミータ(Namitha,Nameetha)は、インド映画のメジャーであるボリウッド映画の女優ではないのだ。彼女はテルグー映画やタミル映画などの南インド映画の女優である。

テルグー映画とは、インド南部のアーンドラプラデーシュ州の言語であるテルグー語で作られる映画であり、タミル映画とは同じく南部のタミルナドゥ州でタミル語で作られる映画である。両者とも、その州出身の人以外はあまり見ることのない映画だ。少なくとも首都デリーでは「ナミータ(Namitha)」の名はいっさい耳に入ってこない。(南インドではおそらく「ナミータ Namitha」は人気女優なのだと思うが)

では、そんなナミータ(Namitha)がなぜいきなり日本のmixi(ミクシィ)上で話題なのか?

実は、「樽ドル」として話題なのである。

「樽ドル」というのはその名の通り、「胴部分が樽のようなアイドル」という意味で、本来グラビアアイドルに不可欠とされた腰のくびれがあまりなく、お腹の肉もぽちゃっとして、腰全体に贅肉がついているようなアイドルを言う。グラビアアイドル界における一ジャンルとして認識されつつあるらしいのだが、そんな樽ドルファンの間で、ナミータ(Namitha)が萌えているのだそうだ。

インドという国は長らく、太っている事を美人の条件としてきた。民族衣装のサリーも太っていた方が似合うようにできている。外からの情報がたくさん入るようになり、「スリム=美人の条件」という国際的な価値観が浸透してきたのはつい最近の事なのであり、それまでは、痩せている事は貧しい事の象徴でしかなかったのだ。だが、いくら価値観がスリム=美人、という風に急変化したからといってもそう簡単に皆がスリムになれるわけではない。

インド人女性は思春期も過ぎた頃になると、みるみる腰周りに肉がつく体質を持っているようで、同じくここ数年で急速に浸透したジーンズも皆、パンパンだ。近年流行のダイエットも、体質および脂肪の多い食生活による体の「樽化」防止にはなかなか追いつかないようである。街行く女性は、樽タイプのオンパレード。着ているTシャツも腹や腰のあたりがパッツンパッツンだ。

それでもメジャーなボリウッド女優ともなると、やはり皆、かなり努力してスリムな体型を保つようになってきている。一昔前のムッチムチの女優群と比べると雲泥の差で、女優達はスリムになってきた(といっても、日本のレベルで見ればやはり皆、ムチムチであるが)。

ところが、ナミータ(Namitha)の活躍する南インド映画界ではいまだ、国際的価値観へ向けての急変化(=スリム化)はボリウッド映画程は進んでおらず、まだまだムッチムチの「樽な」女優達がたくさんいるのである。

日本の「樽ドル」ファンはめざとくも、そこに目をつけたのであろう。さすがである。

そういえば、南インド女優と言えば「ミーナ」を思い出す方は多いのではないだろうか? 10年程前に日本で突然大ヒットした「ムトゥ 踊るマハラジャ」も実は南インド映画であり、マドンナ役はミーナという迫力満点ボディの女優であった。あの時に来日も果たしている彼女も、今思えば、まさに「樽」であった(当時はまだ、樽ドルという言葉はなかったが)。

「ムトゥ 踊るマハラジャ」でミーナの存在感たっぷりの樽ボディがあの時、一部の人々に潜在的に何かをインプットしたのかもしれない、なんて思えてくる。ナミータ(Namitha)はまさに、ミーナの系譜だからだ。

ミーナがあの時「女神」と言われたように、「樽ドル」ファンは、樽な女性を女神のように感じるのかもしれない。その感性は分からないでもない。「樽ドル」は「グラビアアイドル界における一ジャンル」として認識されつつあるらしいが、「癒し系アイドルの一ジャンル」として認識されつつある、とも言ってみたい。

樽なインド人女性の場合は「牝牛(めうし)」系と名づけてみたくなるような気もする。牛といえば、インドでは母なる神聖な動物として崇められており、「白い牝牛」を表す「ナンディニー」という名前は、実際にインド人女性によくある名前だ。

どこか「大地」とか「母なる何か」を連想させる、あの堂々とした腹は、ちっぽけな不安など爆風で吹き飛ばしてくれそうな頼もしさを持っている。非常に陽性な魅力と言っていいだろう。それで顔がかわいかったりすればアイドルとして一ジャンルを築くのは不思議ではないのかもしれない。

見事な樽っぷりの腰周りとキュートで整った小さな顔で、日本に樽ドルファンを持つ牝牛系ナミータ(Namitha)。おおらかなオーラで、日本社会のめざとい人たちを密かに癒しているようである。


●Namitha Fan Site
http://www.namitha.info/index.html

http://www.namithaweb.com/


●フォト
http://www.behindwoods.com/Gallery/Actress/namitha_gal/index.html

http://www.indiaglitz.com/channels/tamil/gallery/actress/4237.html

http://www.idlebrain.com/movie/photogallery/namitha.html

http://www.keralapals.com/gallery/namitha-1.html

http://www.kollywoodtalk.com/actress-gallery/view/Namitha/


●動画
http://www.youtube.com/watch?v=k4dF0HBKsPw

http://www.youtube.com/watch?v=q_tVsKvXuS8

http://www.youtube.com/watch?v=KNMGjWB77gc


●インタビュー
http://www.behindwoods.com/features/Interviews/Interview1/html/nameetha_interview.html


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「樽ドル」 〜インド映画再ブームも夢じゃない??? 2007年08月22日 13:24
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