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次世代TVメディア「blip.tv」であなたもプロデューサーに

(記事要約)

オンライン上のビデオ投稿サイトのblip.tvが5月、インターネット界のアカデミー賞と言われる第11回Webby Awardで、「2007年ベスト・ブロードバンド・ウェブサイト」を受賞した。

またPeople’s Voiceの投票でも、同じカテゴリーで受賞した。blip.tvは、個人や独立系プロデューサーが作った番組に対して、無料でウェブホスティングをするだけでなく、配給やマーケティング、広告販売といったサービスも提供している。

サイト上(http://www.blip.tv)で番組を流すだけでなく、iTunesやApple TV、ビデオ・オンデマンド、AOL Video、Yahoo!Videoといったサイトにも配給している。番組は本格的なコメディーやドラマ、ニュース番組、地域紹介から、趣味のグループ活動や家庭に代々伝わる秘伝料理番組などさまざまだ。

Feed Me Bubbe 第1回番組のウェブページ http://www.blip.tv/file/55044/



ウォール・ストリート・ジャーナル ネットビデオにシニアも進出(5月10日付/日本語版)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0705/16/news021.html

(解説)

家庭でのビデオ撮影や、YouTubeなどのウェブサイトを通じて公開することが容易になり、より幅広い層がオンライン・コミュニティーに参加するようになった。

blip.tvによれば、YouTubeと違い同社は単なるバイラル・ビデオではなく、プロシューマー(プロデューサーであり、コンシューマーでもある層)により作られた、より娯楽性の高い番組や連続番組のサポートに焦点をあてている。

独立系のプロが作る本格的な番組がある一方で、手作り番組が人気を呼ぶ場合もある。例えば80歳代のバイラ・シェールさんは、23歳の孫のアブロム・ホニグ氏と一緒に、家族の間に代々伝わる料理法を紹介しようと、「Feed Me Bubbe(おばあちゃん、ご飯つくって)」という料理番組をつくった。

シーンを考え、事前に料理を練習し、何十回分ものエピソードを製作した。この料理番組は、blip.tv及びその他のビデオサイトで、合計20万回以上も視聴されたという。

シェールさんは、「孫と時間を過ごし、料理法を後世に伝える良い機会」と、ウォールストリート・ジャーナル(5月10日付)の記事で話している。シェールさんは、番組のファンから寄せられる何千通もの電子メールに、自分で返事を書いているという。

blip.tvはビデオブログ・コミュニティーから発展して2005年5月に設立された。無料のウェブホスティングだけでなく、YouTubeよりも多様なビデオ・フォーマットをサポートしている。

また番組に広告を入れることも可能で、広告収入はblip.tvと番組制作者で折半する。

blip.tvの目標は、才能あるプロデューサーが独立系のまま素晴らしい番組づくりに専念することができるよう、あらゆる番組サポート・サービスを提供することだという。

娯楽分野でも商業主義が先行し、何百ものチャンネルがあっても、面白い番組がないという不満の声は多い。blip.tvのようなサイトが、独立系プロシューマーによる、とんがった番組づくりを促進するかどうか楽しみだ。
 
 


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