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マテ茶 ─ 夏バテを防ぐ南米の強壮茶(緑の薬箱 その2)

  • グリーンフラスコ株式会社 代表・薬剤師
  • 林 真一郎

今回は、真夏にお勧めのハーブティーでありながら、わが国ではあまり知られていないマテ茶についてご紹介したいと思います。皆さんは「世界の3大ティー」をご存知でしょうか?

西洋のコーヒー、東洋の茶(緑茶などの不発酵茶や烏龍茶などの半発酵茶、それに紅茶などの完全発酵茶)それに、今回ご紹介する南米のマテ茶の3つが正解です。

コーヒーがアカネ科、茶がツバキ科であるのに対し、マテ茶はモチノキ科のハーブで、主にパラグアイ、アルゼンチン、ブラジルの3国に生育し、別名パラグアイティーとも呼ばれています。

それでは、注目すべきマテ茶の成分について解説します。マテ茶はハーブには珍しくカフェインを含んでいます。ご承知の通り、カフェインは中枢神経の働きを活性化して脳をすっきりさせ、眠気やだるさを吹きとばす効果をもたらします。

また、マテ茶は食物繊維やビタミンB群、それに日本人に不足しがちなミネラルである鉄分やカルシウムを豊富に含むことで知られています。南米では肉食が多く野菜が不足しがちになるため、現地では食事のあとにマテ茶を飲む習慣があり、マテ茶は「飲むサラダ」とも呼ばれているのです。

ここで、マテ茶にまつわるエピソードをひとつご紹介しましょう。昔、スペインの軍隊にインカ帝国が攻撃されたとき、インカの兵士はマテ茶だけを食料にして60日間も戦ったという逸話が残されています。この話は、マテ茶が栄養素に富んだ強壮茶であることを物語っていると思います。

次に、マテ茶の淹れ方をご紹介しましょう。1人分ティースプーン山盛り1杯のマテの葉に熱湯200mlを加え、フタをして3分間抽出すればできあがりです。(つまり、マテ茶の淹れ方は紅茶のリーフティーの淹れ方と全く同じです。)

なお、市販のマテ茶にはグリーンタイプとローストタイプの2種類があります。これは煎茶と焙じ茶の違いと似ていて、グリーンタイプを焙じたのがローストタイプです。ローストすることで若干カフェインが破壊されるので、ローストタイプの方がほんの少しカフェインの含有量が少ないのですが、効能・効果にあまり差はありませんから、風味の好みで選んでいただいて結構です。

次に、たいへん美味しいアレンジメニューをご紹介しましょう。これは「コシード」と呼ばれる飲料で、まずティースプーン山盛り1杯のローストタイプのマテの葉を熱湯60mlで5分間以上抽出し(濃く淹れれば、淹れるほどおいしい!)、次に、牛乳140mlを加え茶葉ごと弱火で加熱し、沸騰してきたら火を止め、茶こしで濾してできあがりです。さらに、シナモンスティックでかき回したり、シナモンパウダーをひとふりすると、さらに美味しくいただけます。

ところで、マテ茶は暑い国のお茶なので、冷たくしていただく方法もあります。この「アイスマテ茶」は現地では「テレレ」と呼ばれますが、マテ茶を氷などで急冷するか、マテ茶を冷蔵庫で冷やせば簡単に作れます。また、ダッチコーヒー(水出しコーヒー)の要領で、マテの葉5gに水200mlを静かに注ぎ、そのまま1時間ほど放置しておく方法もあります。この方法だとカフェインや渋みの原因であるタンニンの溶出が抑えられるので、ノンカフェイン、かつ口あたりの良いテレレが楽しめます。

私は健康管理の視点からあまり冷たい飲料はお勧めしないのですが、アイスハーブティーは必要以上に体を冷やさないので安心です。なお、カフェインには脂肪の燃焼を促す作用があるため、フランスでは肥満の方の減量プログラムの一環にマテ茶が用いられています。このような魅力に富んだ南米の強壮茶を、ぜひ夏バテや気力、体力の低下の際にご活用ください!


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グリーンフラスコで扱っているマテ茶は、ブラジル産のローストタイプと
アルゼンチン産のグリーンタイプです。
カフェインを含むため興奮作用を持ち、さらに鉄分とカルシウムを豊富に
含むため心肺機能が高まり運動能力や持久力を向上させます。

☆下記のオンラインショップにてお求めいただけます。
http://shop.greenflask.com/shopdetail/007001000022/brandname/
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■関連情報

○関心空間 「マテ茶」 2004/07/03
http://www.kanshin.com/keyword/517616


○酒とバラのパラグアイな日々 「チャコ戦争とテレレ」 2005/04/22
http://michiota.exblog.jp/1565663/

 


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