Entry

真のボーダーレスへ! インターネット時代が叶える世界を舞台にしたリアリティー・ショー制作

<記事概要>

元リアリティー・ショーのスターは今いずこへ? 今回3人のリアリティー・ショー経験者が、マルチプラットフォームで、相互作用的な機能をもったインターネット上で、旅がらみのリアリティー・ショーを作りあげる構想を発表した。

最初の番組は「Around The World For Free(http://www.aroundtheworldforfree.com)」。オンラインで番組を視聴するユーザー参加型の番組で、プロデューサーは「アメージング・レース(http://www.cbs.com/primetime/amazing_race5)」のアレックス・ボイラン、「サバイバー(http://www.cbs.com/primetime/survivor9/)」のバートン・ロバーツ、そしてエミー賞候補になった放送作家・ディレクターのゾルト・ルカ。

FanRocket(ファンロケット:http://www.fanrocket.com/)というソーシャルコミュニティサイトを通して放映される。なお、FanRocketはドナルド・トランプの「アプレンティス(The Apprentice)」の優勝者、ダニー・カストナーが設立した。

9月9日リアリティーTVマガジンブログより
http://www.realitytvmagazine.com/blog/2007/09/three-reality-t.html

 

<記事解説>

なぜ米国人はリアリティー・ショーが好きなのか? オハイオ大のレイス博士の分析(http://www.medicinenet.com/script/main/art.asp?articlekey=36825)を要約すると、リアリティー・ショーは、通常、番組を見ているだけの視聴者が有名になることで高い身分を得られるかもしれない、という夢を与えてくれるからである。つまり、普通の人でも、何万人の視聴者から注目されるような「大切な人」になれるかもしれない、ということだそうだ。

どんなリアリティー・ショーにも大体共通することは、一定のサイズのコミュニティーで、恋愛、知能、体力などいずれにしても「競争する」という環境におかれた際に、ドラマが生まれる。ちなみに、米国でのリアリティー・ショー人気を高めたのは3大ネットワークの一つ、CBSの「サバイバー」である。

このリアリティー・ショー、これまでは3大ネットワークや、BRAVO、MTVといったケーブル局が制作するものが主流だった。そこへ今新たな流れが加わろうとしている。「インターネット」である。

今回FanRocketがプロデュースするインターネット・リアリティー・ショーは次の点で注目したい。

      ○人気リアリティー・ショーに出演あるいは制作してきたスタッフが作ることにより、
        クオリティーの高い映像と内容が、ある程度保証されている点

      ○インターネットという制限のない環境を背景に、本格的に「だれもがみんなの注目を
        集める有名人」になる可能性を無限に広げるプロジェクトだという点


ところで、「Around The World For Free」に先駆け、米国でもう一つ大きなプロジェクトが動いている。インターネット関連ビジネスで一財をなした、ジョエル・コム(ベストセラー『Googleアドセンスの秘密』著者http://www.joelcomm.com/)が、8月の中旬、初のオンライン・リアリティショー「the Next Internet Millionaire  (http://www.nextinternetmillionaire.com/)」をスタートしたのだ。

番組のホスト兼プロデューサーであるコムは、自身のネットワークを通じて番組の趣旨を世界中の6万に上るブロガーたちへ配信。その甲斐あってか、配信日の8月18日には、トラフィックを管理するALEXAの統計によると、アメリカンアイドル(AmericanIdol.com)や3大ネットワークのウェブサイトを押さえ、総合1626位に。番組を視聴した90%の人から、早速番組に対して非常に協力的・好意的なメールが続々と届いているとコム氏はコメントしている。

内容は選ばれた12名の参加者が、毎週課題を乗り越え最後に残った1名には賞金と、コムのプロジェクトに参加できるチャンスが与えられる。課題を行う前には、毎回インターネット関連事業で成功しているトップたちが講義を行う。その後チームでプレゼンテーションをし、負けた組からは脱落者が出る、というまさにアプレンティス(http://www.nbc.com/nbc/The_Apprentice/)形式。

この番組はインターネットで配信される番組ということ以外にも特徴がある。番組のオーディション方法だ。参加希望者は、オーディション用のビデオ(立候補ビデオ)をYouTubeで配信。一般ビュアー(視聴者)からの人気投票により、番組出演者が決められたのである。(http://www.nextinternetmillionaire.com/registration.php
これであれば、オーディション会場に集まる必要もないわけで、結果的に参加者は米国に限らず、イギリス、カナダ、コスタリカなど、世界各地から集まった。

この「Around The World For Free」と「the Next Internet Millionaire」の2つのプロジェクトの注目すべき共通項は、

      ○完全にオンライン上だけで進められているという点
      ○世界を視野に入れたプロジェクトだという点

番組に参加する人は、その国在住じゃなくても問題ない。真のボーダレス番組なのである。リアリティー・ショーの持つ「共感」という魅力は、これから言葉や住む場所という地域性に関係なく、世界を舞台に共有していくことができるものとなりそうだ。

 

 

【関連情報】

○at ブログヘラルド 2007/05/01
 「ネット業界のミリオネアを決めるオーディション」
http://jp.blogherald.com/2007/05/01/who-will-be-the-next-internet-millionaire/


○関心空間 「Judge Hatchett TVリアリティー・ショー@米国」2007/09/09
 (裁判シリーズ)
http://www.kanshin.com/keyword/1208286


○Meine Sache マイネ・ザッヘ 「 究極のリアリティショー」 2007/06/02
 (オランダで、末期の脳腫瘍(しゅよう)の女性が自分の腎臓を提供する患者を
  視聴者の声を聞きながら決めるリアリティー番組)
http://meinesache.seesaa.net/article/43622277.html


○webザテレビジョン: エンターテインメントニュース 2007/05/31
 「ファッションデザイナーによる注目のリアリティー・ショーがスタート!」
http://blog.television.co.jp/entertainment/news/2007/05/post_169.html


○昭和趣味  2007/03/27
 「MANOR HOUSE マナーハウス 英国エドワード朝リアリティーショー」
 (今から百年前の英國、華麗なるエドワード朝の時代を衣食住すべて忠実に再現し、
  また現代人が当時を生きることでの難しさ、葛藤を見事に描き出した番組のDVD化)
http://plaza.rakuten.co.jp/ryokutea/diary/200703270000/


○宮台真司 MIYADAI.com Blog   2007/03/21
 映画『レベル13』批評「贖われることのないソーシャルデザインの地獄をどうするか?」
http://www.miyadai.com/index.php?itemid=475


○ニューヨークの遊び方 「NYを舞台にしたリアリティ・ショーが人気です」  2007/02/12
 (ニューヨーク住人による観光&生活情報とか。)
http://nyliberty.exblog.jp/6468116/


○mediologic.com/weblog 2006/09/11
 「ファッションデザイナー発掘リアリティショー」
http://www.mediologic.com/weblog/archives/001052.html


○ブログ版Queer Music Experience. 2006/01/02
 「ピート・バーンズ、リアリティ・ショウに進出」
http://queermusicexperience.blog10.fc2.com/blog-entry-65.html


○B3 Annex 「ヴァージンのブランソンもリアリティショーに参戦!」2004/10/31
http://toshio.typepad.com/b3_annex/2004/10/post.html


○fujikoちゃん、New Yorkを生きる!「Tommy Hilfigerのリアリティショー」2004/08/30
 (ニューヨーク在住のfujikoがお届けする、グルメ、ビューティー、エンターテイメント情報です)
http://fujiko55.livedoor.biz/archives/6305541.html

 

 


  • いただいたトラックバックは、編集部が内容を確認した上で掲載いたしますので、多少、時間がかかる場合があることをご了承ください。
    記事と全く関連性のないもの、明らかな誹謗中傷とおぼしきもの等につきましては掲載いたしません。公序良俗に反するサイトからの発信と判断された場合も同様です。
  • 本文中でトラックバック先記事のURLを記載していないブログからのトラックバックは無効とさせていただきます。トラックバックをされる際は、必ず該当のMediaSabor記事URLをエントリー中にご記載ください。
  • 外部からアクセスできない企業内ネットワークのイントラネット内などからのトラックバックは禁止とします。
  • トラックバックとして表示されている文章及び、リンクされているWebページは、この記事にリンクしている第三者が作成したものです。
    内容や安全性について株式会社メディアサボールでは一切の責任を負いませんのでご了承ください。
トラックバックURL
http://mediasabor.jp/mt/mt-tb.cgi/375