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動き始めたGoogle Phoneは日本のケータイ業界の脅威となるか

iphone(アイフォン)の話題もようやく落ち着いてきた。今度はGoogle(グーグル)が開発していると噂される、Google Phone(グーグルフォン)への視線が熱くなっている。Googleは未だ公式での発表を行っていないものの、いつくかの情報筋から具体的な進行状況がすでに明るみに出ている。検索エンジンのトップに躍り出ているGoogleなだけに、水面下で進行するGoogle Phone(グーグルフォン)に期待が高まっている。

今年の3月頃から、ブログやインターネットサイトでは、Googleが多額の資金を投資し、独自の携帯電話を開発していると噂されてきた。沈黙を守ってきたGoogleだが、目立った動きを見せたのは、今年8月。ウォールストリート・ジャーナルやロイターによると、とうとうGoogleが、携帯の試作品を完成させ、携帯メーカーであるT-Mobile USAやVerizonなど、複数の携帯事業社と携帯メーカーにお披露目をしたと伝えている。
(関連情報http://online.wsj.com/article/SB118602176520985718.html?mod=hps_us_pageone 、 http://www.reuters.com/article/technologyNews/idUSN0242431720070802?feedType=RSS )


Googleは、複数の携帯メーカーから携帯電話を販売し、複数のキャリアを利用できるようにする。今のところGoogle Phone(グーグルフォン)に搭載される機能として分かっているのは、検索機能、Eメール機能、カメラ、内蔵Wi-Fi、GPSなど。

特筆すべきは、Googleが携帯電話に広告を掲載し、広告料金で、通話料を無料にしてきたいという方針であること。Googleが携帯市場に参入する目的は、これから躍進するモバイル広告獲得だろうという予想のもとにある。ウォールストリートジャーナル紙によると、eMarketerの調査で、世界のモバイル広告は昨年15億ドル市場。2011年には140億ドル市場に拡大するだろうといわれている。Googleは今後の伸びが確実視されているモバイル広告市場で優位に立つため、携帯電話サービスに参入しようとしているのだ。

iPhoneが引き合いに出されることが多いが、iPhoneは、アップルが携帯の端末販売で利益を上げているもの。広告収入を見込むGoogleとはビジネスモデルが全く異なるのだ。

では消費者の反応はどうだろうか。eWEEK..comによると、Kelsey Groupが10月11日に公表した調査結果として、インターネットポータル運営会社が携帯電話事業を展開すれば、購入を考えるかという質問に回答者500人中100人、つまり20%が購入に興味があるという回答を示したとのことであった。(関連情報http://www.eweek.com/article2/0,1895,2194729,00.asp

調査を実施したKelseyのインタラクティブローカルメディア担当上級副社長兼プログラムディレクター、マット・ブース氏は「 「人々は優れたインターネット体験を求めており、今、携帯電話に目を向けている。現在はそうした携帯電話がないため、人々はインターネット企業の携帯電話に関心を引かれている。そうした電話の方が、デバイス間の接続やインターネット接続の機能が優れていると思っているからだ」と話している。

発売時期についてはいろいろな噂は飛び交うが、来年以降になるのではというのが、おおかたの予想だ。いずれにせよユーザーにとっては、選択肢が増えるのは喜ばしいこと。Googleが仕掛ける携帯電話に期待したい。

 

【関連情報】

○MediaSabor   2007/10/22
  「電話通話料も無料に─広告収入による無料ビジネスモデルの広がり」
http://mediasabor.jp/2007/10/post_241.html


○GIGAZINE  2007/10/30
  ついにSkypeで無料通話ができる3G携帯電話「3 Skypephone」が発売
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20071030_3skypephone/


○ITmedia News 2007/10/30
 [WSJ] Googleケータイはキャリアを揺るがすか
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/30/news077.html


○ CNET  200710/25
  「グーグル電話の実像は?--アナリストたちが描くさまざまな推測」
http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20359624,00.htm


○ CNET  2007/09/18
  「グーグルのモバイル向けコンテンツ連動型広告、日本では10月に正式開始」
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20356569,00.htm


○ITmedia ビジネスモバイル 2006/03/16
  イー・アクセス千本氏、携帯業界を斬る「国家として致命的ミス犯した」
http://bizmakoto.jp/bizmobile/articles/0603/16/news106.html


○死んでしまったら私のことなんか誰も話さない 2006/04/05
 「日本の携帯端末市場に起こりうるパラダイムシフト」
 コンピューターのアーキテクチャーも、かつては部品間のインターフェースや
  機能が相互依存的で、1社が全体を開発した時代がありました。しかし80年代
  前後にパラダイムシフトが起こり、OSはMicrosoft, マイクロプロセッサはIntel、
  と独立した部品の組み合わせから成り立つ「モジュラー」型に変わり、同時に
  それまでのリーダー企業だったDECやIBMの地位が下がりました。
  携帯電話の市場が成長・成熟してくる過程で、コンピューター業界にPCが起こした
  のと同じパラダイムシフトが近い将来起こるのではないか?と予想しています。
http://shimizu.typepad.com/vietmenlover/2006/04/post_2.html


○メディア・パブ 2007/08/06
 「Google仕様のgPhone,通信料タダのケータイが来年にも登場か」
http://zen.seesaa.net/article/50139732.html


○GIZMODO 「Google Phoneについて判明した新事実」  2007/09/10
http://www.gizmodo.jp/2007/09/post_2187.html


○渡辺千賀 On Off and Beyond 「gPhoneと携帯関係あれこれ」2007/10/03
http://www.chikawatanabe.com/blog/2007/10/gphone.html


○WIRED VISION 小暮祐一のケータイ開国論
  「なぜ日本のケータイは同じような形状ばかりなのか?」 2007/09
http://wiredvision.jp/blog/kogure/200709/200709190009.php


○安田理央の恥ずかしいblog 2007/09/21
  「大人が知らない携帯サイトの世界─PCとは全く違うもう1つのネット文化」
http://d.hatena.ne.jp/rioysd/20070921/p1

 

 


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