Entry

インフルエンザを防ぐエキナセア茶(緑の薬箱 その3)

  • グリーンフラスコ株式会社 代表・薬剤師 
  • 林 真一郎

今年もインフルエンザが流行の兆しを見せています。今インフルエンザにかかると、年末の忙しいときに会社の同僚に迷惑をかけたり、せっかくのお正月が寝正月になりかねないので、何としても感染を防ぎたいもの。そこで、今回の緑の薬箱は、インフルエンザ対策として最も信頼されているハーブティーであるエキナセア茶についてご紹介したいと思います。

エキナセアはキク科のハーブで赤紫色の細長い花弁が特徴です。その昔、北米の先住民が毒ヘビに咬まれたときに、毒が回るのを防ぐためにエキナセアの根を細かく砕いて傷口にすり込んだり、葉をお茶にして飲んだ記録が残っています。

その後、エキナセアは19世紀末にヨーロッパにも紹介され、有効成分や効能・効果が詳しく研究されることになりました。その結果、マクロファージの活動を促したり、インターフェロンの産生が活発化する、つまり、免疫力を増強することが明らかになると共に、先住民のエキナセアの使い方の正しさが証明されることとなったのです。

ちなみに、ハーブの世界ではエキナセアの場合と同じように、世界各地で先住民の知恵としてその使い方が伝承され、近年になって科学的な研究を経て先進国に普及するケースがよくあります。不眠や抑うつに用いられるセントジョンズワートや前立腺肥大に用いられるソウパルメットなどもこうしたケースにあたります。

ところで、このエキナセアの免疫増強作用に目をつけ、国内での栽培にチャレンジした人がいます。埼玉県の山あいの寄居町にお住まいの渡辺秀之さんです。渡辺さんは日本人の食生活が乱れ人々に元気がないことから、エキナセアの栽培を思い立ったそうで、栽培は順調に進み、今年から本格的に国産のエキナセア茶の出荷が可能になりました。


食品分析センターに成分分析を依頼したところ、鉄分やカルシウム、それに生命力をもたらすミネラルと呼ばれる亜鉛などを豊富に含んでいることも判明しました。分析機器を用いなくても、輸入もののエキナセアと比べてパワフルであることは、実際に飲んでみると誰にでも感じとれます。

渡辺さんはこの国産エキナセアをお茶としてだけではなく他の食品に混ぜて商品化したり、化粧品原料とすることなども検討しています。

さて、エキナセア茶の飲み方ですが特別なテクニックは必要なく、一人分ティースプーン山盛り1杯(約3g)のエキナセア茶に熱湯200mlを加え、3分間抽出すればできあがりです。つまり、紅茶の淹れ方と同じです。服用法は特に決まりはありませんが、1回に何杯もまとめて飲むのではなく、煎茶と同じように1日に3杯ほど時間をあけて服用する方が効果的です。

国産エキナセア茶は葉緑素を多く含み風味が煎茶に似ているため、どなたにも無理なく楽しめます。もし、ローズヒップ(野バラの実)のハーブティーが手元にあったら、エキナセアとブレンドすることをおすすめします。エキナセアの量は減らさずに、ティースプーン山盛り1杯(約3g)のローズヒップを加えて抽出します。ローズヒップは天然のビタミンCをレモンの20から40倍も含んでいて、このビタミンCにはインフルエンザウイルスの感染を防ぐ働きが期待できるからです。(最近ではこの効果を期待して市販の風邪薬でもビタミンCを混ぜているものがよく見かけられます。)

最後になりますが、免疫力は体温が高い方がよく働きます。一方、ウイルスは熱に弱いことが知られています。つまり、インフルエンザウイルスの感染を防ぐには体を温めることが重要なのです。それには清涼飲料水など冷たい飲料の摂取を避け、体を温めるお茶、中でもハーブティーを飲むことをお勧めします。また、食事は体を温めるものが良く、野菜類(特に、大根、人参、ゴボウなどの根菜類)は風邪の予防効果もあるので、これらを使った野菜スープなどがお勧めということになります。

体が冷えることと並んで空気の乾燥もウイルス感染の原因になります。必要に応じて加湿器などでお部屋の空気の湿度を調節することも大切です。ポトスなどの観葉植物を室内に置くことも湿度の確保には有効です。空気が乾燥すると、植物は葉から水分を蒸散させて湿度を高めてくれるのです。植物の力を上手に活用して、冬を元気に乗り切りましょう!

★国産(埼玉)エキナセア茶は、下記のオンラインショップにてお求めいただけます。
http://shop.greenflask.com/shopdetail/007002000004/brandname/

 

 


  • いただいたトラックバックは、編集部が内容を確認した上で掲載いたしますので、多少、時間がかかる場合があることをご了承ください。
    記事と全く関連性のないもの、明らかな誹謗中傷とおぼしきもの等につきましては掲載いたしません。公序良俗に反するサイトからの発信と判断された場合も同様です。
  • 本文中でトラックバック先記事のURLを記載していないブログからのトラックバックは無効とさせていただきます。トラックバックをされる際は、必ず該当のMediaSabor記事URLをエントリー中にご記載ください。
  • 外部からアクセスできない企業内ネットワークのイントラネット内などからのトラックバックは禁止とします。
  • トラックバックとして表示されている文章及び、リンクされているWebページは、この記事にリンクしている第三者が作成したものです。
    内容や安全性について株式会社メディアサボールでは一切の責任を負いませんのでご了承ください。
トラックバックURL
http://mediasabor.jp/mt/mt-tb.cgi/505
本日の気になったニュース(時事編) 2007年12月27日 12:40
タイトルは"本日"ですが正確には"昨日"を含んでいます。 つまりは本日ピックアップするニュースってこ...