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コミュニティFM局「SHIBUYA-FM」に身をおく中で Vol.2

 日々、膨大な音楽作品に耳を通します。

 今でこそ多くの音源を局に届けていただいておりますが、開局のころは当然ながらサンプル盤といえども、とてもいただける状態でなかったのは言うまでもありません。これはイジケているわけでも何でもなく(笑)、サンプル盤を制作するにもコストがかかっており、得体の知れない放送局になんて大事な音源は渡せませんからね。自分の場合、以前お世話になった会社が出版社であることから、その繋がりで開局時に多くのレーベルにご挨拶できたわけで。人と人のネットワークこそ最も大切であり、本当に感謝しています。

 開局のご挨拶回りの際、旧知であったり、紹介であったりした分、良い意味で厳しい意見や、当時、コミュニティFMへの認知等を客観的に知り得る機会でもあり、その時分かったこと、感じたことが今に大きく役立っています。

 その際の厳しい意見、アドバイスを不思議と反骨的に捉えはしませんでした。「よし、今に!」というよりは「SHIBUYA-FMならではのオリジナル・コンテンツを持たんとな。それには時間もかかるな。」と。加えて、そのためには前回述べた、The One and Onlyでなくてはならず、リアルなアーティストたちとシーンに根付いた発信をせねばならんな、とそう思ったわけです。

 それから約12年。誰かの突出した努力や才能ではなく、「SHIBUYA-FMというコミュニティ」全体の総合力で継続してこれたわけです。リスナー、出演アーティスト、現場スタッフ、経営陣、クライアント、株主、協力者、そのひとつにでも理解がなければ、今のSHIBUYA-FMは存続できませんからね。人と人とのネットワークこそ大切だと思う所以です。SHIBUYA-FMの初代ボスは「コミュニティ」という言葉がメジャーでなかった当時、そんな想いを屋号の一部である「コミュニケーション」という一言に込めたんだな、と思い出します。

 膨大な音楽作品を耳にする機会を持つ以上、それら作品の中から、SHIBUYA-FMの切り口で、SHIBUYA-FMがRespectするアーティストとともに、いい作品を発信して行くことが使命のひとつです。「CDが売れない」理由は配信等、流通形態が大きく変化していることが最大の理由ではありますが、発信する側にも少なからず原因があるはずです。

 市場を支える若年層に、また、何を聴けばいいのか? 買えばいいのか? が分からなくなってしまったオトナたちにも、「お、この曲いいな!」と思ってもらえる、そんな選曲を提供することができればハッピーです。

 

【関連情報】

○Just Older -BON JOVI blog- 「日本盤サンプルCDの枚数」2005/08/26
http://blog.redbankbj.com/?eid=152014


○Musicman-NET  SPECIAL REPORT & INTERVIEW
  「DirectorsGear」サービス開始記念 座談会  2007/11/15
 「より効率的な音楽プロモーションをしたい!」、「サンプル盤の廃棄は心苦しい・・・」、
  「放送局のCDライブラリをコンパクトにしたい、放送音源をサーバーに固定したい」、
  「権利者団体への全曲報告を実現したい」・・・ そんなレーベルや放送局の現場、そして
  経営者からの声を受けてプロジェクトがスタートした『DirectorsGear』(以下 DG)が
  11月26日よりいよいよサービスを開始しました。
http://www.musicman-net.com/report/31/index.html#1


○ニフティ「DirectorsGear」サービス紹介サイト
https://www.directorsgear.com/


○渋谷文化プロジェクト KEY PERSON  SHIBUYA-FM 神谷幸鹿
 渋谷カルチャーをリアルタイムで発信したい。
  地域コミュニティに役立つラジオを目指して
http://www.shibuyabunka.com/keyperson.php?id=20

 

 


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