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世界一旅行好きドイツ人の休暇予約動向 

<記事概要>

ドイツ旅行業協会(Deutscher Reiseverband/DRV)の報告によると、2008年度のパッケージツアー予約が1月現在過去最高8300万件に達した。今後年間総売り上げ高は、300億ユーロ(4兆800億円・1ユーロ=160円)を越すとの予測である。

Frankfurter Neue Presse (http://www.rhein-main.net) 2008年1月5日


 
<解説>

多くの家庭が年明けと共に休暇の予約をする理由は、旅行会社の提供する早期予約割引特典が1月末で終了するためである。クリスマスや年末休暇など家族が集う12月は、キリスト降誕を祝うだけではなく、翌年の休暇計画で話題が盛り上がる。ドイツ人は、半年以上前に翌年の夏休みや秋休みの計画をたてる訳だ。

DRVの統計では、すでにドイツ総人口の72%、6420万人が滞在日数5日以上の旅行を1回から数回にわたり予約済とのこと。昨年の同時期と比較すると予約率は、3,5%上昇である。
旅行予約の手段は、代理店を通してが約30%、オンラインブッキングが約70%という。

家族旅行は、子供達が満足する設備やアトラクションの有無を中心に決定するようだ。そのためオールインクルシブ(食事・飲み物・コーヒータイムや夕食後のショウタイム、子供達のミニクラブなどのサービスが含まれる)のパッケージツアーは、1月中にほぼ満席となる。広いスペースが必要な子供連れ家族にとって早期予約割引は、金額面・設備面で見逃せないチャンスとなる。また家族での海外旅行は、この時期を逃すと格安な部屋や空路の確保が難しくなることも早期予約を促進している要因である。 

例えば、マジョルカ島(バルアレス諸島)2週間の夏休みを家族(大人二人・子供二人)が予約すると(3─4つ星ホテル・国内移動交通機関・航空券込)、下記の通りとなる。ちなみに、ドイツ人にとってのマジョルカは、日本人にとってのハワイのような手ごろな旅行先である。
 
1) 1月の末まで(早期割引予約)  3,000ユーロ
2) 2月からの予約           3,400ユーロ
3) Last Minute(間際予約)    2,600ユーロ*

  *3)の間際予約の場合、子供一人と親の3人家族(一部屋に3人で宿泊)は、
    早期予約よりも節約が出来る。子供二人以上の家族が宿泊するファミリールーム
    (4ベット以上)の間際予約は、キャンセルを待つしかない。


例年人気第一の旅行先は、比較的割安で気軽に移動できるドイツ国内(3020万人・昨年度訪問者数、以下同様)である。近距離旅行は、スペイン本土やカナリヤ諸島・バルアレス諸島(900万人)、イタリア(700万人)、オーストリア(570万人)、トルコ(410万人)などが定番化している。またアメリカやカリブ島など遠距離旅行は、相次ぐ航空運賃の値上げにもかかわらず、ユーロ高が功をなして順調な伸び率を示している。


参考情報 http://www.drv.de
       http://www.destatis.de

【関連情報】

○フランクフルトへSelamat Datang!
 「ドイツ人今年も世界チャンピオン!!!」 2008/01/07
http://blogs.yahoo.co.jp/rahasiaklinci/30169907.html


○ドイツの森の記憶 「お店の閉店時間」 2007/11/22
 閉店法は、消費者ではなくて小売店の労働者の権利を守るために制定された
 ものです。労働者が長時間労働させられ、自分を見失ったり家族と過ごす時間を
 奪われないように、保護することが目的でした。それと、日曜日に人々が教会に
 行くことを妨げられないようにするため・・・
http://blog.goo.ne.jp/amsel8/e/57d152fe4a6e6bd984aac0eef3f72f4e


○HODGE’S PARROT 2006/05/17
 「国家の監視と官僚主義的強制から逃れて ドイツ閉店法」
 おりしもドイツは、現在、不況や大量失業が問題となっている。高賃金・
 短時間労働・充実した社会保障が企業の高コスト構造を生み、グローバル時代に
 おけるドイツ企業の国際的競争力が低下した、という「危機意識」も叫ばれてきた。
http://d.hatena.ne.jp/HODGE/20060517/p1


○あやかの徒然読書日記  2006/05/30
 「休むために働くドイツ人、働くために休む日本人 」
http://ayakata.blog38.fc2.com/blog-entry-237.html


○ぷーくまのハチミツと海外旅行が大好き
 ドイツの「閉店法」が緩和へ  2006/12/03
http://miyakonomori.cocolog-nifty.com/world/2006/12/post_8098.html

 

 


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