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フランス全土で約4万人の女子学生が売春、主な手段はネット掲示板

<記事要約>

 最近、フランスのメディアで話題になっているのが、フランスの女子大生の売春行為。正確な数字はでてきてないが、フランス全土で約4万人の女子学生が、学費と生活費を稼ぐために売春行為をしているとの調査がある。

 彼女達は、昔ながらの道端での客引きなどはせず、インターネットの掲示版を利用して、時給100から200ユーロ、一晩で1500ユーロの「エスコート・ガール」をつとめる。週に2から3回の売春をして、あとは、学業に身を費やすそうだ。彼女たちの目的は、高等教育を受け、社会的に成功すること。売春しか選択肢がない社会状況に、新たに疑問が投げかけられている。

http://www.20minutes.fr/article/206703/France-La-prostitution-etudiante-a-l-affiche.php
(2008年1月16日付け、日刊新聞20ミニッツ紙より)


<解説>

 学生をしつつ、売春をしていたエヴァ・クルエットとローラ・Dが書いた自伝が、学生売春の話題の発端だ。

 道端で客引きをする娼婦、東欧やアフリカから来た若い外国人娼婦たち、ブローニュの森で売春をする男娼など、フランスで売春が新しいわけではない。ただ、日本やイギリス、アメリカといったアングロ・サクソンの国々とは違い、大学などの高等教育の学費が無料に近いフランスでは、普通の学生が売春をすることはあまりなかった。

 学生を、簡単にお金が稼げる売春まで追い詰める社会要因は二つ。まず、アルバイトを見つけることの難しさとその賃金の安さ。労働者を手厚く保護するフランスの労働法のおかげで、解雇は簡単ではない。企業側は、顧客サービス向上よりも、必要最小限の人数で運営しようと
する。失業率が高いのも労働法の間接的な影響だ。

 第二の要因は、パリや大都市での、家賃や物価の高騰。学生用の小さなワンルーム・アパートの家賃が400ユーロ(64000円相当)、それに食費や書籍費が加わると、生活が苦しくなる学生が多い。お金を稼ごうにも、仕事がない状況が、売春しか選択肢がないと女子学生に思わせるのだ。エスコート・ガールと呼ばれる彼女達の値段は、時給にして100から200ユーロ。一晩過せば1500ユーロの値がつく。最低月給が1200ユーロのフランスでは、「今回だけ」といいつつ、繰り返し売春を行ってしまうというのが実情のようだ。

 厳然と残っていた階級社会が少しずつ変化していっている。親が労働者階級の子供は労働者になるしか道がなく、ブルジョワ家庭の子弟が社会の実権を握るフランスのエリート社会であったが、労働者階級出身でも、高等教育を受け、上の階級に這い上がることが可能になってきた。

 売春をする学生達の第一の目的は、法学や医学の免許を取得して、社会的に成功すること。だから、テスト前には、お金よりも学業を絶対的に優先する。彼女達の成功への野心が、売春を行わせるのだ。中退してしまったら、親と同じ貧しい生活をするだけ。学校は必ず卒業して、よい仕事を見つけなければならないという強迫観念がある。そのための生活費を稼ぐ。

 インターネットの匿名性も、この現象を助けている。ネットの掲示板であれば、知人に売春行為を知られる可能性が低い。

 しかし、金銭的理由以外で、売春を行う学生もいるという。厳しい学業の息抜きに、いつもと違ったセックスライフを楽しむために、日常からの逃避のために、白馬に乗った王子様を探すためにときどき、売春をする学生もいるそうだ。

 

【関連情報】

○夜明け前の独り言  水口洋介  2006/03/19
 フランスの「初期雇用契約」(CPE)と日本の「試行雇用契約」
 この制度が導入されれば、特に若い人々や女性は、正社員に採用される前には、
 この「試行雇用契約」の締結を余儀なくされるでしょう。若者と女性は、
 安定した雇用を得ることがいよいよ難しくなるでしょう。「フランスの若者は、
 みんな連帯して街頭や学園で戦っているけれども、日本の若者は、仲間うち
 での携帯メールをちまちま指で打ってるし、…」と、オジサンは、ついつい
 「いまどきの若い奴らは…」とつぶやきたくなります。
http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/2006/03/post_bbb8.html


○夜明け前の独り言  水口洋介  2006/04/06
 フランスの「初期雇用契約」(CPE)と日本の「試行雇用契約」(2)
http://analyticalsociaboy.txt-nifty.com/yoakemaeka/2006/04/post_b66f.html


○Itmedia News   2008-01-17
 「18歳女性」の遊び相手募集に1時間で138レス 出会い系の実態
 警察庁の推計では、現在ネット上に存在する出会い系サイトは約5000。
 青少年が簡単に買春やわいせつ事件の被害者になり得る危険が、
 ネット社会のどこにでも口を開けていることが分かる。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0801/17/news064.html


○CNET  「出会い系サイト、届け出制に--警察庁が改正法案提出へ」2008-01-21
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20365353,00.htm


○天漢日乗  2007/10/19
 社会主義国家中華人民共和国の工場で ライン工より「身体で稼ぎたい」と大量退職
 中国と取引のある友人が、中国の工場に出かけてびっくり仰天。
 1ヶ月前に50人いたライン工が9人に減っていたという。何か問題が
 起きたのかと思ったら工場で働くより、身体を売った方がカネになるからと、
 36人が風俗業へ転職したんだって。
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/10/post_22e3.html


○WEB2.0的生活 「mixi(ミクシー)で援助交際」 2007/07/27
 会員の裾野が広がるにつれ、かつて2チャンネルが辿った道、すなわち
   1. 会員の中から事件を起こすものがあらわれ
   2. マスメディアで報道され
   3. 媒体(かつて2チャンネル、今はmixi)のせいにされ
   4. 規制が厳しくなり
   5. でも、マスメディアのおかげ(?)で会員が増え
   6. 会員が増えたおかげで、1の確率が高まる
 という循環になって、ミクシィーはつまらない。ってなことになってしまうのだろう。
http://web2.g-fan.jp/2007/07/mixi.html


○404 Blog Not Found 「農業とかけて売春ととく」 2006/06/20
 かつては「腹をくくらないと」入れなかったこの世界に、片や援助交際という
 名前で素人が参加し、片や「定職」を持ちながらパートタイムで春をひさぐ
 ものが増えているのだそうだ。「趣味」化と「兼業」化の結果、単価はだいぶ
 下がっているとのことである。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50537863.html


○特定アジアニュース 2006/06/21
 「毎月逮捕される売春女性のうち9割が韓国人」byロス警察
http://specificasia.seesaa.net/article/19621115.html


○モジモジ君の日記。みたいな。「仕事がないなら性労働@ドイツ」2005/09/12
 ドイツの財政改革のもとで、1年以上就労していない55歳以下の女性は、
 性産業を含む就労可能な仕事につくか、さもなければ失業給付を停止
 されるようになった。
http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20050912/p3


○なんでも評点 2005/01/26
 「偽装人材会社が数百人の女の子を性奴隷として販売」
 性奴隷として売買される女性の数は、全世界で、毎年百万人を超えている
 という。その多くは、旧ソ連諸国の女性たちである。彼女ら(その
 ほとんどは10代の少女だろう)にしたら豊かな外国で働いてお金を稼ぎたい
 一心だったのに、国境を越えたとたん、付き添っている人材派遣会社の
 スタッフが人身売買業者に豹変するのだ。
http://rate.livedoor.biz/archives/13076387.html


○メモ 「黙っていないで言います」 2007/03/14
 援助交際に向かう女子の多くが家庭不和や親との葛藤といった問題を
 抱えている。売春は自傷行為である場合が多いのである。
http://d.hatena.ne.jp/aozora21/20070314/1173835848


○pal-9999の日記  2006/10/25
 「この世から売春をなくすたったひとつの冴えたやり方」
http://d.hatena.ne.jp/pal-9999/20061025/p1

 

 


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