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そのルックスで国際的にもファンの多いアイドル的インド人テニスプレーヤー、サニア・ミルザがバンガロール戦をボイコット


<記事要約>

女子テニスプレイヤー(世界ランキング29位)のサニア・ミルザ(サーニヤー・ミルザー、Sania Mirza)が、今年3月にインドのバンガロールで行われるオープン戦をボイコットすることが明らかになった。

彼女はインド国内での試合に出場するたびに問題が起き、騒動に巻き込まれることに疲れている。彼女のその都度の決断や発言がまた新たな議論を呼ぶため、彼女のマネージャーが欠場するように言ったとのことである。また、「欠場は突発的な決断ではなく、毎回の騒動に対処するのが難しくなってきており、試合に集中できないためだ」と語っている。

先月には、インド国旗に足を向けた形で座るサニアの写真が物議を醸したばかり。彼女は「なんの意図もない行動」と言っており、またもや起きた論争が、今回のボイコットの引き金になったとも言えなくないだろう。(Hindustan Times 2月5日、6日)


<解説>

女子インド人選手としては史上最高のランキングを獲得するなど、プロテニスプレイヤーとしての活躍は言うまでもないが、一方でサニアは、そのキュートなルックスでアイドル的人気を博している。「サニア・マニア(Saniya Mania)」などと呼ばれる熱狂的ファンも多数おり、ネットの動画検索でも彼女に関する動画がたくさんヒットするという状況だ。

が、それらのファンによる動画は彼女の意思とは関係なく、「Saniya Mirza bouncing boops(サニアの揺れる胸)」だとか、試合中のミニスカートにばかり注目した動画などが多いのが実情だ。国際的にもそのキュートなルックスに注目する、目ざといファンは多く、2005年には「アジアのヒーローベスト50」にも選ばれている。

また、日本では先日、ライブドアニュースで、全豪オープン2008を彩る美女プレーヤーでも紹介されたばかりだ。海外では、彼女の鼻ピアスファッションもよく話題になっているようだが、外国での「鼻ピアス」に対する印象とは裏腹に、本国インドでは左の小鼻に鼻ピアスをすることは、むしろ「身だしなみ」のひとつと言っていいほど、基本的なものである。




このように、テニスプレイヤーとしての普通のファッションで、当たり前に試合をしているだけの彼女としては、本人が望むか否かにかかわらず、本業とは別の面に話題が集まる事が多いのが彼女の悩みであると言ってよい。けれども、インドという国においてはそれが、ただの「人気者に必ずついて回る悩み」程度では済まされないことを象徴しているのが、今回のバンガロール戦ボイコットであろう。

「毎回インドで試合をするたびに、問題が起きる」と本人か語っているように、振り返ればこれまでにもいろいろな、日本や欧米ではあり得ないような問題の数々が彼女についてまわってきた。

2005年には、彼女の試合中の当たり前のミニスカートファッションに対して、「イスラム教徒としては、非常にはしたない。いかがわしい」としてファトワーが出されてしまった。ファトワーとは、イスラム教徒の戒律に反したものに対して、イスラム法学者から出される警告のようなものである。ファトワーの法的拘束力はないとされているものの、深刻なファトワーともなれば命を狙われることになるなど、法よりも宗教的力が強いような地域や状況においては、大きな影響力を持つ。

2005年秋には、彼女の「婚前であろうが既婚であろうが、人々は安全なセックスをするべきよ」という発言が物議をかもした。イスラム教徒としては、婚前の性交渉など「あり得ない」というふうでなければならないからである。彼女はそれに対して、「私は婚前の性交渉を正当化はできないです。なぜならば、それはイスラムにおいては非常に重大な罪となるからです」と述べるに至った。

2006年には、出身地ハイデラバードのイスラム教のモスクでコマーシャル用にポーズをとったという事に対して、いちゃもんがつけられた。この件に関しては、彼女は「公的な謝罪」を余儀なくされている。

(「公的な謝罪」といえば、去年、インド人女優シルパ・シェッティーにサービスのつもりでキスの挨拶をしたハリウッド男優のリチャード・ギアがインド人庶民の怒りを買い、逮捕状まで出された顛末が記憶に新しい。彼もやはり、「公的な謝罪」をする結果に見舞われた)

そして、つい先日、2008年1月には、彼女がインド国旗に足を向けている姿が撮影され、また物議をかもしてしまった。彼女は、この件に対し「なんの悪い意図もありませんでした。もしかして私は、またまたまた(again and again)、自分の愛国心について証明しなければいけないのでしょうか?」と答えている。彼女についてまわる問題を冷やかすカメラマンがわざと「ナイスショット」として撮影したいじわるな
写真であったと言える。





ついこの間まで延々と続いてきた「古いインド」とその価値観。そしてここ10年の突然の猛スピードの発展により、国際的な場に続々と進出を果たし始めた新しいインドと、そこで求められる「国際的価値観」との狭間で、板ばさみの立場に置かれているといわれるインドの若者だが、現代インドの「Youth icon」といわれているサニアの立場はその名の通りであるようだ。

 


【関連情報】

○留萌ブログ 「五十嵐一」 2006/06/24
 1991年7月12日午前8時10分頃、イギリスの作家サルマン・ラシュディ氏の
 執筆した「悪魔の詩」の日本語翻訳者、筑波大学・五十嵐一助教授
 (当時44歳)が、大学構内の人文社会学棟7階のエレベータ前で、
 何者かによって刺殺されているのが同僚で元最高検検事の土本武司に
 より発見された。
http://www.azumashiya.com/archives/50523357.html


○─シャジャラトゥルバハル─ 「名誉殺人に対するファトワー」 2007/12/13
  名誉殺人。一族の名誉を守るために、不貞をはたらいたり、その疑いが
 あったり、その噂があったりする女性を一族が殺害する行為を、概して
 このように呼ぶ。国連の調査によると、その被害者は世界中で
 年間5000人にのぼるとされる。
http://macowar.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_1a90.html


○livedoorニュース 2008/01/28
 「全豪オープン2008を彩る美女プレーヤー/最終回 サニア・ミルザ」
http://news.livedoor.com/article/detail/3483156/


○Honda SWEET MISSION  2006/01/17
 「ニューデリーOLが一番あこがれているスポーツ選手を探せ!」(by パンツェッタ・ジローラモ)
  デリーの若い女性にとって、サニアは、自分の意志と努力で、人生を
 選んでいるっていうところが、とっても魅力的に写っているんです!
http://blog.excite.co.jp/sweetmission/2498215/


○テニスおやじのテニス365days  2008/02/05
 「サニア・ミルザ、バンガロールオープン2008欠場。インドで行われる大会に出るのは困難」
http://tennisman.seesaa.net/article/82527372.html


○Game&Gadgets─インド人ゲーマーのPSP・PS3ブログ
 「サニア・ミルザ:インドのテニス選手の発言」 2005/11/21
http://blog.livedoor.jp/gai_jin/archives/50227965.html


○テニスナビ 「サニア・ミルザ」:女子テニス選手名鑑
http://www.tennis-navi.jp/dics/player/women/sania_mirza.php

 

▼動画、スライドショー

○Sania Mirza (YouTube映像 01:52)
http://jp.youtube.com/watch?v=k6UZ9kO7R00&feature=related

○Sania Mirza reportage (Fooooo 05:37)
http://fooooo.com/watch.php?id=2f6a9f5faf0bc604436d5b3fbc548317

○Sania mania (metacafe スライドショー 03:46)
http://www.metacafe.com/watch/384338/sania_mania/

○Tennis Beauty Sensation -Sania Mirza(YouTube スライドショー 04:06)
http://jp.youtube.com/watch?v=_c96-kN5EFw&feature=related

 

 


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