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米NYスピッツァー知事の買春スキャンダル。妻が謝罪会見に同席する理由とは?

連邦捜査当局によって、高級売春婦クリスティン(22)との買春疑惑が浮上した米ニューヨーク州のエリオット・スピッツァー知事(48)。同氏は3月12日、市民からの激しい非難の声を受け、とうとう辞職に追い込まれた。こんなスキャンダラスな解任劇の裏で、人々の話題をさらったことがもうひとつ。それは夫のセックススキャンダルの会見に、妻シルダは同席すべきだったのか? ということだ。会見に、疲れた表情で同席した妻シルダには、市民から次々に同情の声が上がった。


ゲイでも不倫でも、記者会見には妻同席

女性問題の発覚後、配偶者を連れ添って会見を行った男性政治家は多い。女性問題で大統領選の指名候補者から脱落してしまったゲイリー・ハート。そして空港の男子トイレで同性愛行為をしようとしたという嫌疑がかかったラリー・クレイグ。両者とも、謝罪会見には妻を連れ添って現れた。

そして1年前、前ニュージャージー知事ジェイムズ・マクリーヴィ氏の不倫が発覚した時の会見も記憶に新しい。不倫相手は男性で、マクリーヴィ氏がゲイだったというというショッキングなニュースであったにも関わらず、妻であるディナさんは会見に同席し、夫を支える姿を見せた。

今回の時の人、シルダ・スピッツァー(50)も、夫が高級売春組織を利用していたという不名誉会見にも関わらず、妻が同席した。シルダはハーバード・ロースクール卒の才女。企業弁護士として腕を鳴らしたキャリアウーマンだった。会見では疲れた表情を浮かべていたが、ブロンドの容姿端麗な女性だ。現在は3人の娘を育てるため、そして夫の政治活動をサポートするために、自分のキャリアを捨てて、ファーストレディーの役割を果たしている。


ファミリー重視のアメリカ

そもそも政治家が公の場に登場する際、なぜ必ず横に妻が寄り添っているのか?
それは家族を重んじるアメリカ社会で、支えあう家族の姿勢を示すのが必要不可欠だからだ。しかし、このような不名誉なスキャンダルにまで、妻が同席をする必要があるのだろうか? 今回の高級売春組織に関するスキャンダルでは、シルダがあまりに可哀想だという声が多かった。

しかしここでシルダが会見に参加していなければ、離婚や不仲という別のプライベートな事をマスコミから騒ぎ立てられていただろう。妻が同席することで、この買春問題はプライベートなものであり、家庭内ではすでに解決していますよというポーズをとることができた。これ以上いろんなプライベート問題を嗅ぎまわられることなく、事態を収束に向かわせることができるのだ。また、この家族を重んじるアメリカ社会で、スピッツァーは家族という絶対的な価値のあるものから守られているということをアピールすることもできたのだ。


不名誉会見に出席する本当の理由とは

前ニュージャージー知事ジェイムズ・マクリーヴィ氏の元妻で、昔シルダと同じように不名誉会見に同席した、ディナさん。当時会見に出席した理由についてこう話している。

「もし夫のせいで私が恥をかくことになって、苦しめられることになっても、私が愛して結婚した男性よ。私の気持ちは一晩やそこらじゃ消えないわ。」(ディナ)

シルダも、そんな気持ちだったのだろうか? スピッツァー氏への辞任圧力が強かった中、シルダは「焦って辞職の決断を下さなくてもいいじゃない」と懇願した唯一の人だったそうだ。

スピッツァー氏は2012年の大統領候補とも囁かれていたのに、買春スキャンダルで、一気にすべてを失うことになってしまった。以前は自分が組織売春を取り締まっていたのだから、決まりが悪い。世界中から非難の声を浴び、宇宙一孤独になってしまった何とも悲しい男である。

しかし一つだけ救いがあるとすれば、やはり会見にシルダが同席してくれたことだろう。それがたとえポーズだったとしても、あるいは後で離婚をしようとも、スピッツァーの最大の支えになったことは間違いないのだ。


 
【編集部ピックアップ関連情報】

○ジャーナリスト 佐久間裕美子 今日のヒトコト、フタコト
 「スピッツァーNY州知事は偽善者の王様 ─ピンプ」 2008/03/14
 この事件で、私は予想してなかったけど、意外に火の粉をかぶっている
 のがヒラリーです。スーパー代議員の一人だったスピッツァーが辞任した
 ことで、貴重な一票を失っただけじゃありません。何かというと、今回の
 流れで、「過去の政治家のスキャンダル」のおさらいをするテレビ番組が
 多く、ビル・クリントンが過ちを認めるシーンが繰り返しながれるわけです。
 横にいるのはヒラリー。
http://peoplewatching.blog94.fc2.com/blog-entry-124.html


○gogo-going-blog 2008/03/14
 「辞任したスピッツァー知事のお気に入りコールガール」
 彼女の組織でのランク付け(ダイヤモンドで表示し、最高は7個で
 1時間5500ドル)は中くらいで、1時間1000ドル(10万円)
 だった。「去年は50万ドル(約5000万円)を稼いだわ。
 1晩3000ドル。顧客はビジネスマン、プロスポーツ選手、もちろん、
 政治家も。セックスもするけど、いかに知的な会話ができるかがカギね。
 28歳か29歳まで続けたら、辞めるつもりよ」
http://blog.goo.ne.jp/tabejan/e/c59a5ac71afd6c209537230c8c452f6d


○NY州知事がハマッた高級売春組織「エンペラーズ・クラブVIP」2008/03/13
http://ameblo.jp/mocoring0313/entry-10079617265.html

 

 


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