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Go Green! ロサンゼルスで企業のエコ化を応援するエクスポ、Green West開催

<記事要約>

ロサンゼルスのダウンタウンにあるロサンゼルスコンベンションセンターで、20日より、環境関連のビジネスを取り扱った「Green West Expo」が開催されている。22日までの期間中に、3千人以上の来場者を見込んでいる同エクスポ。

ロサンゼルスに拠点を置く、主催社のGreen Media Enterpriseは、「グリーンマーケットのあらゆる要素を」紹介することを目的としている。 また同社社長のオコーナ氏は、「グリーンウエストエクスポは、グリーンマーケット関連のあらゆる情報や商品を1カ所で手に入れられる場所」といい、とくに「ビジネスオーナーたちのエコ化」を応援するために必要な情報収集ができる場を目指している。

「環境問題に対する注目はうなぎ上りだ。人々は、自分達の<エコ化>の方法を模索しているし、またその手段をもっと安く行なえないか、に非常に関心がある」とは、エクスポに参加したある土地ブローカーのコメントだ。

http://www.latimes.com/business/la-fi-green21-2008may21,0,2775350.story
ロサンゼルス・タイムズ 5月20日


<記事解説>

120社のベンダーが集まって開かれた同エクスポ。期待をよそに、規模の小ささに訪れた人はいささか面くらったかもしれない。会場となったロサンゼルスのコンベンションセンターは、米国内でも最も環境に配慮したコンベンションセンターの一つで、同施設はUnited States Green Building Council (USGBC)の認定を受けている。

具体的な動きとしては、施設内でオーガニックフードの供給、エネルギーの効率的な使用、空調システムの環境化、またリサイクルプログラムの採用などが挙げられる。(http://www.discoverlosangeles.com/los-angeles-page.php?tid=2191&pageid=387) エクスポの内容と、施設との相性は抜群にもかかわらず、3月にアナハイムで開かれた「Natural Products Expo」と比べると、やはりB to CよりB to Bを意識しているだけに、規模が小さく参加者の人数も少ないのはしかたがないのか。

しかし、同エクスポ内で開かれたセミナーは、かなり充実している。特に、会社の規模に関わらず、現在「企業の環境配慮を意識したエコ化」は、大きな課題となっているが、実際どこから手をつけていいものか分からない企業トップが多い。

そんな企業家に向けて行なわれたカンファレンスの一つ「競争優位性を、サステナビリティ(持続可能性)にみる(Sustainability as a Competitive Edge))。環境に配慮した商品、サービスのマーケティング戦力、広告戦略を練る代理店、Clean Agency(www.cleanagency.com) のエスケナツゥイ氏を中心に、インドの綿産業を救いつつ、オーガニックの寝具を供給するRaksha Bella Organic(www.rakshabellaorganic.com)、ロサンゼルス産の家具メーカー Cisco Brothers(www.ciscobrothers.com)、そして20年以上も人にも、環境にも優しい洗剤を作るEcover,Inc(http://www.ecover.com)の代表たちがそれぞれの「エコ化」経験を語った。

なかでも、メキシコ出身で、ロサンゼルスでの家具作りにこだわりを持ち、様々なビジネス賞を受賞している、Cisco Brothers の代表、シスコ・ピネド氏は、エコ化への道のりをこう語っている。

「5年ほど前、中国から安い家具がどっと押し寄せ、70%の家具が海外からの輸入品となった。そんな折、自分の会社の生きるべき道を考慮した時、ロサンゼルスで作り続けることという以外に、環境に配慮した素材だけを使用して家具を作ることを決意した。

特に最初のフェーズでは、これまでの素材供給先に対して、ある指定した日以降、環境に配慮した認定を受けていない会社との取引停止、または商品ごとに購入の可否を判断すると宣言。ある供給先は、この宣言を真に受けず、指定していた日までに認定を受けるための準備を怠った。

そのためこちらは取引先を変えるしかなかった。後から分かったことだが、この小さな供給先にとって、自分達の会社は最も大口の客だったそうだ。」と語り、同社がエコ化をする過程で、取引先に対しても、大胆で、確固たるものをもって挑んだことが窺える。

「結局完全に環境に配慮した会社、商品作りができるようになるまで、3年かかった。そして、その道は決して簡単ではなかった」と続けた。

競争優位性、という面から、サステナビリティ(持続可能なもの)を作り続けることの利点として、パネリストたちは口を揃えて次の2点を挙げた。

1)企業価値の上昇
——— 何よりも、エコ化に成功した際の宣伝効果は抜群だ。販売促進、マーケティングツールになりうる企業としての特徴である。

2)社員および顧客の健康確保および維持
——— 会社、および製品に関わる人々の<健康>が得られること。例えばISO 14000(環境ISO)を取得することは、製品やサービスで健康な生活を確保できることを裏付けていると言える。

現在のところ、エコ化には何よりも「費用がかかる」と言われている。株式会社である限り利益追求を強いられるのが常であるが、それに対してこれからは、地球環境に優しいことがより重要視されてくるだろう。

だが何事も「市場の原理」。より多くの人が、もっと環境を意識した行動にでれば、多少、高い価格であっても支持されるに決まっている。ということは、より多くの人間に、ムーブメントに参加してもらわなくてはならない。Go Green! 環境配慮は今、メジャーへと変化しつつある。トレンドと言われてもいいではないか。ひとつのきっかけになるのであれば。

 

 


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