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「夏の行楽シーズンにはガソリン税を廃止します」共和党マケイン議員の提案

 ガソリン税を夏の行楽シーズンの間だけ廃止しようという考えが、共和党の大統領候補に確定したマケイン上院議員から発案された。突拍子もないアイデアのように思えるが、ガソリン価格の高騰は米国でもそれだけ深刻な事態であることの表れだ。

 マケイン上院議員が3月15日に明らかにしたアイデアはシンプル。レジャー用のガソリン需要が高まる5月下旬から9月初めまでの期間をガソリン税休暇の時期として、連邦税を免除する。

 連邦ガソリン税は1ガロンあたり18.4セントが課せられているので、これがそのまま非課税扱いとなる。1リットル換算で約5円ガソリン価格が安くなる計算だ。ちなみに、ガソリン税には州税(1ガロンあたり28.6セント)も課せられているが、こちらは免税の対象外。

 全米のガソリン平均価格は1ガロンあたり3.49ドル(3月20日現在)で、1カ月前と比べて20セント以上、1年前と比べると70セント近く値上がりしている。車社会の米国では、ガソリン価格の高騰が日本以上に家計を圧迫する頭の痛い問題。住宅バブルの崩壊から40万件ともいわれる抵当物件を抱え、社会全体に景気後退懸念が広がっている中だけに、こうした減税が即効性のある景気刺激策となる可能性は高い。

 マケイン議員は法人税引き下げなどを含む減税パッケージを提案し、そのなかにガソリン税休暇を含めた。包括的な減税プラン自体は、財政難を悪化させるとして民主党が批判するなど賛否両論がある。ただ、たとえ点数稼ぎだと非難されようが、夏の間だけガソリン税を免税にするとは思い切った発案には違いないだろう。

 仮に実施された場合、税収減は推定で100億ドル程度といわれ、道路建設の遅れなどが出る可能性もある。しかし、多少の道路整備の遅れとガソリンが20セント近く値下がりするのを天秤にかけたら、国民の多くは後者を選ぶのではないだろうか。テレビニュースでインタビューを受けていた市民も、減税歓迎といった感じで答えていた。

 私が住むカリフォルニア州北部のSFベイエリアと呼ばれる地域は、全米有数のガソリン高騰地帯で、サンフランシコ市が1ガロン3.94ドルで全米トップ、サンノゼ市が同3.86ドルで2位となっている。

 ここは全米でもかなりの高所得者層に属するハイテクワーカーが集まるシリコンバレーのある地域だが、社会を下支えする低所得者層もたくさんいる。だから、ガソリン代の高騰は放っておけない問題。何しろ10年前と比べて3倍以上に値上がっている。日本の感覚で言えば、1リットル90円時代から300円時代に突入したようなものだ。

 この1年で車のCMは低燃費をうたうものが急に増えた。プリウスやシビックといった日本製ハイブリッド車はもちろんだが、アメリカ車もどれだけ燃費が良いかを必死に宣伝している。肩身の狭い大型SUVは、大幅値引きをPRするしか今や拡販の道はないように思える。

 個人的には、しなくても済む遠出はなるべく控え、買い物もなるべく近所ですることが多くなった。ネットショッピングも増えた。アメリカではちょっとしたショッピングモールへ買い物に行くのでも、往復50キロぐらいはすぐに走ってしまう。

 燃費の悪い車だと、それだけでガソリン代は1000円近くになる。しかし、1000円の買い物にそれと同等のガス代をかけるのはばかげている。実質的な家計への圧迫もそうだが、こうした心理的な抑制がさらに景気後退に拍車をかけていくのだろう。

 1ガロン5ドル時代を予測した生き延び方というテーマで地元ラジオ局が特集を組んでいたが、いまのところ有効な手立てはない。「車を所有せず公共交通機関を使う。必要なときにはレンタカーで」などといっていたが、それができるのはバスや地下鉄網が発達した都市中心部に住むほんの一握りの人たちだけだ。

 

【編集部ピックアップ関連情報】

○Carview「インドのタタ、圧縮空気で動くクルマ発売」2008/03/27
 1月に約29万円という低価格自動車“ナノ”を発表し、先日、英国ジャガーや
 ランドローバーをフォードから買い取ったりと最近話題の絶えないインドの
 大手メーカー“タタ自動車”だが、今度はどうも圧縮空気で動いて、
 電気自動車よりも環境に優しいという通称エアカーの販売を始めるようだ。
http://www.carview.co.jp/news/0/68212/


○Bonjour! ─From France─ KENT ROOM
 「フランスニュース◆超低価格小型乗用車&空気エンジン◆」2008/03/08
 この世界初の空気エンジン、フランスのベンチャー企業
 MDIエンタープライゼズ(カロス市)が開発したもの。
 ・どうやって動くのか興味深々・・・調べたところでは
 車体のシャシーに設置された圧縮空気タンクから2ストロークのエンジン
 に送り込まれ空気だけで走る。低温の圧縮空気が暖かい外気に反応して
 ピストンを押す原理だとか。ガソリンが不要なので大気汚染の心配も
 しなくていい。面白いのはMDI社の経営方法、大規模工場で製造し
 世界に販売するというのではなく、世界400の地域に車の製造と販売を
 行なうための独占ライセンスを売るという手法で、2003年時点で既に
 50件のライセンスを販売済み。
http://blogs.yahoo.co.jp/kakkun_importer/53854886.html


○ある女子大教授の つぶやき 「デトロイト自動車ショー」2008/01/18
 原油枯渇対策、排気ガス抑制対策からハイブリッド車、ディーゼル車、
 エタノール車、電気自動車、水素自動車、そして究極のエコ車と
 いわれる燃料電池車に到る道程には、各社それぞれ開発競争の行く手が
 見えて来ている。
http://iiaoki.jugem.jp/?eid=1706


○デトロイトモーターショー2008 (NAIAS):YouTube映像 01:34
http://jp.youtube.com/watch?v=g96Iq4RAFZc


○2008 Super Concept Cars! (HQ):YouTube映像 03:36
http://jp.youtube.com/watch?v=eQc1zFCi0r4&feature=related


○NAIAS 2008 Video Documentary(YouTube映像 06:17)
http://jp.youtube.com/watch?v=T1xeON3OrzE


○2007 東京モーターショー(YouTube映像 04:00)
http://jp.youtube.com/watch?v=dMXchcy0gEA&feature=related


○大柴ひさみ ひさみをめぐる冒険 
 「ドルは下がり、ガソリンと卵の値段が上がる日々」2008/04/01
 米国内のガソリン価格が高騰しており、自宅の近くで給油すると、
 現在1ガロン3.9ドル近い値段となり、満タンにすると40ドル近い
 金額を払うことになります。
http://hisami.typepad.jp/blog/2008/04/post-11bb.html


○朋友のブログ 2008/04/16
 「米でもガソリン税下げ案、マケイン氏が発表 民主は批判」
 同議員は大型減税の継続のほか、新たに法人税率引き下げ、扶養控除の
 拡充など総額2千億ドル規模の減税策も提案した。財源は、医療歳出の
 削減や政府の裁量経費の凍結、無駄な公共事業の廃止でまかなうとして
 いるが、民主党側は「帳尻が合わない。財政難を悪化させる」と批判している。
http://blog.oricon.co.jp/friends1-10/archive/8/0


○海外LRTニュース・ひろい読み
 【カリフォルニア州】州債からの資金提供  2008/03/09
 この交通債はCalifornia Proposition 1Bと呼ばれ,正式には,Highway
 Safety, Traffic Reduction, Air Quality and Port Security Bond Act
 of 2006という名称で,混雑緩和や大気汚染軽減のための道路整備や,
 橋脚などの耐震性強化,公共交通の拡大などを主な目的とする州債です.
 その州債からは,今回が初めての都市交通に対する投資になるそうです.
http://urbantransit.seesaa.net/article/88850996.html


○古森義久 ステージ風発 2008/04/24
 「マケイン候補のベトナム戦争観は
  ――捕虜だったが、戦後は対ベトナム国交を求めた」
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/553726/

 

 

 


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