（記事概要）

日常生活における雑事を処理してくれる執事の代わりに、インターネット利用によるショッピングが増えている。中でも雑誌を定期購読するように、生活必需品が毎月頭に送られてくるシステムが人気だ。例えば「Sox in a Box」が提供するサービスでは、1年に何度か3組の靴下が6ユーロ（約1000円弱）の価格で送られてくる。もちろんお店で売っているバーゲン品のように安くはないが、面倒くさがりの消費者には人気だし、その上100％コットンの良質である。そして「Sox in a Box」が狙う次の定期宅配商品は、歯ブラシだそうだ。

フランクフルターアルゲマイネ新聞（2008年7月6日付）

（解説）

統計的に見て、歯ブラシを定期的にきちんと買えている人は少ないそうだ。歯ブラシの毛が広がっているのに、そのまま平気でなんとなく使い続けている人は結構多いようだ。そんな人のために、毎月きちんと新しい歯ブラシが宅配されればどうだろう。交換するのを忘れないどころか、お店にいちいち足を運ぶ必要がない。ただ単価の低い歯ブラシの場合、店頭販売より値段が高めになってしまうのが問題であり、同じような問題はトイレットペーパーの定期購入にも言える。

それより目玉はやはり、比較的値段の張るコンタクトレンズの定期購入。全ドイツ人口の５％が、コンタクトレンズを使用していると言われているが、特に使い捨てのソフトレンズを利用する消費者には便利なシステムと言える。

もっと夢のあるところでは、生チョコレートの定期購入だ。チョコレート好きが自分で申し込んでも良いし、大好きな人のために、一年間の定期購入の契約を結んでもOK。毎月選び抜かれた高級生チョコが、自宅まで配達されるのだから喜ばれるに違いない。

このサービスを行っている「Pralinen Club」では19.9ユーロ（約3000円）で月一箱の配達が可能だ。もちろん注文者の好みに合わせた詰め合わせを送ってもらうことも可能だ。

日本と違って、24時間営業のコンビニが街中にないドイツでは、こうしたネットを介した宅配サービスの需要は高いと言える。ネットショッピング利用者が増える中、特に時間のない人にとって、生活必需品を主体とする商品の定期購入はこれから増えるであろう。