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ラジオ番組録音機器の進化で、気になる番組をいつでもどこでも

  • レコード・コレクターズ 編集部
  • 祢屋 康

 最近、ラジオにはまっている。何を今さらという感じなのだが、FMやAMのラジオ番組を録音したものを通勤電車の中や食事中に聴くのが最近の楽しみになっているのだ。

 もっとも先にこれをはじめたのはうちの家族のもので、AM/FMラジオがタイマーで録音できるハードディスク・レコーダーを買ったのがそのきっかけだった。

 仕事でインタヴュー取材などをする必要のある人たちは、かつてはカセット・テープレコーダーやMDで録音をしていたが、今はたぶんハードディスク・レコーダーがそのための中心的な機器になっていると思われる。そのハードディスク・レコーダーを利用して、英会話の勉強などをしている人向けにラジオとハードディスク・レコーダー、タイマー機能が一体になった商品が発売されている。

 調べてみると、ハードディスク・レコーダーを数多く出しているメーカーでも、それに
ラジオがついているもの、さらにはタイマーがついているものは実はあんまり多くはない。ようはラジオを聴く人はたぶん仕事をしながら、あるいは車を運転しながら聴くという人がやはり圧倒的で、わざわざ録音して、それもハードディスク・レコーダーで録音して聴くというのは少数派なのだろう。

 といっても、やはりニーズはあるわけで、サン電子という会社のトークマスター
http://talkmaster.jp/lineup/index.html) という商品がけっこうこの世界では人気のようだ。去年の3月にはオリンパスが“ラジオ番組を合計最大約2500時間のデジタル録音が可能”というハードディスク内臓のラジオサーバー
http://www.olympus.co.jp/jp/news/2007a/nr070227vj10j.cfm)も発売している(三省堂とオンライン通販のみの限定販売のようだが)。これはAM・FMのラジオ・チューナーと大容量のハードディスク、タイマーを備えたもので、ラジオ録音に特化した、究極のラジオ録音ツールだ。

 言ってしまえばどちらもニッチな商品ではあるが、パソコンとラジオ放送の相性が悪いため、意外とパソコンで通常のラジオを録音したりするのは面倒で、ラジオのタイマーと一緒にパソコンをオン・オフするのも難しい。なので、主に語学学習者の間ではあろうが、これらの機器は重宝されているようだ。

 もともと、家族も語学学習の目的で先のトークマスターを購入したのだが、ラジオの番組表を見ているうちに、AMもFMもさまざまな番組をやっていることに改めて気づき、音楽番組を録音してくれたのがきっかけで、僕も改めてラジオを聴いたりするようになった。普段はラジオを録音したMP3のデータを携帯プレイヤーに入れて聴いているのだが、昔のいわゆる“エアチェック”と比べるとファイルの扱いの簡単さ、他の音楽データなどと並列に扱える利便性などがやはり今の時代ならではという気がする。

 FMが1局しか入らない地方で育ったものだから、高校時代にはそれこそFMの番組を毎日エアチェックしてはむさぼるように聴いていたことも懐かしく思い出しているのだが、学生時代にはそれでもちょくちょく聴いていた番組もあったものの、仕事を始めてからはなかなか時間に合わせて聴く、あるいはタイマーで録音するというのも億劫になっていたので、この機械の便利さを実感している。

 先日もNHK─FMのピーター・バラカンさんの番組「ウィークエンド・サンシャイン」(土曜の午前7─9時半)を録音して、その日のお昼ご飯を食べながら聴いていたのだが、土曜の朝早い番組を、ちょっと後でのんびりと起きて聴くのもなかなかいいものだ。

 もちろん、今の時代はラジオ局もインターネットの影響で広告収入も減っていると言われているし、ポッドキャストなども取り入れつつ次の一手を模索しているメディアなのは間違いないのだが、今はとりあえずラジオの楽しさを再認識しているところだ。

 

【編集部ピックアップ関連情報】

○ラジオ批評ブログ――僕のラジオに手を出すな!
 「サイマルラジオ-SimulRadio」 2008/06/07
 「サイマルラジオ-SimulRadio」とは、全国のコミュニティーFMを
 インターネットでライヴ再送信(サイマル放送)するサイト。
 ストリーミング配信されるコンテンツをWindows Media Playerで聴く
 スタイルだが、JASRACの許諾も受けていて音楽も流せるようになっている。
http://radio-critique.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/simulradio_2878.html


○[O] 面白いブログ記事ってラジオっぽい気がする 2008/03/24
 結論:ブログを書く際にラジオの良さを考えることに、より面白い記事を
 書く技術の一端があるような気がする。
http://overlasting.dyndns.org/2008-03-24-3.html


○TPLH.net 「書籍-文化系トークラジオ Life」2007/11/14
 TBSラジオで月末の日曜日深夜にひっそりと放送されているラジオ番組
 「文化系トークラジオ Life」、この番組が本になったというので、
 渋谷ブックファーストで衝動買い。読み進めると、興味深い内容が
 これまでに思っていたよりも多く語られていることに気づく。
 「J-POPの起源」「ビルドゥングスロマン」「セカイ系」「下北沢再開発」
 「田中小実昌」などなど。雑学の塊といった印象だが、個人的に興味深い。
http://tplh.net/weblog/2007/11/_life_1.html


○ITmedia NEWS  2008/06/02
 「PCでラジオを丸ごと録音、音楽データベースに オンキヨーが新サービス」
 ラジオ放送を録音したり、ラジオ番組で紹介された楽曲情報を確認できる
 Vista向けガジェット「MuFi」をオンキヨーが公開した。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0806/02/news092.html


○CNET  2008/06/12
 「デジタルラジオ放送が2011年7月にも全国で開始--方式はワンセグに一本化へ」
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20375168,00.htm


○CNET  2007/10/03
 「パンドラの箱からの挑戦:音楽流通の新たな流れを作れるか」
  Pandoraは曲の音楽的遺伝子を比較するツールであるMusic Genome Projectを
 使い、個人化(パーソナライズ)されたラジオステーションを作っている。
 どんな曲が好きかを伝えると、Pandoraはそのアーティストの曲だけではなく、
 似た音楽的な要素を持った他の曲を演奏する。音楽には大手レコード会社から
 のものもインディーズアーティストのものもあり、リスナーはより多くの
 選択肢と音楽に関する知識を得られるようになっている。
http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000055954,20357157,00.htm

 

 


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