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無線センサーで道端の空き駐車スペースを探知。携帯電話から路上駐車の料金支払い。

米国の大都市圏のダウンタウンを車で運転中に駐車スペースを探し出すのは至難の業だ。運よく見つかるかどうかは幸運に頼るしかない。しかし、ドライバーはもうじき、車道に接着された無害なプラスチックのタブによって、助けを得られるだろう。

この秋からカリフォルニア州のサンフランシスコで行われる実験には大きな期待が寄せられている。市内の道端に設置された2万4000個のパーキングメーターのうち6000個に無線センサーネットワークを構築し、空いている駐車スペースがどこにあるかをドライバーへ知らせるのだ。空きスペースは路上などに設置されたサインボードか、スマート携帯電話のスクリーン上に表示される。駐車料金の支払いや時間追加も、恐らく携帯電話から直接できるようになるだろう。そうなれば、駐車時間を追加するためにわざわざ車を止めた場所まで戻らなくても済む。

空き駐車スペースの情報を適切に提供することはきわめて大切だ。サンフランシスコでは2年前、駐車スペースをめぐって争いが起き、19歳の少年が刺し殺されている。カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校教授でこのプロジェクトに参加するドラルド・シャウプ氏は「サンフランシスコでの実験が成功すれば、もう誰も駐車スペースを巡って殺人をしなくなるだろう」と話す。うまくいけば、交通、経済、環境のすべてに好循環をもたらすはずで、現在約12カ所に上る米国内の大都市がこの「スマート・パーキングシステム」を導入するために、開発企業と話を進めている。(ニューヨーク・タイムス 7月12日付け)


米国の都市圏には大抵、路上に一定時間駐車しておけるストリート・パーキングエリアがある。無料の場合もあるが、都市圏ではほとんどが有料。道端に設置されたメーターに25セントコインを入れて駐車時間を買う。しかし、大都市圏に行けば行くほど空きスペースを探すのは難しく、密集地帯のサンフランシスコなどは最たる場所。ビジネス街を走る車の3割は駐車場を探し回りながら運転しているといわれる。市では路上駐車スペースの空き比率を常に15%以上確保しておくことを目標としているが、なかなかそうはいかない。

ロサンゼルスのビジネス街は比較的小さいが、それでも駐車場を探しながら走っている車が消費する燃料は1年間に18万リットルにのぼり、730トンの二酸化炭素を排出しているという。車社会が生む無駄な消費といえる。こうした状況だから、スマート・パーキングシステムに対する期待も大きい。

サンフランシスコ市では、駐車スペースに配置したセンサーを活用する無線ネットワークを市内に構築することでさまざまなことを計画している。通りすがりの車の速度を測定することで渋滞情報を得たり、将来的には空気の汚れ具合や騒音モニターも行う予定。大きな音を感知することで、事故や銃撃事件の発生をいち早く知るのに役立てる狙いだ。2010年までには、道路上のパーキングスペースと市が運営するガレージのすべてにセンサーを配置する計画だという。無線センサーの品質が上がる一方、コストは下がってきていることがプロジェクトを推し進めるきっかけにもなっている。
 
システムを開発した地元ベンチャー企業のストリートライン(http://www.streetlinenetworks.com/site/index.php)によると、道路に設置する四角いセンサーは約10センチ四方の小型のもの。電池で駆動し、バッテリーの寿命は5年から10年と長い。ソフトウエアのアップグレードは、すべて基地局から無線操作でできる。路上のセンサー、パーキングメーター、基地局などが網の目状に無線ネットワークを構成し、同時に基地局側でネットワーク管理、データ管理、アプリケーション管理を行う仕組み。

駐車場が見つからなくて仕方なく禁止区域に止めたり、駐車時間をうっかりオーバーしたりで、反則切符を切られているのは日常よく見る光景。スマート・パーキングシステムがうまく機能すればこうした光景も減り、ドライバーのイライラも少しは解消されるだろう。

 

【編集部ピックアップ関連情報】

○国土交通省道路局ITSホームページ
http://www.mlit.go.jp/road/ITS/j-html/

 

 


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