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広告業界がカーボンフットプリントなどのエコを先導するアメリカ

(記事要約)

地球温暖化が進む中、アリゾナにある中堅のマーケティング会社および広告代理店であるZion & Zionが、この度12ヶ月に渡りカーボンフットプリントの相殺化を行なうと発表した。様々なマーケティング会社および広告代理店が、同様にカーボンフットプリントを減らす活動に積極的に参加している中、Zion & Zionは、業界としてはじめて、<会社として>全オペレーションに関わるカーボンフットプリントの減産化を目指す。

Zion & Zionのカーボンフットプリントは、The Greenhouse Gas Protocol Initiative (GHG Protocol:GHGプロトコル)に基づいて、すでに継続済みで、算出された数字に基づく対策を、今後12ヶ月のオペレーションの中で相殺していく。

「 気候は往々にして自然にそして必然的に変化する。業界が先陣をきって行なう、その気候の変化に対応するための力こそ、健康で居住可能な地球を継承するだけでなく、今日のビジネスにおける成功の鍵だともいえる。」とは、 CEOのアリック・ザオン氏の言葉だ。


(記事解説)

カーボンフットプリントとは、「一つの商品における原料の採掘や栽培、製造、加工、包装、輸送、および、購買・消費されたあとの廃棄に至るまでの、それぞれの段階で排出された温暖化ガスである二酸化炭素 (CO2) の総合計を重量で表したものである。」(wikipedia参照) つまり、この地球上で人間が生活したり、ビジネス活動を行なう中で排出される二酸化炭素を数値化したものである。

日本国内では、経済産業省がカーボンフットプリント制度の実用化・普及を推進する研究会を発足させ、 商品に「表示」をすることで、消費者に意識を促すことに注力している。委員会の中心は、 主に食品や消費材メーカー、小売店の業界人。一方米国ではマーケティング会社や広告代理店が中心となり、カーボンフットプリントの削減に努めている。

それはつまり、<啓蒙>を促す業界であるマーケティングおよび広告業界が先頭に立ち、こうした活動を推進して行こうという考えの表れ、といっても過言ではない。日本が「実践的」というのに対して、米国は「思想的」に活動を行っていると言える。

8日はじまった北京オリンピックは、これまでと違う意味で注目を浴びている。それは、はじめて「携帯電話を利用したマーケティング」が広告主と消費者を結ぶ手段として積極的に選ばれている点だ。

業界サイトtmcnet.comの記事(http://mobile-voip.tmcnet.com/topics/consumer-voip/articles/35973-mobile-devices-drive-news-marketing-games-content-beijing.htm)によると、モバイルマーケティングアソシエーションが、今回のオリンピックの広告主は、ゲームに関する情報や、商品の特典情報など、様々な形でモバイル広告に力を入れている、と発表したと伝えている。

巨大ポスターや、テレビCMを様々作るより、ピンポイントに消費者が知りたい情報やイメージを携帯電話向けに配信する方が、説得力もあり、個人化することも可能という考え方だ。

さらに次の2012年のロンドンオリンピックでは、通信分野でネットワークのインフラは大幅に進化するとみられている。 通信技術分野のグローバル企業<Notel>のエンタープライズ・ソリューション部門社長、ジョエル・ハックニー氏は、「(次のオリンピックでは)消費電力をこれまでの 25から40%に抑えられる。このことは経済的にも、環境的にも非常にメリットがあり、言い換えればカーボンフットプリントの削減につながる」とコメントしている。
 
米国の環境問題に対する啓蒙活動はここ1、2年で突然拍車をかけたように勢いを増している。その啓蒙に一役買っているのが、やはり広告やマーケティング活動だといっても過言ではない。日々の生活で目に触れる商品に刷り込まれた「二酸化炭素XX%」の文字。テレビに流れる「Go Green!」を訴えたコマーシャル。

こうした広告を考える人々が、今誰よりも先頭に立って環境問題に取り組んでいるのが米国だ。そしてこれからは米国社会の裾野に広がり、その影響力はさらに増していくにちがいない。

 

【編集部ピックアップ関連情報】

○環境と経済の素敵な関係 2008/08/12
 「カーボンフットプリント制度のルール作り」
 ルール化は進んでいきますから、中小企業といえどもできるだけ早く
 着手して経験を積むことが大事になると思います。
http://eco-biz-tk.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_5ca9.html


○Paint It Green × カリフォルニアGreen便り 2008/03/11
 「カーボン・フットプリント?エコロジカル・フットプリント?」
 世界中が中国に押しかけてモノを生産している結果が、汚れた空気であったり
 破壊された環境であったりするわけです。そのことに対して、世界の消費者の
 関心はあまり高くないような気がします。カーボン・フットプリント
 (フットプリント=足跡)、エコロジカル・フットプリントなんて言葉が
 はやっていますが、中国にはいろんな国のフットプリントがべたべたと
 ついているはずです。
http://brendiary.exblog.jp/8151149/

 

 


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広告業界がカーボンフットプリントなどのエコを先導するアメリカ | 専門家や海外ジャーナリストのブログネットワーク【MediaSabor メディアサボール 】 2008年08月16日 14:29
地球温暖化が進む中、アリゾナにある中堅のマーケティング会社および広告代理店であるZion & Zio...