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大手SNSがレコード会社やJASRACと契約し、音楽ネットラジオ「mixi Radio」開始

  • レコード・コレクターズ 編集部
  • 祢屋 康

 7月からmixiで新しい音楽サービス“mixi Radio”が始まった。無料で約10万曲が聴けるサービスが売り(有料会員は約40万曲)だが、レコード会社やJASRACと契約し、ストリーミングによる無料でのフル聴取が可能となった“音楽系SNS”としてもけっこう画期的なものではないだろうか。

 mixi Radioほど話題になっていないが、ほぼ同じようなサービスを提供するLast.fm(http://www.lastfm.jp/)も1週間ほど後の7月16日に日本でも無料のストリーミング聴取が可能になった。もともとイギリスの会社であるLast.fmは2006年にエキサイトと組んで日本で音楽系SNSとしてサービスを始めていたが、あくまでSNSとしての機能のみで、欧米でのようにネット・ラジオは利用できなかった。

 日本の音楽系SNS---ネット・ラジオは、法整備が状況についていっていなかったこともあり、メジャー・レコード会社の持っている音楽がそのままかけられるところはこれまでほとんどなく(05年からやっているYahoo!ミュージック・ステーションなどはあったが)、欧米で話題になったPandoraやFinetune(http://www.finetune.com/)といった音楽系SNSに比べて遅れを取っていた。mixi RadioとLast.fmがストリーミング聴取可能となったことで、日本でも実用的な音楽系SNSのサービスが始まったといえるだろう。

 音楽系SNSの楽しみは、自分用にカスタマイズできるネット・ラジオが聴けたり、SNSの利点を生かして、他のユーザーの好みと自分の好みを比較したり、自分の好きなアーティストを推薦したり(このあたりの細かな対応がサイトによって違い、それぞれの特色を出している)、ジャンルやアーティスト名、キーワードなどのタグが付加されることによって、その中からまだ自分の知らない好きなタイプのアーティストが見つけられることだ。

 mixi RadioもLast.fmも当然ながら主な機能は似ている。好みのアーティストや楽曲を登録・評価したり、再生履歴を反映することでユーザーの好みが反映され、それに似たジャンルやアーティストの楽曲をネット・ラジオが次々に再生してくれるというものだ。どちらの場合も専用ソフトをインストールすれば、PC上で聴いた音楽は、iTunesやウィンドウズ・メディア・プレイヤーなど別のソフトで聴いた楽曲やアーティストも自動的にアップロードして“履歴”として登録してくれる。

 mixi Radioは“まず国内ユーザーのニーズから満たしてく方針”だということなので、あくまでJ-POPが好きな人に向けたサービスで、Last.fmは洋楽リスナー向けと、ある種の住み分けができてもいるようだ。

 僕自身は洋楽を聴くことが多いので、Last.fmの方により魅力を感じている。“…に似た音楽”のラジオを再生していると、延々とかけていても気持ちよく、おっこれは、と思う曲がかかることもしばしばだ。確かに自分の知らないアーティストに出会えるチャンスが広がっている気がする。僕は自分の持っているiPodの容量がわりと少ないこともあって、シャッフル再生はほとんどしないのだが、このLast.fmで次々とシャッフル再生されるラジオは実に良く出来ていると感心する。

 無料で聴けるラジオ以外にもmixi Radio、Last.fmともに有料会員もある。しかし、それらも1000円未満と安価に抑えられており、ナップスターなどのサブスクリプションにお金をかけるほどでもないという中間的なユーザーを取り込むことも目指しているだろう。 日本でも音楽系SNSとレコード会社やJASRACとの提携の道が開かれたことで、これからさらにいろいろなサービスが出てくるのは間違いない。

 

【編集部ピックアップ関連情報】

○ITmedia News  2008/07/09
 mixi上で楽曲再生、好みに合った曲を自動で 「mixi Radio」
 新サービスを通じてユーザー同士のコミュニケーションが広がることを期待する。
 将来はモバイルへの対応も検討しているほか、アーティストのプロモーション
 ビデオの配信や、月額課金制で好みの楽曲を何度でも再生できる
 サブスクリプションモデルの導入も検討していく。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/09/news015.html

 

 


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