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駐車場に可動式ソーラーパネルを設置し発電するハイテク企業

<記事概要>

 シリコンバレーの半導体製造装置メーカー、アプライド・マテリアルズは、サニーベール市の本社駐車場にソーラーパネルを敷き詰め、消費電力の10%以上をここから発電している。7997枚のソーラーパネルを使い、2.1メガワットの電力を発電。これは住宅1400件分をカバーするのに十分な量で、米国企業が自社内に設置したソーラー発電設備としては最大のものだという。

 設置したソーラーパネルは、シリコンバレーにあるサンパワー社製。太陽を追跡するシステムが装備され、光の向きに対してパネルが自動的に動く。従来の固定式パネルと比べて太陽光エネルギーの補足率が25%上昇する。

 設置費用は1500万ドル。州政府などからいくつかの助成金を受けるため、実際には1050万ドル程度になる見込み。電気代の支出が減ることで、投資額は7年から10年で回収する予定。同社ではこのソーラーパネルの設置により、二酸化炭素の排出量を年間2700トン減らす計算。大まかに見積もって、450台の乗用車から排出される二酸化炭素量に匹敵する。

(サンフランシスコクロニカル 2008年9月19日)


<解説>

 シリコンバレーのハイテク企業が駐車場にソーラーパネルを敷き詰めたのは、今回のアプライド・マテリアルズが初めてではない。2006年にソーラー発電計画を発表したグーグルではすでに本社屋と駐車場に9000枚以上のパネルを敷き詰め、1600キロワット相当の電力を太陽光発電から得ている。これは本社が利用するピーク電力量の約3割を賄う量。一般家庭の電力消費量に換算すると、カリフォルニアの住宅1000件分をカバーできるという。

 サンフランシスコ湾に沿うように100キロメートル以上続くシリコンバレー地区は、土地もゆったりとしているうえに晴れの日が多い。ハイテク企業の駐車場は、野外を利用して屋根もないことがほとんどなので、ソーラーパネルを設置するには絶好の場所といえる。

 加えて、ソーラーパネルが屋根の効果を発揮することで日よけ効果も生まれる。夏の間に摂氏35度から40度程度の気温が続く日の多いシリコンバレーで野外に駐車しておくと、車内は大変な暑さに見舞われる。エンジンを始動してエアコンを最大にすればそれだけ燃費も悪くなり、省エネとは逆行する。しかし、日除けの下に駐車しておけば、どんなに暑い日でもあまり車内気温は気にならない。カリフォルニアの気候が低湿度のためだ。

 ソーラーパネルへの投資額を回収した数年後には電気代が純粋に削減される上、何より環境負荷を減らす努力を行っているという企業アピールにもなる。もっとも、アプライド・マテリアルズの場合には自らソーラーパネルを事業として生産しているだけに、率先して導入するのは当然の成り行きでもある。

 原油価格の上昇を大きな理由に米国ではグリーンエネルギーへの関心が高まっている。特に環境意識に敏感なカリフォルニアでは、この手の話題がニュースを賑わすことも多い。その主役の一つがソーラーパネル。太陽光発電はコスト高が普及の障害といわれるが、州政府も積極的に支援を行いながら市場拡大を勢いづける。普及が進むことでコストを押し下げる期待もある。

 普及には設置場所を含めていろいろとアイデアが必要になる。ビルの屋上だけでは面積が足りない。駐車場も大きな可能性を秘めた場所だが、つい最近オーストラリアで導入されたソーラーパネルのケースは面白い。高速道路の防音壁として500メートルに渡りパネルを設置し、生み出した電気をインターチェンジの照明用電力に使おうとの取り組みだ。

 ソーラーパネルを防音壁に埋め込むのは、世界初の試みと見られている。予想される発電量は年間18.7メガワットと小さいが、設置距離を伸ばしていけば太陽光の有効活用に結び付くだろう。

 

【編集部ピックアップ関連情報】

○あめじゃむ 2008/08/30 
 「防音壁にソーラーパネルを設置するオーストラリアの高速道路@
  Going Solar recieves 2008 Clean Energy Council Awards」
 このシステムではソーラー発電というグリーンエコなエネルギーでシステムの
 維持にかかるコストを軽減していますが、もっとがんばって設置する距離を
 伸ばして、高速道路の通常運営にかかるコスト軽減に留まらず、余剰がでれば
 近隣住宅への電気の供給や電力会社へ売却して道路メンテナンス費用に充てたり、
 できれば継続的に通行料金に反映されたりするといいですね。
http://amejam.com/archives/50667901.html

 

 


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