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ファッション業界や習い事でも、インドがブーム

 昨今の経済発展により、国際舞台において注目を浴び続けているインドだが、経済やビジネスといった世界以外でも、最近はその名をよく聞かれるようになりつつある。
 
 例えば、2008年のテーマを「眩惑のインド(FANTAISIES INDIENNES)」としているエルメスは春夏コレクションで、インドをモチーフにデザインしたスカーフのラインを発表した。インドの狩りをイメージした「インドの狩猟」や、インドの仏跡サーンチーの門をモチーフにしたもの、砂漠のラジャスターン地方の象のイラストが大きく描かれたデザインなど、どれもピンクやオレンジを多用して色に溢れた賑やかなインドがイメージされている。

 その他、カシミール地方のショールの刺繍デザインで多用されるペイズリー模様がデザインに組み込まれたサンダルなど。イメージモデルにも、インド人モデルのラクシュミー・メーノンが起用され、ラジャスターン地方の化粧を施された象とともに、インド版ヴォーグのページを飾っていた。



 アクセサリー・ブランドのカルティエも今年、「インド・ミステリューズ(神秘のインド)」という新しいジュエリー・コレクションを発表している。カルティエは、インドのマハラジャ(王)達のために豪華絢爛で洗練されたジュエリーをデザインしてきたという歴史もあり、1900年代初頭にも、インドからインスピレーションを得たコレクションを発表している。今回は、マハラジャ達の豪華なイメージをもとにデザインされた華やかなネックレスや、インドの象徴であるロータス(蓮の花)がモチーフのネックレスや指輪などが発売された。カルティエ主催の晩餐会では、インドのマハラジャの豪華でエキゾチックなテントを模した会場でジュエリーが展示され、インド音楽と舞踊を交えたショーも披露されたとのこと。

 その他、2008年秋冬コレクションでは、アレキサンダー・マックィーンが、インドのイギリス植民地時代やインド旅行にインスパイアされたラインを発表したりと、ファッション業界ではインドをモチーフにしたデザインや、インドからインスピレーションを得てデザインされたコレクションを発表するブランドが相次いだ。グッチがインドの民族衣装業界(主にサリー)に、インド人デザイナーを起用して参入する予定というニュースも聞かれている。

  また、昨年末に創刊したヴォーグ・インドがつい最近、名だたるファッション・ブランドの商品を、インドの名もない貧しい人をモデルに使って撮影した写真を、記事に使用して賛否両論の物議を醸したりしており、ファッション界ではインドが何かと騒がれているのである。


 習い事面でも、数年前のヨーガブームに続き、最近の日本ではインド舞踊が注目を集めつつあるらしい。インド舞踊は、準備体操や基礎練習において、ヨーガと共通するポーズも多くあり、「踊るヨガ」とも呼ばれ始めているようだ。既にいくつかのインド舞踏に関するムックやDVD付きの冊子も発売されており、20代後半から30代前半くらいの女性の間で、インド舞踊が来つつあるらしいのである。

 インド舞踊の中でも代表的なバラタナティアムは、歴史を辿れば、本来はお巫女さんが神にささげる踊りとして踊っていたものであり、その後、中世になってからマハラジャ達の寵愛を受けて、宮廷舞踊として発展していったものだそうだ。近代になってからはイギリス統治時代に、偏見により一時は廃れそうになりながらも、上流階級の女性によるルネサンス運動により、かろうじて復活。宮廷舞踊から舞台芸術へと発展し、洗練されていったそうである。

 そういった、エキゾチックな歴史やその重みが感じられ、ヨーガにはない華やかな衣装が着られるということもあって、女性にとっては習い甲斐があるのだろう。動きも非常にハードで、フィットネス効果もバツグンらしく、健康関連の雑誌に取り上げられたりもしている。

 インドは、経済発展やITの方面で最初に注目を集めたが、文化や歴史の厚みも同時にバッチリ持ち合わせている国である。ようやくインドのソフト面も世界から注目を集めるようになりつつあり、ますますその不思議な魅力により、世界にインスピレーションを与えていくのだろう。

 

【編集部ピックアップ関連情報】

○銀座ひとりあるきblog  MAISON HERMES 『眩惑のインド』 2008/03/25
  今年度のエルメスの年間テーマは「Fantaisies Indiennes (眩惑のインド)」。
 コレクションでは、ターバンを巻いたモデルが、サリーを思わせる色とりどりの
 ラグジュアリーなドレスを身に纏い、ランウェイに登場していました。使われた
 カラーも、フューシャピンクやサフランイエロー、シナモンオレンジなど、
 インド風の濃厚で鮮烈なカラー。とにかく鮮やかで、目を引く『色』が
 あふれています。
http://bijouxxxx.blog5.fc2.com/blog-entry-31.html


○Hermes S/S 08 Lakshmi Menon(YouTube映像 00:57)
http://jp.youtube.com/watch?v=xv6NeKDiFC8


○インド∞─印度無限大─ 「日本人がインドでインド舞踊をする意味」2008/07/31
  朝日新聞のひとの欄にオリッシーダンサーのMASAKOさんのインタビューが
 載っていました。「インド人にはなれない 一人の踊り手としてやっていく」
 インドに住み、いち舞踊家として活動し続けている方のうそのない言葉だと
 思いました
http://kuchipudi.exblog.jp/9336084/


○★さるみみの見た世界 【世界一周旅行】★ 2007/09/14 
 「めくるめくインド舞踊の世界!(バーラタナティアム・カタカリ・カタック・
   マニプリ・オリッシー・クチプディ)」
  驚くほど豊かな動作表現!
 インドの舞踊は、神への賛歌として音楽と共に極度の発達をみました。
http://blogs.yahoo.co.jp/samberasam51/36296549.html

 

 


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