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病院からの無料出産祝い「赤ちゃんキット」有害騒ぎ

フランスで子どもが生まれた時に、病院で配布される赤ちゃんキットの製品が有毒である可能性がでてきた。体を洗うクリーム、お尻を拭くウエットティッシュ、ベビーローションなどが入ったポシェットを産婦人科が誕生祝いに無料で提供している。この製品を化学分析した科学者達が、パラベン、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、ビフェノールA、グリコールエーテルといった有害物質が製品に含まれていると発表して物議をかもしている。

もちろん、製造側は、厚生省の規約を通過した製品なので何も問題はないと言い張る。しかし、保存剤のパラベンは、2004年からホルモン系統への影響があるとの疑いがあるし、安定剤のエチレンジアン四酢酸は、生殖器に悪影響があると言われている。おしゃぶりに使われている素材のビフェノールAは、カナダでは 内分泌障害を促進する物質として有害物質に分類されているものだ。実に80%もの赤ちゃん用品が、石油物質から製造されていることを知らないフランス人が多い。

日本と同様に、フランスも衣料品や化粧品などの医療部外品は、規制内容が異なる。恐ろしいことに、医療部外品であれば、臨床実験の結果なしに市場で販売できるため、安全性の保証がないまま、店頭で販売されているのだ。

ひどいことには、メーカーが産婦人科と結託して、商品の販売促進のために、お祝いと称してこれらの製品が無料で配られていることだ。普通の人ならば、病院で配布されるから、安全だと思う。皮肉なことに、赤ちゃん製品に含まれている上記の物質が、人体に有害だとの研究結果が、フランス以外の国で発表されているのだ。中国の粉ミルクの件のように、死者がでてから対策を打ち出すようなのろまな対応はしないでほしい。科学者グループの批判を受け、フランス健康製品安全機関が、2008年末からこれら化粧品の規制管理をおこなうことになった。

便利な世の中にはなった。しかし、大切な赤ちゃん、特に新生児の体を心配するならば、便利と思われる化学製品に頼らず、昔ながらのタオル、石鹸、水で、この世に生まれたばかりの赤ちゃんのすべすべ肌をきれいにしてほしいと科学者達は警鐘を鳴らす。有害物質には厳しい規制をひくヨーロッパの先進国フランスでも、油断はできない昨今だ。

 

 


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