ユーザーがゲームクリエイターにもなれるPlayStation3の『リトルビッグプラネット』
- ライター/ブロガー
今時のWebサービスでは、「CGM」「タギング」「ロングテール」といったWeb2.0要素の入っていないサービスを見つけることの方が難しいというぐらいにいろいろなことが当り前になってきました。
ただし、Web2.0要素というのは、大量の情報を扱うという意味においては、Webサービスに限定して使うような要素ではありません。扱う情報に双方向の要素があれば、どういったサービスや媒体であってもWeb2.0要素を使うことは情報の送り手にとっても、受け手にとっても有効に働く場合があることは想像できるでしょう。
そして、これも自明のことですが、デジタルの分野でWeb2.0要素というのは有効です。ということで、ゲームの世界でもWeb2.0要素というのは使われつつあります。
今回、そのゲームの中でも取り上げたいのはPlayStation3の『リトルビッグプラネット』というゲームです。
http://www.jp.playstation.com/scej/title/lbp/
この『リトルビッグプラネット』はゲームジャンルとしてはアクションゲームに分類されていますが、その本質はプレイヤーがクリエイターとなって、自分のプラネットの中に自作のステージを作るところにあります。
クリエイターにはプラネットが与えられ、そこに自分の思い思いのステージを作り込んでいくことができます。しかも、そのステージ作りの自由度はとんでもなく高いのです。
こういう作り込み系の動画と言えば、ニコニコ動画です。既に数多くの『リトルビッグプラネット』自作ステージの動画がアップされています。
▼テトリス【ニコニコ動画】リトルビッグプラネットでテトリスを作ろうとしてみた
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5102910
▼グラディウス
【ニコニコ動画】リトルビッグプラネットでグラディウスを作ろうとしてみた
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5129507
▼マクロス【ニコニコ動画】【LBP】リトルビッグプラネットでマクロス?【PS3】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4905543
▼カリオストロの城【ニコニコ動画】
【PS3】リトルビッグプラネットでルパン●世カ●オストロの城再現【LBP】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5138953
どれもこれもとんでもない作り込みですが、これは『リトルビッグプラネット』が物理演算をちゃんとやっているゲームだから実現できていることです。
そして、この自作ステージは自分で楽しむだけではなく、『リトルビッグプラネット』のサーバにゲーム内からアップロードが可能です。
そう、ここにWeb2.0の必須要素であるユーザーの参加ということがしっかり設計されているのです。
例えば、あるステージを偶然遊んでみておもしろかったとしましょう。クリエイター>プラネット>ステージというひもづけがされていますから、そのステージを作ったクリエイターのプラネットにはさらにおもしろいステージがある可能性が高いのです。
そして、驚くべきことに各ステージはそのステージを遊んだプレイヤーによって、レイティングが可能になっているだけではなく、タギングによる分類までされているのです。
このことによって、以下のような形で次々に数多くのステージを追いかけるようにして楽しむことが可能になります。
・好きなクリエイターを追いかけていく
・好きなタイプのステージを追いかけていく
・同じようなステージで遊んでいるプレイヤーの後追い
さらに、遊んでみておもしろかったステージをコピーして、それをベースに自分で改造して作り替えていくことまで可能なのです。「追いかけ」の要素はプレイヤーとしても、クリエイターとしてもとても重要な要素になっているのです。
このようにユーザー参加型コンテンツにはWeb2.0要素は当り前のようにつきまとうべきで、それをコンテンツ設計の段階で見越しておくのは作っているものがWebサービスでなくても当り前のことになってきています。
ただし、こうした作り上げたコンテンツにもそもそも参加者が増えてこなければ話になりません。ユーザー参加型コンテンツは当たれば、いわゆる「ハマった」状態になります。しかし「ハマる」要素の高いものほど、実は敷居が高く、敷居が高いからこそ「ハマる」ことも現実でしょう。
こういったことから、ユーザー参加型コンテンツにはこれまで以上にプロモーションと一度参加したユーザーに対するリマインドがますます重要になってくるでしょう。
<関連リンク>
話題にならなかったサービスに“お祭り”が起こるきっかけ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/nmg/20081118/177544/?P=1&ST=nmg
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