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動画共有サイトのVeohがインターネット・テレビ・プレーヤー廃止を決断

(記事要約)

2007年6月以来インターネット・テレビ・プレーヤーVeohTVを提供してきたVeoh Networks社は、独立したアプリケーションであるVeohTVを年内に廃止し、ブラウザー・プラグインを利用したVeoh Web Playerを利用した動画視聴に切り替える方針を明らかにした。

VeohTVに先行したインターネット・テレビJoostも、Veohに先立ってウェブサイトから直接視聴する方式への移行に向かっている。動画を見るためにブラウザー以外のアプリケーション(=プレイヤー)を立ち上げるシステムは、今後廃れていく模様だ。

2008/11/15/BROADBANDTVNEWS.COM(英国ケンブリッジ発デジタル放送に関するオンライン・ニュース)


(解説)

これまで動画共有サイトveoh.comで30分以上の映像を見るためには、VeohTVというアプリケーションを立ち上げなければならなかった。先行してインターネット・テレビを立ち上げ話題となったJoostも、同様に独立したアプリケーションを使用していた。

しかしveoh.comでは、9月からプラグインVeoh Web Player(ダウンロード無料)をインストールすれば、ブラウザーでそのまま30分以上の映像を見ることができるようになった。推奨の512MBにやや劣る私のPC(2006年購入VAIO、Windows XP SP2、RAM504MB)でも、そこそこ快適に視聴できた。

もはやVeohTVは無用の長物? と思っていたところへこのニュース。ずっとBETA版だったプレーヤーは1年と数ヶ月でBETAのまま終わってしまった。ライバルのJoostもブラウザー上での視聴を始め、インターネット・テレビ・プレーヤーの時代はあっさり終わった感がある。

だからといってインターネット・テレビがなくなるというわけではない。再生機能がプラグインによってブラウザーに組み込まれ、ウェブで検索した映像をそのままフルサイズで視聴したりダウンロードしたり出来るようになった。すなわち、ますます便利になったということだ。

ウェブサイトVeoh.comはVeohTVを引継ぎ、YouTube、Hulu、CBSに加え、ABC、Warner Brothers、Sony BMGを含む多様なコンテンツを提供する方針だ。視聴者のブラウズした内容を分析して趣向に見合った広告を配信する「行動ターゲティング広告」を導入し、より効果的な広告展開を目指している。

2008年7月に発表されたTubeMogul社の調査(※)によれば、最も視聴数の多い動画共有サイトはYouTubeである。しかしながらVeohもYahoo!に続いて3位と健闘を見せている。VeohTVを立ち上げる面倒がなくなった上に、30分以上の動画再生やYouTubeビデオの検索も可能なVeohには、今後より多くの視聴者が流れるだろう。

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※動画一括配信サービスを行うTubeMogul社は、20万本以上の動画を対象に、各動画共有サイトにおける動画アップロード後90日間の視聴数をカウントした。YouTubeは1動画あたり平均3000件の再生数で1位。2位はYahoo!の700件。3位のVeohは662件。以下MetaCafe、MySpace、DailyMotionが続く。
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【編集部ピックアップ関連情報】

○MediaSabor  2008/07/30
 「動画共有サイトVeohが行動ターゲティング広告導入でYouTubeを追撃!」
http://mediasabor.jp/2008/07/veohyoutube.html


○CNET  2008/11/20
 「新しくなったJoost、迷走する動画配信ビジネスの台風の眼になるか?」
 JoostはYouTubeのように玉石混交、清濁混じり合ったコンテンツの
 おもちゃ箱ではなく、iTunesのようにコンテンツ販売を前提にした
 サービスでもなく、これまでの地上波テレビのビジネスモデルを
 そのままインターネットにもたらそうとしている。
http://japan.cnet.com/column/pers/story/0,2000055923,20383930,00.htm

 

 


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