イタリア・ヌードカレンダーに見られる表情やしぐさの特徴
- イタリア在住ジャーナリスト
毎年11月を過ぎるころ、ニュースサイトの一角に現れるのが新年のカレンダーの紹介である。読者の目を引くように、綺麗なおねえさんの写真が貼ってある。
カレンダーのすべてが、女性モデルの裸を題材にしたものとは限らない。アート系のものもあれば、環境・貧困の問題などをテーマにしたものもある。しかし、ヌードのカレンダーは、やはり多い。
以前こちらの小さな会社でOLをしていたとき、イタリア人の中年社長が新年にヌードカレンダーを飾ったことがあり、「やめてもらえませんか」とやんわり抗議したことがある。社長個人の卓上にあるならまだしも、従業員ならイヤでも眼に入る位置に堂々と貼ってあったのだった。同性の裸を見ながら仕事をする気にはならない。異性ならいいのか、と問われるとそれも困るけれど。
社長は、わたしのたった一度の抗議には耳を貸さなかったものの、数ヶ月もたたずにそれを捨ててしまった。どうやら飽きたらしい。そのモデルの表情と浅黒い光った肢体が印象的だった。ああいう表情やしぐさを、日本のグラビアアイドルはあまりしない気がする。日本のグラビアアイドルのカレンダーというものをつぶさに見たわけではないので、断定はできないが。
さて、イタリアのカレンダーを一部紹介してみる。
バラエティ番組のアシスタントがモデルのカレンダー
http://www.tuttogratis.it/celebrita/calendario_lucignolo_2009/
モデルのインタビュー動画つき。
「漁師カレンダー」と名づけられているが、裸のモデルが魚や舟と写っているだけ。
http://www.repubblica.it/2008/10/calendari/trash/pescatrici-2009/pescatrici-2009/1.html
http://calendari.excite.it/2009/donne/ilcalendariodelpescatore2009(上と同じもの)
反政府運動の女たち
http://www.tuttogratis.it/celebrita/calendario_sexpolitik_2009/
政府の教育改革に反対を表明している学校関係者(一般人)がモデルになっている。注目してもらうためにはやはり脱ぐのが手っ取り早いということか。
普通の人が写っているカレンダーをもうひとつ。モデルはトスカーナ地方の小売店の売り子さんだ。
http://www.haisentito.it/articolo/calendari-2009-le-commesse-toscane-per-beneficenza/12483/
商店の住所まで記載してある。ストーカーされる心配はないのだろうか。
イタリアのヌードカレンダーのモデル(特にプロ)の特徴をざっくりいうと、
第一に、上目遣いでカメラを見ていない
第二に、微笑んでいない。むしろ挑発的
だと思う。
日本の男が「コレはイイ!」と思える女の表情と、イタリアの男のそれとは全然違うということなのだろう。グラビア全般や映画にまで調査対象を広げ、日本とその他の国とのその違いと傾向を調べたら、結構おもしろいのではないかと思う。
男性モデルの、つまりイケメンカレンダーはないのか、と思い探してみた。
2008年用カレンダー
http://www.youtube.com/watch?v=H5WuAIkQ-P0&feature=related
2006年用カレンダーの撮影風景
http://www.youtube.com/watch?v=0dO1vuh2_q4&feature=related
2003年用カレンダーの撮影風景
http://www.youtube.com/watch?v=0Vf6f0rkOpQ&feature=related
正直に言って後ずさりしたくなるレベルだ。癒しの要素がまったくない。ガチムチ男の裸体カレンダーを、こちらの女性は「ステキ!部屋に飾ろうかしら」と思うのだろうか。
しかし、こんなカレンダーもあった。
バチカンの神父さんカレンダー(2008年版)
http://www.youtube.com/watch?v=atxcsfqMkIQ
見ていてほっとするのは、俺ってイケてるだろう、という被写体からのメッセージがないからだろう。
当地ヴェネツィアでは、ゴンドリエリ(ゴンドラを漕ぐ人)がモデルになったカレンダーが、新聞や雑誌を売る店で売られている。ゴンドリエリの熱烈な地元ファンに出くわしたことはないので、ほとんどが観光客に買われていくものだ。表紙を見た限りでは、ゴンドリエリは縞のシャツに帽子、といういつものいでたち。脱いではいないはず。たぶん。
さて、年末にかならずニュースになるのが、ピレリのカレンダーだ。新年のピレリのカレンダーには、どのモデルが採用されるのか、どんな内容なのか、など。2007年のカレンダーには、当時72歳のソフィア・ローレンが登場し、「さすが」と映画ファンをうならせた。
2007年版ピレリカレンダー
http://www.youtube.com/watch?v=VE2nE6fjxJc&feature=related
ソフィア・ローレン以外に、ペネロペ・クルス、ナオミ・ワッツなどがいる。
2009年版ピレリカレンダー
http://www.youtube.com/watch?v=UwtnBmuLhDw&feature=related
自然・環境が今年のテーマらしい。
ピレリカレンダー公式サイトは以下で。過去の作品もすべて閲覧可能。
http://www.pirellical.com/thecal/home.html
ピレリはもともとタイヤのメーカーだが、工業デザインも手がける不動産投資会社だ。カレンダーは販売商品ではない。ピレリが重要取引先へ配るためのもので、その数4千から5千部。一般消費者にはほとんど関係のない販促品なのに毎年ニュースになるのは、その芸術性と伝統のためだろう。
1964年から世に出始めたピレリカレンダーであるが、70年代(第一次オイルショックの頃)から80年代の始め、9年間に渡って発行されなかった。世界同時不況の不安が取りざたされる昨今、ピレリのカレンダーは来年も発行を続けられるだろうか。
<参考>
イタリア警察カレンダー2009年版についての新聞記事(写真もあり)
http://www.adnkronos.com/IGN/Cronaca/?id=3.0.2772667327
カラビニエリ(イタリア軍警察)カレンダー
http://www.collezionismoinsieme.it/calendariettiecalendari/calendari_carabinieri/calendaricarabinieri.htm
退役したカラビニエリとその家族しか買わなそう。
http://www.youtube.com/watch?v=pcRCcyEGt4o
伊サッカーチーム、レッジーナの2008年用カレンダーの撮影風景
http://www.youtube.com/watch?v=cfhh0vqKcrE
伊サッカーチーム、カターニャの2008年用カレンダー
日本のカレンダーサイト(アイドルから動物、アニメキャラまで網羅)
http://ameblo.jp/2009calendar/
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