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アウトレット店舗よりネットで買物をするフランス人

 フランス人はどうもインターネットが、ヨーロッパ一好きらしい。不況でお財布の紐がきゅっとしまっても、買物好きの日本人は、アウトレットやディスカウント・ストアに行き、欲しい高級品を少しでも安い金額で買おうとする。

 お金にうるさいフランス人は、即座に買物を控える。それでも我慢できない買物好きは、アウトレットのネット版を利用。ブランドものの洋服やかばんが、シーズンを過ぎると大幅に値引きするのはいずこも同じ。毎シーズンに製造の5から8%程は、アウトレットで販売していかないと在庫管理で経費がかかってしまうのだ。衣料品のみならず、雑貨や電化製品も販売している。

 そこに目をつけ、2001年にサービスを開始したヴァント・プリベVente Privée(http://en.vente-privee.com)は、割引率の大きさと品揃えの良さで、顧客を一気につかみ、不況にもかかわらず売上を伸ばしている会社。

 2008年の売上は前年比46%アップの5億ユーロであった。パリでジャック=アントワン・グランジョンJacques-Antoine Granjonを社長にして2001年に設立。2006年には1200万点を販売。2007年にはドイツとスペイン、 2008年にはイタリアと英国版のウェブサイトを開設。業界の老舗であり、最大手のヴァント・プリベは、フランスでのネットアウトレット販売の約8割の売上を占めるという。後発のバザーシック(BazarChic.com)、アシャビップ(Achatvip.com)、24h00(24h00.com)などがあるが、まだ競合の地位まで到達していない。

 半額はもちろん70%オフの商品も。商品数に限りがあるので、メールで送られてくる事前告知をみて、賢い消費者は開始時間きっかりにアクセス。セールは品切れまで2日間(長くても4日間)、というのが多い。ブランド毎のセールは、平均在庫が200点。早いもの勝ちだ。ヴァント・プリベでは平日は朝6時から、週末は朝8時から販売を開始する。服を安く買うためなら、早起きも苦にならないというわけだ。これは、通常の店舗販売のセールの時に店の前に並ぶのと同じ要領。2009年1月は目標値の倍の売上があったという。

 サイト利用は、登録制。無料だが、会員にならないとサイトにアクセスできない。現在のヴァント・プリベの会員数は700万人に登るという。友人を紹介するとボーナス券を貰えるというので、会員も増えていく。が、なによりも、商品が多様であることとサービスが他の同業サイトに比べて良いので人気がでているのだ。

 欠点は、購入した商品が届くまで3から4週間ほど待たないといけないこと。店舗アウトレットならば買ったその日から使えるのだが、ヴァント・プリベは商品が配達されるまでの期間が長い。フランス人は忍耐力があるようだ。

 

【編集部ピックアップ関連情報】

○パリの衣装工房 「買い物好きで、時間がない場合」2009/04/06
 朝8時過ぎには出て、帰宅が19時。
 10時開店19時閉店、ヘタすればお昼時もお店を閉め週末もちろん
 休業というおフランスでは、買い物不可能。ホント、みんな
 どうやってんのかと思いますよ。
http://costumiere.blog116.fc2.com/blog-entry-147.html

 

 


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