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同乗中のペットにも適用される自動車保険

(記事概要)

サイコウとコゼッテの二匹の犬は、車に乗っているときには非常に安全だ。ミシガン州に住む飼い主のロニー・オルソンさん(55)は、「このボーダーコリーとボクサーは、リードで常にしっかりと結ばれています」と話す。

それでもオルソンさんは、保険会社を乗り換えた。自動車保険会社のプログレッシブが、車が事故を起こした際にペットの怪我にも保険を適用すると聞いたからだ。「どんな会社であれ、この保険会社のように動物をサポートするところであれば、私はそこをサポートしたかったんです。この先、決して保険を使うことがないことを願ってはいますけど」。

少なくても4社のアメリカの損保会社が、同様の内容でサービスを展開している。追加料金はなし。ペットが同乗中に起きた事故で怪我をしたり死亡したりしたら、1匹あたり500ドルから1000ドルの補償を行う。

1億9600万人が自動車免許を持つこの国では、「競合も非常に激しい」(ミシガン保険協会・ローリ・コナートンさん)。「人々が望むこのような保険商品を1社が見つけたら、他社も同様に商品化するでしょう」。

プログレッシブのマーケティング担当役員ミリアム・デイッチャーさんは、「弊社は50州に1040万人の顧客を抱える全米で3番目に大きな自動車保険会社です。ペット同乗保険は、他社に先駆けて2007年の夏に導入しました」と説明する。始めた理由は、「われわれの顧客が、ペットとして飼っている犬や猫をどれだけ愛しているか分かるからです。始めの補償額は500ドルでしたが、この3月に1000ドルへ引き上げました」。

25州に460万人の顧客を持つオートオーナーズ・インシュアランスと、20州に1000万人の顧客を持つファーマーズ・インシュアランスも同様の保険を販売している。ファーマーズ上級副社長のブライアン・ダウヤー氏は「顧客の63%以上がペットを飼っていて、事故の際にそれらの手当てをするのは高額になる可能性があります」という。

USA TODAY2009年5月25日付


(解説)

ペットも自動車保険の適用対象にしてしまうあたりは、いかにもペット王国のアメリカらしい。実際マイカーに犬を乗せている人は多く、運転中にそうした車とすれ違う確率は結構高い。何気なく横を見ると、半分開いた助手席の窓から顔を出した犬がこちらを見ているという感じだ。2カ所以上でしっかりと固定してあれば、トラックの荷台に乗せてもかまわない。

確かに飼い主のドライバーが事故を起こしてしまったら、ペットも怪我を負うだろう。シートベルトをしているようには見えないし、していたとしても体型的に効き目があるとは思えない。エアバッグが守ってくれなければ、フロントガラスなどに体を叩きつけられるのは必至だ。そんなときに保険会社から1000ドルが出て、動物病院へ支払う治療費の足しになるのならありがたい話には違いない。

でも、動物への補償は本来なら物的損害の対象にならないのだろうか? 自動車保険には、最低でも対人と対物補償がついている。ペット同乗保険を扱っていない保険会社の担当者は「請求できる」という。加入する保険会社にペット同乗保険がない場合には、ペットの怪我や死亡に対して対物請求をすればいいということだ。

しかし、対物補償にペットを含めるかどうかは保険会社によって違うし、州ごとにも違うという。保険の専門家によると、たとえ請求しても退けられることが珍しくないとのことだ。また、大切なポイントは、自損事故やこちらに責任のある衝突や追突事故では、自分の保険を自分に使えない点。請求できるといっても、あくまで他人のペットを怪我させてしまったときのものだ。そうなると、やはり安心の面からペット同乗保険の利用価値が出てくる。

先駆者のプログレッシブでは、このペット同乗保険を車両保険の加入者に適用している。車両保険は高額でなおかつ強制加入ではない。そのため加入率も高くないが、大切なペットが守れると思えば、オルソンさんのように他社から移ってくる人もいるだろう。ペット愛好家の心理をうまく突いたアイデアといえそうだ。

 

 


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