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夏休みに増える空巣被害、「休暇中、ご安心を」の警察サービスは奏功するか

今年に入って、フランスでは空巣の件数が12%も増えている。若い中高生の不良グループが、簡単に金銭を集めるためにやっているという。

今年の5月から、被害件数が増加しつづけている空巣被害件数。年間45万件以上になり、3分に1件おこっている計算だ。フランス人は8月に約1ヶ月の休暇を取り、田舎や海外で夏休みを過ごす人も多い。8月のパリは、シャンゼリゼ通りやエッフェル塔広場などの観光名所を除くと、街が閑散としている。住宅街は、しーんとしてがらがらだ。この時期は、空巣泥棒の稼ぎどきだ。

フランスの空巣の80%は、ドアからの侵入。鍵をこじ開けたり、扉を蹴破ったりと荒療法。一軒家だと、日本のように裏窓の一部を壊して侵入ということもあるが、空巣泥棒は、スピードが命。5分かけて侵入できなければ諦め、次の家を狙うという。家の中で物色する時間は平均20分。空巣が行われる時間帯は、午後2時から5時の間が一番多い。

長期休暇で家を留守にする場合の空巣対策は、アラーム設置、扉を鉄製遮蔽板で強化といったハード面の配備と、留守中の新聞や手紙の配達中止や転送、近所または友人に家を定期的に点検してもらうといった基本的な配慮が必要。夏休み前には、新聞、雑誌、テレビで空巣対策関連の情報が発信される。
http://www.lemag-vip.com/television/13618-zone-interdite-m6-du-28-juin-cambriolage-pendant-lete-un-vrai-fleau.html
(6月28日に民放M6で放送)

上記の警察密着取材中に、当局は少女空巣グループを逮捕した。パリ近郊で100件以上の空巣を働き、グループ内最年少の14歳の女の子が残した指紋が逮捕に繋がった。現金、貴金属、PCや小型電化製品のみをあっという間に物色して、立ち去る。

Facebookやtwitterで「バカンスで○○にいます」というコメントを書き込むと、不在を明らかにしていることになるので、twitterのように不特定多数のファンやフォロワーがいる場合は、注意が必要。

警察も、形だけは対策を実施。一週間以上不在にする場合は、近所の警察署に届けると、7月と8月の2ヶ月間、定期的に家の周りをパトロールしてくれるサービス「休暇中、ご安心を」が施行された。依頼にあたっては、休暇で出発する48時間前までに自身で出頭しなければならない。手紙や電話では受け付けてくれない。もちろん、何もしないよりはいいだろうが、20分で作業を終えてしまう空巣のプロ達の勢いをとめるのには、十分ではないだろう。

http://www.prefecture-police-paris.interieur.gouv.fr/prevention/operation_tranquillite_vacances.htm

 

 


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