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米国景気は回復の道筋に乗ったのか? 米エコノミストらの分析

 (記事概要)

 米国経済は第三四半期に予想されたペースよりも緩やかとはいえ、成長を遂げている。だが、多くのエコノミストは、この経済成長は年内に終わりになると考えており、失業率にどれだけ早くインパクトを与えるのだろうかとの疑問も増えている。

 商務省は、米国の国内総生産が今年7─9月にかけて2.2%成長したことを明らかにした。成長率は2度にわたって下方修正されている。最初は10月に出された3.5%、次は11月の2.8%だ。しかし、4連続四半期で落ち込みを見せた後のプラスの数字だけに、経済は回復基調にあるように思える。

 「私たちは恐慌に近い場所にいた昨年の超悲観的なとき以来、長い道のりを辿ってきた」。HISグローバルインサイトのエコノミスト、ブライアン・ベテューヌ氏はそういう。彼は、過去3カ月のGDPが4%成長したと予想している人物だ。

 もう一つの勇気付けられる兆候は、全米不動産業協会の発表した、11月の中古住宅販売が3カ月連続となる7.4%増加したことだ。このことは住宅市場の下げ止まりがもうすぐやってくる期待を抱かせる。

 小売販売も10月と11月に勢いを見せ、年末商戦に向けた強固な販売の期待を上昇させた。また、11月の全米の失業率が10%、カリフォルニアのそれが12.3%とわずかな落ち込み幅に落ち着いたことは、雇用市場も回復に向かうのではないかとの予兆を与える。

 もう経済はスパイラル状に急降下しないとはいえ、どのくらい強く回復するのかは依然としてはっきりしない。「われわれはカリフォルニアと全米の景気の両方で、(メインストリートではなく)横道を運転することになるだろう」。カリフォルニア州立大学バークレー校のエコノミスト、バリー・アイケングリーン氏はそういう。彼は、2010年のGDPが失業率を押し下げるだけ十分に回復しないことを恐れている。ベテューヌ氏が考える来年のGDP予測は2─2.5%で、「ハーフスピードの回復だ」という。

 12月23日付け サンフランシスコクロニカル紙

 

(解説)

 米国景気は底を見たのか。それともまだなのか。これにはいろいろな見方がある。サンフランシスコ大学教授で起業家でもあるジョン・フィッシャー氏は、住宅建設需要とテクノロジー分野の成長は予想以上を記録しており、これらは失業率を予想よりも早く改善するだろうと分析する。

 実際、カリフォルニア州の住宅市場の低迷は、すでに底を打ったとする人もいる。チャップマン大学経済研究所でディレクターを務めるエスマエル・アディビ氏もその一人。州内の建築業者は来年、新たな住宅工事の登録を増やすだろうと予測している。

 さらに明るい材料として、プライスウォーターハウス・クーパースが先ごろ発表した統計によると、9─12月に新たに株式公開をした企業数は上昇している。こうした材料が投資資金を抱えるベンチャーキャピタルの動きを活発化させ、ひいては起業活動が再び盛んになる弾みとなる可能性がある。

 一方、楽観するのはまだ早いとする見方も強い。全米産業審議会の主任エコノミスト、バート・アーク氏は、失業率の高さが改善されない限りは、景気回復の足取りはなかなか進まないとみる。米国の経済活動のうち7割は個人消費が占めるためだ。

 また、不良住宅物件の数字が依然として改善されないのも気がかりだ。住宅ローンの支払いを延滞しているか、払えずにフォークロージャー(差し押さえ)物件となってしまっているものが減らない限りは、景気回復に向けた足取りを引っ張ることになりかねない。そもそも現在の住宅市場の回復は、住宅ローンの返済を軽減するなどの内容を盛り込んだ政府の支援プログラムによるところが大きく、市場本来の回復力はまだ起きていないとの分析もある。

 しかし、なんといっても企業の活力が景気回復には欠かせない。この点、中小企業局はスモールビジネスへの貸付金の助成金制度を延長するなど、銀行貸し付けの厳しさから企業が倒産しないよう支援を施す構えを見せている。

 年末商戦もゴールを迎え、年明けの新たなスタートを切る時期に来ている。長いトンネルを抜けて2010年こそは良い景気に恵まれるよう、米国民は期待を寄せているところだ。



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