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今改めて注目されるLinkedInのビジネスSNSとしての優位性

http://www.pcworld.com/article/186989/job_seekers_watch_your_walls_employers_check_facebook.html

1月17日、米国PC Worldの記事に寄ると、CareerBuilder.co.ukに登録する53%の企業担当採用者/雇用主がFacebookなどのソーシャルネットワークサイト(以下SNS)を利用して、採用者候補を選んでいるという事実が分かった。同サイトによれば、43%がサーチエンジンなどを使い、自社に合う人間を探したり、また12%がFacebookを、さらに他の12%はLinkedInを好んで候補者の職業履歴などを確認しているという。また5人に2人の雇用主は、SNSに書き込まれた内容を見て、候補者の採用を取りやめたと言っている。

CareerBuilderヨーロッパの代表ヤシン氏は、「SNSは、2010年の職探しにおいて、重要なネットワーキングツールになる。そして個人のブランド力をインターネットを通じてアピールするための素晴らしいツールとなる」とコメント。SNSを利用して、各個人がプロフェッショナルとしてのイメージアップなどを計ることがより進展するのではないかと予測する。

一方で、28%の雇用者(雇用主4人に2人)が、SNSに会社や他の従業員に関する中傷的なコメントを書き込んだのを理由に、従業員を首にしたことがあるという事実も判明している。

Facebook、TwitterなどのSNSは、なんといってもその手軽さ、気軽に書き込めるところが多くの人に受け入れられているが、気持ちが赴くままに書き込んでしまいやすい。しかし考えてみれば、あくまでも自分以外の人に見られていることを忘れてはならない。手元の日記に書くというレベルでは済まないのだ。世界中に自分の思いが伝わってしまう可能性がある。

http://www.geekologie.com/2009/08/how_to_lose_your_job_via_faceb.php

こんな記事を発見した。Facebookに書き込んだ情報のために、危うく首になりそうだったある女性。他にも、SNSのコメントがきっかけとなり仕事を失った人は、実はすでに世界中に多数いるようだ。

そんな中、2010年に入り、改めてLinkedlnが重要視されはじめた。Facebook、MySpace、Twitterと違い、LinkedInはビジネスプロフェッショナル向けに作られたSNS。誰でも閲覧可能な履歴書のオンライン版といっても過言でない。Monster(www.monster.com/) やHotJobs(hotjobs.yahoo.com/) などのいわゆる「職探しサイト」に履歴書を書き込むのは、あからさまに転職活動をしているようで、ビジネスパーソンとして気が気でない場合もある。かといってエージェントを通して動くのもなかなか難しい。

だがLinkedInはあくまでもSNS。職探しだけでなく、現在の仕事上のプロジェクトパートナーや下請け、未来のビジネスパートナー探しなどの多目的なツールとして存在するため、たとえ転職を考えている人にとっても、周囲に気兼ねなくプロフィールを載せられる。また、あくまでも過去と現在の人間関係を保つツールとして使用するのもよし。基本的にはこれまでの経歴や履歴をさらっとまとめて書いているものだからだ。

http://www.emqus.com/index.php?/emq/article/forget_facebook_and_twitter_for_b2b_its_all_about_linkedin_7617

上記サイトでは、LinkedInがFacebookやMySpaceと違い、いかにビジネス上に置ける人間関係構築に特化しているかが書かれている。

2002年に構築された同サイトは、2009年10月時点で200カ国に及び、50億人が登録するビジネスSNSとなった。ただし、現在LinkedInは英語版のみ。多くの日本人もメンバー登録しているものの、やはり英語が得意、または海外とのビジネスチャンスを視野に入れた人に限られている面もある。(http://www.linkedin-jp.com/

もともとは、仕事上やこれまでの学歴で出会った重要な人たちとの関係を保ち、ビジネス上で信頼出来る人間関係を構築するためのツールとして作られたLinkedIn。同サイトのプレスリリースには、現在中国売上高2億ドル以上企業「JMF International Trade Group」のオーナーであるジェイムス・フィルバード氏の成功物語が紹介されている。それによると、フィルバード氏は、なんと現在LinkedIn経由で75%の新規クライアントを獲得しているというのである。(http://press.linkedin.com/China75

LinkedInには他にも、Yahoo!やGoogleが持つような機能、例えばLinkedIn AnswersやLinkedIn Groupなど、コミュニケーションツールとして役立つものがあり、またキャリア関連について言えば、「Jobs」のコーナーを見ると、LinkedInのプロフィールをどういった企業の人が閲覧したかなどを具体的に知ることができる。つまり、どんな人が自分に興味を持って履歴書を見たかということを知ることができるのだ。ビジネスオーナーやマネージャークラスの人たちにとっては、LinkedInの書き方一つで、プロジェクトや企業の効果的なセールスプロモーションになる可能性もある。(もちろんGoogleなどの検索サイトにも、LinkedInの情報は一つのウェブページとしてヒットする)

現在まだ日本語版がないとはいえ、グローバルな社会への進出を考えた場合、試行錯誤でもLinkedInにプロフィール紹介をする価値は十分にあるのではないか。日本国内におけるLinkedInの発展が、今後楽しみである。

 

【編集部ピックアップ関連情報】

○シリコンバレー流投資日記  「日本語でLinkedIn!」 2009/03/11
 LinkedInは実は、2003年の設立まもなく、設立時のCTOをたまたま
 知っていた関係でためしに入ったのだけど、「ほんとに役に立つ」と
 感じたのは最近。これってファックスの普及時と同じで、みんなが使って
 (少なくとも米国のビジネス関係者では)始めて、使いでが良く
 なるんでしょうね。
http://d.hatena.ne.jp/Chakoando/20090311/1236750134


○digital divide(デジタルデバイド)に負けない 2009/06/15
 「ケイレキ.jpは日本語版facebook or Linkedinになり得るか」
 OpenIDと言う概念もSNSが増えたこの時代にとって、SNS上にいる知人を
 探せるので相当有益なものだと思いますが、やっぱり本名を公開する。
 それが一番手っ取り早いのだろうか。そういう意味でケイレキ.jpは
 貴重かもしれない。今後の成長に期待したい。
 ケイレキ.jpに限らず「WEB上に名刺を持つ」みたいな概念は貪欲に人と
 出会う上では大事なのでは無いだろうか。
http://ameblo.jp/digitaldivide/entry-10280694722.html


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 情報の点と点を結びインテリジェンスに変換。書籍やウェブ検索では
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 http://mediasabor.jp/interview.html

これまで配信した音源サンプルをオトバンクの下記サイトにて聴取することができます。
 http://www.febe.jp/podcast/mediasabor/talk01.html

■これまで収録した対談の中から下記の3本をピックアップして、CD3枚組みの形で、
 抽選で5名の方にプレゼントするという企画を実施中です。

▼ 梶原しげる(フリーアナウンサー)---永江朗
 常識を破壊する「濃いしゃべり」で結果を出せ
http://mediasabor.jp/2009/11/post_721.html

▼森谷正規(技術評論家)---永江朗
 「戦略の失敗」から学ぶ日本製造業の経営 
http://mediasabor.jp/2009/12/podcast.html

▼三浦展(カルチャースタディーズ研究所 代表、マーケティング・プランナー)
   ---河尻亨一
 増殖する「シンプル族」のライフスタイルと消費性向
http://mediasabor.jp/2010/01/post_740.html


応募締め切りは1月31日、当選者数は5名です。
応募方法は、オトバンクのオーディオブック配信サイト
「Febe」内の下記「ロングインタヴューズ」のページに
応募フォームへのリンクがありますので、必要事項を入力して
応募してください。
http://www.febe.jp/podcast/mediasabor/index.html

 

<2010年2月以降配信予定の対談>

▼宮永博史 プロフィール
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1956年生まれ。
79年東京大学工学部電気工学科卒、MIT大学院修了、米ペンシルベニア大学などで集中コースを経て同年日本電信電話公社(現NTT)に入社。
武蔵野と厚木の電気通信研究所で通信用デバイスの研究開発に取り組む。
その後日本AT&Tベル研究所や日本ルーセントテクノロジーを経て96年SRIインターナショナル入社。同社で情報・通信分野の企業変革、事業戦略、ベンチャー支援などコンサルタント業務に従事。2000年、デロイトトーマツコンサルティング(現アビームコンサルティング)統括パートナーに就任。2004年から大学院教授として専門職社会人の教育に携わる。技術マーケティングや事業化戦略などを専門とする。

主な著書に「成功者の絶対法則 セレンディピティ」(祥伝社)
「技術者のためのマネジメント入門―生きたMOTのすべて―」(共著=日本経済新聞社)
「顧客創造 実践講座」(ファーストプレス)、「理系の企画力!」(祥伝社)など。
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    インタビュアー ---本田雅一(テクニカルジャーナリスト)


▼櫻井孝昌 プロフィール
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1965年 東京生まれ。
早稲田大学政治経済学部卒業後、出版社にて書籍編集に携わる。その後、数多くのウェブやモバイルサイトの企画、プロデュース、ディレクション、あるいはアーティストや映画監督、ビジネスリーダーと組んだイベントのプロデュース、モデレーターの実績も多い。現在、企業や官公庁の事業企画、イベントプロデュースなどと並んで、世界における日本アニメやファッションの立ち位置や外交上の意義について研究。世界各地で、講演やイベント企画といった「ポップカルチャー外交」活動を推進。外務省のポップカルチャー全般に関するアドバイザーも務める。
著書に「アニメ文化外交」「世界カワイイ革命」がある。
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   インタビュアー---宮田理江(ファッション・ジャーナリスト)


▼神保哲生 プロフィール
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1961年 東京生まれ。
15歳で渡米。
コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。クリスチャンサイエンス・モニター紙、AP通信など米国の報道機関の記者を経て1994年独立。1996年4月、ビデオニュース・ネットワークを設立し代表に就任。以来、テレビ朝日『ニュースステーション』、TBS『筑紫哲也ニュー ス23』、NHK『ETV』、米ABC、PBSテレビなどに向けて100本を超えるリポートやドキュメンタリーを提供。2000年に日本初のニュース専門インターネット放送局「ビデオニュース・ドットコム」を設立し、代表に就任。現在も第一線で取材を続ける。著書に「ビデオジャーナリストの挑戦」 「漂流するメディア政治」 「ツバル 地球温暖化に沈む国」など。
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   インタビュアー ---永江朗(ライター)


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