Entry

ついにGoogle がSNSに殴りこみ。圧倒的なコンピューティングパワーを背景にした新サービスBUZZはSNSの地図を塗り替えるか?

2010年の米国インターネット事情で、二つの事が鮮明になった。一つは、かつてネット界の中心的存在だったブログのユーザー人口が減少傾向にあること。もう一つは、facebookやtwitterに代表されるステイタス・アップデイト(今何をしているかを友人達に知らせるサービス)が大流行していることである。今日食べたランチのメニューから、仕事の進行状況、人生の嘆きまで、様々なTweetが画面上に並ぶご時勢、読むのも書くのも手間のかかるブログなんぞは時代遅れという訳だ。

こうした中で、巨人Googleがついに腰をあげ、SNS分野に参入してきた。圧倒的なコンピューティングパワーを背景に、満を持して送り出すGoogle Buzzである。本稿が出る頃には実際に稼動しているだろう。その基本形は、先行するtwitterと同様のステイタス・アップデイトなのだが、追いかける側の付加価値はしっかりと持っている。Buzzは、Gmailと連携した形で提供され、アドレス帳のメンバーは自動的にBuzz友になる。一から友人を探し出す手間が省けるわけで、後発SNSのデメリットを解消している。写真やビデオを添付する事もできる。街で見かけた面白いポスターを携帯でパチリと撮影し、コメントを付けてフィードしたり、YouTubeのビデオをリンクさせたりすることが可能だ。

面白いのは、Googleの強みであるGoogle mapとのリンク機能。内蔵GPSの位置情報をアップし、ユーザーの現在位置をマップ上に表示できるのだ。自分の現在地とともにメッセージを送れるのだから、待ち合わせなどに威力を発揮しそうだが、位置情報が公開されることは、プライバシーの面でかなり問題がありそうだ。ストーキングなどの犯罪を誘発する事も十分考えられるのではないか。これに関してGoogle側は、ユーザー側が公開する相手を限定する、あるいは機能をオフすることにより危険は回避できるとしているが、悪用されるポテンシャルを孕んだ機能であることには変わりない。実用化後しばらくは議論されることになるだろう。

様々な付加価値を加えて先行SNSに勝負を挑むGoogleだが、もしBuzzが成功すれば、そのマーケティングパワーはさらに強力になる。ご存知の通りGmailはメールの内容をスキャンしてマーケティングに利用しているが、昨今のtwitterをはじめとするマイクロブログの流行により、コミュニケーションのかなりの部分はSNSに移ってしまった。Googleにすればマーケティング素材の宝の山を指をくわえて見てるしかなかったわけだが、ここに直接参入してメインストリームになる事ができれば、まさにGoogle王国は磐石である。
こうした意志の表れかどうか、Buzzのアップデートはtwitterにエクスポートされるものの、twitterからのインポートはできない。これについてGoogle関係者は、今後は付加する事もあり得ると語っているが、最初にサポートしなかった意味は明らかだ。twitterの牙城を切り崩してやろうというGoogleの意思が見え見えである。利用者の減少が指摘されているtwitterだが、老舗の暖簾を守りきれるか?


【編集部ピックアップ関連情報】

○ZDNet Japan 2010/02/17
 「Google Buzzの狙いはTwitterに留まらず
  --マイクロソフトのSharePointも標的に」 
 Google Buzzが企業での使用に耐えられる製品になった暁には、その影響は
 多大なものとなる可能性がある。企業は、Buzzを採用することで、
 SharePointのライセンス料を削減するという選択肢を手にすることも
 考えられるわけだ。すべての鍵はコラボレーションにある。
http://japan.zdnet.com/news/internet/story/0,2000056185,20408519,00.htm

○Tech Wave 2010/02/10
 「Google Buzzモバイル版が目玉!音声版Twitterだ」
 今後の追加機能の中でも特に注目は音声入力だ。Googleの音声認識技術は、
 たとえ曖昧な発声であったとしても、最も可能性の高い単語、フレーズを
 データベースの中から探し出してテキストに変換する仕組みになっている。
http://techwave.jp/archives/51391749.html



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ■新時代の有料オンライン音声ビジネス対談「ロングインタヴューズ」PR■

   ──ネット上で、リアルセミナーに匹敵するインテリジェンスを提供──
                     http://mediasabor.jp/interview.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ビジネスポッドキャスト『ロングインタヴューズ』はビジネス、メディア、
カルチャーの分野で活躍する厳選のゲストに、テーマに適した熟練の
インタビュアーが対峙し、経験や智恵、生き様をトコトン引き出す
真剣勝負の場です。肉声だから伝わり方が違います。

時代の潮流を考慮した綿密なゲスト講師の選定に加え、資料収集や
打ち合わせなど、入念な事前準備を重ねることでテーマを深堀し、
テキスト情報では伝わりにくいインサイトも肌感覚で捉えやすくなるような
番組作りを行っています。そのため、経営戦略、マーケティング、
商品開発、企画、人材活用・育成などの面で、ビジネスのブレイクスルーを
生み出すヒントやアイデアが満載の内容になっています。

継続して聴取いただくことにより、自ら考え企画し、行動を起こす
自律型ビジネスパーソンになるための強力な武器になります。

書籍を読む時間、学習する時間、セミナーに参加する時間がとれない人に
とっても、音声だから移動時間を有効に使え、無理なく継続できます。
ぜひ、一度、お試しください。


 ◆番組の詳細な案内は下記ページをご覧ください。
  ⇒  http://mediasabor.jp/interview.html

これまで配信した音源サンプルをオトバンクの下記サイトにて聴取することができます。
http://www.febe.jp/podcast/mediasabor/talk01.html

会員登録はオトバンクの下記サイトからおすすみください。
http://www.febe.jp/podcast/mediasabor/index.htm

 

 

 


  • いただいたトラックバックは、編集部が内容を確認した上で掲載いたしますので、多少、時間がかかる場合があることをご了承ください。
    記事と全く関連性のないもの、明らかな誹謗中傷とおぼしきもの等につきましては掲載いたしません。公序良俗に反するサイトからの発信と判断された場合も同様です。
  • 本文中でトラックバック先記事のURLを記載していないブログからのトラックバックは無効とさせていただきます。トラックバックをされる際は、必ず該当のMediaSabor記事URLをエントリー中にご記載ください。
  • 外部からアクセスできない企業内ネットワークのイントラネット内などからのトラックバックは禁止とします。
  • トラックバックとして表示されている文章及び、リンクされているWebページは、この記事にリンクしている第三者が作成したものです。
    内容や安全性について株式会社メディアサボールでは一切の責任を負いませんのでご了承ください。
トラックバックURL
http://mediasabor.jp/mt/mt-tb.cgi/1226