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米国メディアが騒ぎ出したビデオチャットのロシアンルーレット

2009年11月に登場したビデオチャットのサイト“Chatroulette(チャットルーレット)”が、全米でにわかに注目を集めている。今年2月に、New York Magazine誌、ABC局、New York Times紙、CNN局などメジャーなメディアが、立て続けに同サイトを紹介した。

Chatrouletteのウェブサイト:
http://chatroulette.com/

2月5日付New York誌記事へのリンク:
http://nymag.com/news/media/63663/

2月13日付ABC記事へのリンク:
http://abcnews.go.com/Technology/chatroulette-talking-strangers-internet/story?id=9822879

2月13日付New York Times記事へのリンク:
http://bits.blogs.nytimes.com/2010/02/13/chatroulettes-founder-17-introduces-himself/

2月24日付CNN記事へのリンク:
http://edition.cnn.com/2010/TECH/02/22/chatroulette.random.chat/index.html?hpt=C1

Chatrouletteでは、ランダムに選ばれた相手とビデオチャットができる。サイト上のカウントによれば随時2万人以上が、オンラインで参加している。モスクワの高校生(Andrey Ternovskiy、17歳)が立ち上げただけに、いわば“チャットのロシアンルーレット”といったところだ。

Chatrouletteに参加するのは至って簡単である。必要なのはウェブカムのみ。登録しなくても、すぐに始められる。サイトにアクセスし“Play”をクリックすると、左画面にチャット相手の画像が表示される。相手が気に入らなければ“Next”をクリックする。逆に、相手に気に入られなければ、相手の方が“Next”をクリックする。

CNNでは、Campbell Brownがキャスターを務めるニュース番組の企画で、2人の番組スタッフが実際にChatrouletteを試し、ユニークな報告をしている。

CNN“Campbell Brown”報道へのリンク:
http://www.cnn.com/video/#/video/bestoftv/2010/02/26/cb.chatroulette.cnn

中年男性スタッフGraham Flanaganは、「チャットに表示される半分以上がひどい内容で、5から6人に1人が“不適切な行為”をしている」と、嫌悪感を示している。「マーティン・スコセッシ監督の『シャッターアイランド』も後味が悪かったが、Chatrouletteはもっとひどい」というコメントが印象的だ。

一方、若い女性スタッフLiz Haydenは、「男性の参加者が多いので女性には(出会いの)チャンスかもしれない」と発言。誰がチャット相手になるかわからないドキドキ感があって“病み付きになる”と、やや前向きにフォローしている。

Chatrouletteの利用規約は実にシンプルだ。1つは“16歳以上でなくてはならない”。もう1つは“わいせつな映像を許さない”。ただし、これら規約には、何の拘束力もない。“不適切な映像”をレポートする機能もあるが、相手が接続を切ったり、自分が“Next”をクリックしたりすると情報が残らないため、事実上レポートは機能しないとも言われている。

もともと高校生が遊びで考えた手軽なシステムだけに、今後も多くのティーンエージャーがChatrouletteに参加するはずだ。ただし、子供が羽目をはずし過ぎないように、親はしっかり監視しなければならない。

ユーザーの大半は英語で会話するので、日本人にとっては英会話の勉強になるだろう。また、画面にはおバカな人たちがたくさん登場するので、お笑い番組のネタになるかもしれない。Chatrouletteには、危険な要素もあるが、ポジティブな要素もたくさんある。

メジャーなメディアで取り上げられたことにより、今後Chatrouletteのユーザーは急速に増加するものと思われる。いずれ、わいせつ映像をめぐる問題も発生し、何らかの事件が起こるかもしれない。チャットのロシアンルーレットで“撃ち抜かれる”のは果たして誰なのか? 今後の報道に注目したい。

 


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