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砂糖やアルコールから作る家庭用エタノール製造装置が登場。自宅で給油してエコドライブ

 砂糖や飲み残したアルコールを使って自動車の燃料となるエタノールが作れ、給油まで出来る家庭用エタノール製造マシンをシリコンバレーの会社が売り出した。ガソリンが高騰するなか、話題を集めている。

 カリフォルニア州ロスガトス市で昨年創業したE-Fuelコーポレーションは、従業員約30人のベンチャー企業。同社が発売するEFuel100 MicroFuelerは、家庭でエタノール燃料が簡単に作れる世界初の装置。

 この装置では、作ったエタノールをポンプにより、そのまま自動車に給油できる。そのため、見た目はガソリンスタンドにある給油機のような形をしている。重さは約100キログラムあり、庭の空きスペースなどに設置が可能。巻き取り式の15メートル給油ホースが付いているから、車庫から多少離れていても大丈夫だ。

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 エタノールを作る作業は簡単。原料として、砂糖やイースト菌、またはビール、ワイン、日本酒などのアルコール類、それに水を用意する。装置を家庭用のコンセントにつないで原料を発酵タンクに放り込んだら、操作パネルの発酵オプションを選ぶだけ。原料の違いによって砂糖モードとアルコールモードの2つがあり、お互いに混合はできない。

 アルコールなら250ガロンまで注ぎ込める。水は5ガロンのエタノールを作るために約24ガロンが必要。1日の電力消費量は150ワット程度。砂糖4.5キロ─6.4キロから1ガロンのエタノールができる。

 ボタンを押したら、後はエタノールができるのを待つだけ。5─7日で35ガロンのタンクが一杯になる。乗用車のガソリンタンクは15ガロン前後なので、2回満タンにできる計算。ガロンあたりの燃費を20マイルとすると、700マイル走行分の燃料をカバーできる。これは、平均的米国人が20日程度で消費するガソリン量に相当する。

 1 ガロンのエタノールを作るために必要な砂糖のコストは2ドルから2.4ドル程度。米国では、南部地方を中心にエタノールを85%含むE85燃料が1ガロンあたり3.10ドル前後で売られている。これと比較しても、この装置で作る自家製エタノール燃料にはコストメリットがある。

 EFuel100 MicroFuelerは9995ドルで販売されることになっているが、米国ではエタノールのタックスリベートが適用されるため、総額は6998ドルになる。また、同社が展開するカーボン・クレジット・クーポン・プログラムを利用すると、エタノール製造コストは1ガロンあたり1ドル以下まで下がる。アルコールを原料とした際には、1ガロン当たり10セント以下になるという。

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 アルコールが原料になることから、E-Fuelではバーなどと共同プロジェクトを始めている。レストランやバーが年間に捨てる客の飲み残したアルコールは数千ガロンに上るといわれ、エタノール製造に有効活用できるからだ。

 家庭でエタノールを作ることは法律に触れないのだろうか。同社によると、米国はもちろん、ほとんどの国で合法化されている。米国の場合、財務省が年間1万ガロン以下のエタノール製造者に対して、製造許可を無料で与えているという。

 ちなみに、100%のエタノール燃料で公道を走ることは米国では認められていない。EFuel100 MicroFuelerを合法的に利用するためには、ガソリン混合モードを使ってエタノールを作るか、もしくは給油時に自動車のタンクへ多少なりともガソリンを混ぜることが必要となる。ただ、実際には100%エタノールを使用したとしても、抜き打ち検査でもしない限りは確認の方法がないだろう。

 米国では、各自動車メーカーからE85が使用可能なエタノール燃料対応車が発売されているが、未対応車のほうが多い。ただ、未対応車にエタノールを給油してもエンジンに特段の悪影響はないともいわれ、実際にエンジンを分解したビデオもYouTube上にアップされている。

 また、燃料噴射装置に配線を接続するだけでエタノール燃料対応車となるコンバージョンキットが2─3万円で発売されている。ハイブリッド車のオーナーなど燃料コストに関心の高い人たちにとっては、こうした装置の利用価値は高いはずだ。

 

【編集部ピックアップ関連情報】

○ITmedia News  2008/05/10
 砂糖からつくるエタノール燃料の「自家用スタンド」登場
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/10/news008.html


○ロサンゼルスインフォ代表YOHEIのアメリカ起業日記
 「家でガソリンを作る機械!」 2008/05/12
 単純に考えて、これ自分が買うならお隣さんとかも巻き込んで
 10家庭ぐらいで買う。1000ドルぐらい出しあってね。
http://blog.los-info.com/article/14865782.html


○好き。 家庭用エタノール燃料製造機「マイクロフューラー」2008/05/12
 「米企業が自家製エタノール燃料製造装置を開発」というニュースの
 見出しをみて、パッと思い出したのは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
 です(笑)。あの、生ゴミ等を燃料タンク(?)に放り込んでいたやつ。
http://kei.txt-nifty.com/suki/2008/05/post_dc5f.html


○なんで?どぉして?  2008/05/10
 「家庭用バイオエタノール製造装置が発売(米国で).....
  日本だと導入できるのかな?」
 ホンダとRITEが開発しているという食料以外の植物性原料(稲藁とか、
 木屑とか....今までなら廃棄されていたような部分)からエタノール
 を低価格で得るという技術の開発を加速させたほうが良いのでは....
 などと思ってしまいます。
http://cha-mame.at.webry.info/200805/article_5.html

 

 


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