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カリスマ・フリーターが立ち上げた“世界一の雇用者コンテスト”

 アメリカでかつて話題を呼んだフリーターが、オンライン上で“自分を6カ月間雇用する権利”を競うコンテストを立ち上げ、再び注目を集めている。

 コンテストのタイトルは“Greatest Employee of the World(世界一の雇用者)”。自分が職を探す代わりに、自分を採用したい企業を募って審査するというのだ。失業率9.7%(米国労働省2010年2月のデータ)で買い手市場のご時勢に、なんとも強気な提案である。

Greatest Employee of the Worldウェブサイトへのリンク:
http://greatestemployeeintheworld.com

Greatest Employee of the World Youtube映像へのリンク:
http://www.youtube.com/watch?v=QcaZ7bBaqNU

 

 職探しを大胆にも世界に向けたコンテストに変えてしまった人物は、カリフォルニア州フレスノ在住のブレット・ローザヴィルさん(29歳)。カリフォルニア大学デイヴィス校でデザインを学び、2002年に卒業。ディズニーランド・リゾートで小道具やセットの制作を担当したこともあるという経歴の持ち主だ。

 実はローザヴィルさんは、アメリカではちょっとした有名人である。2007年にAmtrekker.comというユーモアあふれるサイトを立ち上げ、CNN、ABC,FOXなどテレビで取り上げられて全米の注目を集めたのだ。彼のTwitterには、すでに1,600人のフォロワーが登録されている。

Amtrekker.comへのリンク:
http://www.amtrekker.com/

 Amtrekker.comでは、“ホットドッグ早食いコンテストに参加する”、“エンパイアステートビルの屋上まで階段で上る”など50の目標が掲げられている。それぞれの目標がクリアされるごとに、その様子を収録した映像がアップされる。この企画によってローザヴィルさんは、自らの企画力や行動力を証明したと言える。

 “世界一の雇用者コンテスト”は、そんなローザヴィルさんが2010年2月23日に開始した次なる企画である。彼を採用したい企業は、仕事内容と1分間のアピール用ビデオをオンラインで提出する。ビデオは随時サイトにアップされ、画面左上のボタンで一般視聴者による“グッド”もしくは“バッド”の判定にかけられる。

アピール用ビデオがアップされたサイト:
http://greatestemployeeintheworld.com/category/jobentry/

 4月23日までに判定の良かった上位10社は決勝ラウンドに進出。そこで一般投票によって、さらに4社に絞られる。その4社からローザヴィルさんが独断で1社を選び、5月中に“世界一の雇用者”が発表されるのだ。選ばれた企業には、ローザヴィルさんの6カ月間の勤務に加えて、彼のブログ(毎日)やミニドキュメンタリー(毎週)に取り上げられるという特典も与えられる。

 企業は、コンテストに参加することでサイトを通じて無料でPRが出来る。ローザヴィルさん自身も、人々の注目を集めキャリアアップが図れる。“世界一の雇用者コンテスト”は、アイデアマンであるローザヴィルさんが考案した、いわば実験的なマーケティング戦略なのだ。

 3月1日にCBSのニュースで取り上げられた効果もあって、コンテストのサイトには毎日600から1,000件のアクセスがある。ただし、企業側は慎重だ。エントリーの映像を一般公開する代わりに、直接ローザヴィルさんに仕事のオファーをする企業も多い。

CBSニュースへのリンク:
http://www.cbsnews.com/video/watch/?id=6256352n

 コンテストで決定したら「シベリアへ行って溝を堀ってもいい」と豪語するローザヴィルさん。日本からのエントリーも大歓迎だという。予選ラウンドの締め切りは4月23日。カリスマ・フリーターの運命やいかに?



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 <徐 向東>プロフィール
 北京外国語大学講師の時代、文部省奨学金で立教大学博士課程に留学、博士号取得。日本労働研究機構(現、独立法人労働政策研究・研修機構)研究員、中央大学および専修大学(兼任講師)、日経リサーチ主任研究員、首席研究員、上海事務所総監、キャストコンサルティング株式会社社長を経て、中国市場戦略研究所代表就任。 
 日経リサーチ時代から、中国での調査やコンサルティングに従事。03年2月17日日経新聞経済教室欄に「中国“新中間層”の台頭」を発表。消費市場としての中国新中間層への注目を日本で初めて提起。自動車からIT、飲料、観光、ファッションまで幅広い分野での中国市場戦略サポートの実績を持つ。著作に『中国で売れる会社は世界で売れる』、『中国人に売る時代!』がある。
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 2. ゲスト:吉池 理  インタビュアー:神田敏晶
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 <吉池 理>プロフィール
 1973年埼玉県生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。大学在籍中からNHKおよび民放のテレビ制作現場に携わる。卒業後はフリーディレクターとして各放送局にてテレビ番組制作に関わる。
 その後米国シアトルに留学。留学中は学生兼起業家としてウェブデザイン・ウェブマーケティングコンサルテンング業に従事する。
 日本帰国後は米国での仕事をそのまま引き継ぐ形で再起業。中小企業診断士資格を取得後、テレビ媒体を中心とするPRコンサルティングファームを創業。
 一部上場企業から外資系企業、ベンチャー企業まで、テレビ媒体へのPRを希望する企業や団体を多数クライアントとして抱える。
 著書に「テレビであなたの商品・会社をPRするとっておきの方法」「ウェブPRハンドブック」がある。
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