Entry

twitterでブランド(企業)への注目を集める6つの使用法

(記事要約)

米国の飛行機会社ジェットブルーとユナイテッド航空は、特別割引席を、現在話題のコミュニケーションネットワークシステム「Twitter(ツイッター)」を利用して販売を開始したと発表した。これまで、90年代から会員に対して定期的にEメール配信により特別割引席を販売しているジェットブルーは、「時代に即した顧客とのコミュニケーションツール」として、今回ツイッターを利用することになったと発表。

7月6日、ジェットブルーは「ニューヨークJFK空港→マサチューセッツ州のナンタケット」の片道チケットをなんと$9で販売するとツイッターに書き込んだ。ナンタケットは、マサチューセッツ州に属する小さな観光島で、有名なリゾート地でもある。チケットは、販売日の週末と翌週末の分のみ。発売開始から8時間の限定販売をしたのである。

ジェットブルーのスポークスマン、モーガン・ジョンストン氏によると、「こうしたツイッターを使い、安い航空券をランダムなツイッター視聴者に販売することで、空席を埋めるという目的以外に、新たな顧客をもたらしてくれると考える」とコメント。

またユナイテッド航空は、「tware(ツウェアー)」として知られるツイッター専用価格を設定、5月からツイッター上で販売を開始している。通常1、2時間で完売してしまうため、ジェットブルー同様、旅行者は即決、即断を求められる。ユナイテッド航空のスポークスマン、ロビン・ウルバンスキ氏によると「ツウェアーのチケットは顧客を驚かせるためのもの」という。

今後も多くの航空会社は、Eメールによる販促、e-fare(Eフェアー/ネット価格)は継続して行なうという。というのも、通常多くの旅行者は、チケットを購入するまでに、何日、少なくとも何時間かは検討して決断するからである。

先述のジェットブルーのジョンストン氏は続ける。「ツイッター価格で購入するということは、人々は非常に即断即決の行動を求められているということだ。リアルタイムのコミュニケーションツールであるツイッターのために、人々は<即行動>するという非常に独特な現象が起こっている」

ツイッターはまだビジネスシーンにおいては新しい。そのため、どのような人が使用していて、どういう視聴者がいるかということについての利点が、航空会社のような大企業は把握しきれていない。そのため、現段階ではどのくらいの価値があるものか、また$9の特別割引チケットを販売する際に、Eメールを利用する方がいいか、ツイッターを利用するほうがいいのかは分からないのだ。勝負はこれからである。

8月2日/USA TODAYより
http://www.usatoday.com/travel/flights/2009-08-02-jetblue-united-twitter-airfares_N.htm


(記事解説)

ツイッター文化の発展。ここ半年で目覚ましい動きを見せている。かく言う筆者もこの春からツイッターをはじめたものの、未だにどう利用すべきか検討中で、毎日手探りであれこれ書き込んでいる。そんな中、知人のビジネスオーナーが、アトランタ在住のソーシャルメディア、PRの達人、クリスティン・ペリッシュ氏が書いた「ツイッターで、ブランドへのインパクトを集める6つの使用法」を紹介してくれた。
http://blog.ogilvypr.com/2009/06/6-ways-to-use-twitter-to-impact-your-brand/

下記がその概略。6つのキーワードである。

1)カスタマーリレーション(顧客との有効な関係を維持する体制)
2)プロダクトプロモーション&セールス(商品の販売促進と実販売)
3)イベントアクティベーション(イベントの活性化)
4)クライシスマネージメント(危機管理)
5)コーポレーションレピュテーションマネージメント(企業対面評価管理)
6)イシューアドヴォカシー(問題の権利擁護)

ツイッターの基本にあるのは「あなたは今、何をしていますか?」。それをユーザーに対して知らせると同時に、ユーザーが今何をしているかを知ることができる。そのような可能性を秘めているメディアなのである。

上の6つのキーワードの具体例を挙げてみる。例えば#4「イベントアクティベーション」について。起業家のネットワーキングイベントであるBloblive(blovlive.com)は、イベントの様子をライブストリーミングで配信。同時にツイッターを利用して、会場に来ることができなかった起業家達からの活発な意見を、生でイベントに反映させている。

また#5「コーポレーションレピュテーションマネージメント」の例としては、CEOが会社の企業文化を育てるためにはじめたケースがある。靴のオンラインショップであるZappos.comの社長、トニー・シャイは当初社員向けに企業文化育成のためにツイッターを始めたという。それが今では12万人のフォロワーを集め、社員だけでなく、顧客に対しても企業価値を伝える重要なツールとなっている。

このように、使い方次第で、無限のポテンシャルがあるメディア。米国では、新聞やテレビでさえ、ツイッターを通じて情報配信をしているほど。

http://twitter.com/Nbc :テレビ局NBC
http://twitter.com/cnnbrk : 速報専門
http://twitter.com/latimes :ロサンゼルスの新聞LA TIMES

など。ちなみにイギリスでは国営チャンネルのBBC(http://twitter.com/bbcnews)でさえ、ツイッターを利用しているが、残念ながら日本の多くのメディアにおいて、ツイッターは未開拓のようだ。

新しいメディアの利用価値は、使いこなしてこそ理解できるものだ。それには早めに手をつけること。MySpace、Facebookときて、twitterまできた現在、機能はどんどん発展し、用途も少しずつ変わっているものの、ネットを通じてのコミュニケーションツールとして、より「リアルタイム性」が重要視されるようになった。つまり世界が一瞬にして同じ情報を共有するということだ。こうしたツールを通じて、日本企業も、日本人も、世界ともっと繋がっていくことになるだろう。

 

【編集部ピックアップ関連情報】

○ITmedia News 「フォロー」「つぶやく」Twitter最初の一歩  2009/07/29
 Twitterは、「フォローする」「つぶやく」という2つの機能がキモだ。
 まず、誰かをフォローし、何かをつぶやいてみれば、自分なりの
 楽しみ方が見えてくる。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0907/29/news054.html


○メディアサボール 2009/07/01
 「メディアが変わる、メディアで変わる?! Twitterの使い方」
http://mediasabor.jp/2009/07/twitter_1.html


○メディアサボール 2009/08/10
 「美術館がtwitterアカウントを運用することで生活にアートがやってくる」
http://mediasabor.jp/2009/08/twitter_2.html

 


  • いただいたトラックバックは、編集部が内容を確認した上で掲載いたしますので、多少、時間がかかる場合があることをご了承ください。
    記事と全く関連性のないもの、明らかな誹謗中傷とおぼしきもの等につきましては掲載いたしません。公序良俗に反するサイトからの発信と判断された場合も同様です。
  • 本文中でトラックバック先記事のURLを記載していないブログからのトラックバックは無効とさせていただきます。トラックバックをされる際は、必ず該当のMediaSabor記事URLをエントリー中にご記載ください。
  • 外部からアクセスできない企業内ネットワークのイントラネット内などからのトラックバックは禁止とします。
  • トラックバックとして表示されている文章及び、リンクされているWebページは、この記事にリンクしている第三者が作成したものです。
    内容や安全性について株式会社メディアサボールでは一切の責任を負いませんのでご了承ください。
トラックバックURL
http://mediasabor.jp/mt/mt-tb.cgi/1114