家系(ルーツ)調査データベースサービスの盛況で株式上場
- 米国在住ジャーナリスト
このところ米国で、自分のルーツを探ろうと家系図を調べる人々が増えている。米国民はもとを遡れば全員移民であり、流動性が高く、日本のような戸籍制度もない。それでも1930年からはじまった国勢調査記録をはじめ、移民入国記録、土地所有記録、結婚証明書、死亡証明書、新聞記事、軍役記録など、さまざまな記録からある程度は、家系を遡ることができる。また最近ではDNAテストを組み合わせて、さらに詳しく調査することも可能になった。
こうした様々な過去記録をデータベースにし、一般の人も容易に自分の家系を調べることができるようにしたのが「Ancestry.com」というウェブサイト。月々の会費を払うことで、同社データーベースに蓄積された様々な記録にアクセスできる。この数年の不況にもかかわらず、昨年の第四4半期は利用者が17%もアップし、株式上場を果たした。
昨年秋には、ニューヨーク・タイムズ紙とAncestry.comの主任家系譜研究者のメギン・スモレンヤックさんの調査により、ミッシェル・オバマ夫人の母方曾祖父の父親トルフェス氏は、メルビニア・シールドという名で記録が残っている奴隷の少女が白人男性との間に1859年頃にもうけた混血児であったことがわかった。
また今年になって公共放送サービス(PBS)とNBCテレビが、有名人の家系を遡るというドキュメンタリー・シリーズを放映している。3月5日から放映開始となるNBCのシリーズでは、女優のサラ・ジェシカ・パーカーや、ブルック・シールズ、映画監督のスパイク・リーなどの先祖を探っていく。
すでに放送されたPBSのシリーズでは、例えば92年のオリンピックで金メダルをとったフィギュア・スケーターで日系米国人のクリスティ・ヤマグチさんは、父方の祖父のことをほとんど知らなかった。番組調査の結果、祖父の山口辰市氏は、佐賀県嬉野市出身で21歳の時に農業移民としてハワイに移住していたことがわかった。1958年に辰市氏が亡くなってからは、日本との連絡も途切れていたが、今回の調査により嬉野市にはまだ山口辰市氏の従兄弟をはじめとする親戚が健在であることがわかり、日本の親戚側も山口家から金メダリストがでていたことを知って驚いたという。
一般的には家系譜を調べて、親の誕生日のプレゼントにするといった利用法が多いようだが、もともと全員が移民の米国では、ルーツを探っていくうちに、祖先が米国に移民する前の祖国についても興味を持ち訪問するといった例も増えているそう。
さらにAncestry.comの主任家系譜研究者のメギン・スモレンヤックさんによると、過去の戦争で身元不明のままとなっている兵士や、検死局に送られた遺体で家族から連絡のない事例などでも、家系譜調査が役立っているという。
関連リンク
http://www.ancestry.com/ (アンセストリー・ドットコムのウェブサイト)
http://www.pbs.org/wnet/facesofamerica/video/episode-2-becoming-american/194/
(アメリカの顔―2月に放送された有名人の家系譜番組、PBS放送:サイトにアクセスすると音声が出るので注意)
http://www.nbc.com/who-do-you-think-you-are/
(本当の自分を知っていますか? 3月からはじまる家系譜番組、NBC放送)
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