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er社会

  • 株式会社ジャパンライフデザインシステムズ 代表取締役社長

  • 谷口 正和

■最初も「人」、最後も「人」

planに er を付ければplanner。designにer を付ければdesigner。produceにer を付ければproducer 。 createにorを付ければcreator。 er あるいはorを付ければ、何でも「人」に転換します。「er 社会」とは、最終、どんなことでも「人」がイノベーションの鍵を握ると言うことです。

人の最大の能力、それは「気づき」。個人的な気づきです。専門性を明確にし、専ら研究しつづければ、いつかハッと気づく。それが次なるイノベーションをもたらします。  

ニュートンはリンゴが落ちるのを見てはっとして万有引力の存在に気づき、ヴェーゲナーは大陸の形が補完しあっていることに気づいて大陸移動説を発見しました。映画『2001年宇宙の旅』の類人猿も、骨が武器になることに気づいたときに、原始社会の覇者になりました。コンピュータがいかに進化しても、この人の「ハッとした気づき」には勝てないでしょう。

つまり、進歩や進化を担う最先端には、常に「人」がいるのです。物事の始まりも終わりも、人が担うと言うことです。途中過程は機械やコンピュータに代わりにやってもらいましょう。


■「それは誰か」の時代へ

 「それは何か」「それはどうか」から「それは誰か」の時代へと進みつつあります。スポーツから政治、企業経営、学問に至るまで、「それは誰がやったのか」「それは誰が言ったのか」へと焦点が移りつつあります。
 
プロ野球も、メジャーへ行って大活躍する選手が登場したあたりから、球団人気から個人人気へと焦点が変わり始めました。もともとが個人技であるゴルフ、テニスなどは、タイガー・ウッズやベッカム選手に見られるとおり、最初から「誰が」スポーツなのです。 

組織支持から、個人支持への転換と言ってもいいでしょう。これは最近の政治の流れにもあっています。自民党、民主党よりも、個人としてのそのまんま東氏なのです。

タレントの世界でもピン芸人の時代と言われており、「桜塚やっくん」や「だいたひかる」などの一人芸人が急速に支持を伸ばしています。才能も能力も、分割できないインディヴィデュアルとしての個人の中にある。そういうことなのです。

ビジネスの世界では集団や組織が基本ですが、それでもチームやプロジェクトと言った個人性の強いミニ集団に分割したほうが、スピードも活力も上がります。またそれらのなかからスターやカリスマを生み出すような自由度を許容することが重要です。

匿名の集団技から個人的なプレーヤーへ、です。


■生涯学習社会もer社会

これから始まる本格的な生涯学習社会も、やはり個人がスタンダップするer社会です。

企業の中で個人性を消して生きてきた団塊の世代は、初めて個人であることを前面に出せる社会へと入りました。

個人的な特性と才能に満ちたシニアたちが、変なオジサンや変なオバサンも含めて、どっと社会へ飛び出してきます。我が一芸を見よや、我こそはこの世界の有名人だれそれである・・・。

ブログと言う、世界と直結した武器を手に入れた人々は、はじめて自分が思うがままに個人性を発揮することが出来るようになったのです。

2007年、2010年を経て、ますます社会は「er社会化」してくるでしょう。個人と個人のネットワークが、世界のありようを一変させていくでしょう。自分の専門領域を深めた消費者は、ますます企業や商品、サービスに、深い専門性を求めてくるでしょう。
 
そしてやはりこの消費者の要請に応えられるのは、自らも深い専門性に満ちた「er」たちであるはずです。本当のプロフェッショナル社会が、もうそこまで来ています。


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