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世界最大規模ドイツ・オーガニック・フェアBioFachにて(前編)

  
毎年開催される世界中のオーガニック情報、商品、関係者が集うグローバル・オーガニック・フェア BioFach。その中でもドイツBioFachは出展社数約2,200社、来客数約40,000人と世界最大規模です。

訪れるたびにユニークな新商品、新しい人々との出会い、美味しいオーガニックの試食やワインの品評会が楽しくて・・・ もちろん、最新の世界市場の統計や各地ジャーナリストとの情報交換も大切な仕事です。

今回2007年のBioFachでも興味深い収穫が沢山ありました。 まず、中国におけるオーガニック。近年、オーガニックの耕地面積が一気にトップ2に躍り出たことから、国内の市場と今後の海外での動向が注目されています。

年に4箇所で開催されているBioFachも今年から中国上海での開催が決まり、どのような商品や素材が中国をはじめアジアの市場を広げていくのか・・・。 中国のオーガニック生産量が増えたのは、消費者の食に対する意識が変わりつつあるのと、国内には農薬や化学肥料を使用しなくても、気候的にも土壌的にも十分に質の良いオーガニックを生産できる地域が沢山残っているからだそうです。

中国の人々でオーガニックに興味を持ち積極的に購入しているのは、天津、北京、上海の3都市の成功している若いビジネスパーソンとその家族、妊婦さんや子供を抱える両親、あとはお金持ちと健康志向の強い人など。 特に上海はお金持ちの数自体が増えているので、必然的にオーガニックを求める人も多いということになるとか。

大都市となると外資系のスーパー「カルフール」「ウォルマート」などが大半を占めることもあり、店内はオーガニックセクションがきちんと設けられ、手軽にしかもわかりやすく購入できるのも消費者に受けいれられやすい理由なのかもしれません。



オーガニックの価値を高めるという点、また、より品質のよい素材へのこだわり、地域貢献というメリットなどで少しずつ取り組みが増えてきたのは「フェアトレード」というスタイル。

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フェアトレードとは:出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

フェアトレード(公平貿易)は、国際的な労働、環境保護主義、社会政策の観点から、
手工芸品から農業製品まで様々な商品の取引について公正な取引を推進しようとする
社会運動である。この社会運動は主に、発展途上国から先進国に対する輸出を
運動の対象とする。
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どうせオーガニックで商品を作るなら、原料はフェアトレードのものを使用しようという動きが活発になりつつあるようです。私が使っているDrブロナーズのオーガニック石鹸も原材料の95%を07年末までに全てフェアトレードのものに変えていくとのこと。

使う側としては品質さえ同じクオリティーで保たれているのであれば、それが普通の原料であってもフェアトレードであっても構わないと私は思っているし、かえってフェアトレードのもののほうが使っていて嬉しいからますます商品に愛着が湧きます。

フェアトレードの素材に切り替えていくことは、その会社の意思表示や姿勢を見ることにもなると思います。今後、ますます多面的に本質を見抜くクオリティーコンシューマーが増えていくことを考えると、オーガニック&フェアトレードは価値あるコンビネーションとして受け入れられていくこと間違いなしでしょう。

また東アフリカ、その他の発展途上国では、ヨーロッパを中心とした先進国の協力を得てオーガニック農業を通じ、現地の人々の雇用増加、労働技術伝達、地域活性化などが実現されています。 現地の人々にオーガニック栽培、農業のありかたなどについて、専門カリキュラムにしたがってノウハウを教えることもスウェーデンやタイなどで行われ、オーガニックを通じて国家間の新しい信頼関係が築かれているようです。


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