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ロサンゼルスの「今」を描く:米国HBOの人気ドラマシリーズ「Entourage(アントラージュ) 」

<記事要約> 

4月8日より、米国HBOの人気ドラマ「Entourage」の第三シーズンがはじまった。人気若手俳優と彼の3人の“Entourage(取り巻き)”の毎日を描いた作品だが、「ロサンゼルス」という街が非常に重要な要素となっている。

というのも、この作品以外にもロサンゼルスを舞台にしたドラマは沢山あるが、アントラージュほど、レストランからショップや街の様子など、今の街をこと細かく描写しているドラマはないからだ。

シーンに登場する場所は、セレブが集う憧れのハイエンド寿司バーから、ロサンゼルスに生まれ育った“アンジェレノス”なら、一度は聞いたり、行ったりしたことのあるベーグル屋まで。

さらに注目すべきなのは、所々に南カリフォルニアの文化的背景を感じさせる台詞やロケーションがちりばめられている点。80年代のロサンゼルスを描いた作品を執筆中、の女流作家のエイドリアン・クルー氏は、「この番組ほど文化的な背景まで、今のロサンゼルスを取り巻く環境を描写している作品はない」と言い切るほどだ。

4月4日AP通信/Yahoo Newsより
http://news.yahoo.com/s/ap/20070404/ap_en_tv/tv_entourage_locations

<解説>

HBOドラマ「アントラージュ」は、2004年のシリーズ公開以来、すでに世界25カ国で放映され、また放送開始シーズンより、エミー賞やゴールデングローブ賞で多数ノミネート。2006年には、アリ役のジェレミー・ピヴェンが、エミー賞を受賞している。http://www.hbo.com/entourage/

ストーリーは、ニューヨーク出身の若手映画俳優“ヴィンセント”が、ハリウッドで強力な力を持つエージェント、“アリ”と対当に交渉をするために、ピザ屋のマネージャーだった幼なじみ、通称“イー”を自身のマネージャーに任命するところからはじまる。他の取り巻きはヴィンスの兄であり、ハリウッドで売れない俳優をしている通称"ドラマ"と、やはり幼なじみで、ドライバー兼ボディーガードの“タートル”。ビバリーヒルズの豪邸で同居する4人の、華やかなハリウッド的生活をテンポよく描いている。

このドラマは番組のエグゼクティブプロデューサーであり、オスカーノミネート俳優である"マーク・ウォルバーグ"の「経験に基づくフィクション」である点が、物語をリアルな世界へと導いている。

エージェントのアリについても、ウォルバーグの実際のエージェントであり、映画監督マイケル・ムーアのエージェントも務める“アリ・エマニュエル”氏がモデルとなっている。

情報通で押しが強く、「終りよければ全てよし」的な振る舞いをするアリこそ、競争の激しいハリウッドでたくましく生きるエージェント像のようだ。まさにこのドラマこそ、ハリウッドに生きる人々の「リアリティーショー」だといっても過言ではない。

HBOといえば、ニューヨークを舞台に4人の女性たちが主人公の「Sex and the City」というヒット番組を生みだした。時代を反映した女性たちの日常を描いていた点が人気の理由だった。そしてまさにこの「Entourage」は、男性版そしてロサンゼルス版「Sex and the City」といえる。

例えばファッション。「Sex and the City」のケリーが、“Manolo Blahnik”や“Jimmy Choo”の靴に首っ丈のように、「Entourage」ではロサンゼルスのローカルスニーカーショップ“Undefeated(http://www.undftd.com)”で販売された、Nikeの限定スニーカーを欲しがるタートルのために、セレブのヴィンセントが一肌脱ぐといったストーリーが登場。

また物語のキーとなるレストラン、カフェ、ショッピングスポット、デートスポットなど、まさにロサンゼルスの今話題の場所ばかり。男性のストーリーだけあって、車やゲームも豊富に登場する。

ハリウッドを舞台に、エンターテイメントの頂点に立つ人々の「パワーゲーム」を垣間みながら、ロサンゼルスという街が持つ今の空気を感じとるには最高の番組だ。


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