オーガニックコットンの人気と市場
- オーガニック・コンシェルジュ
オーガニックといえば「食」の分野がメインではありますが、前回お伝えしたボディケアやコスメなどの「暮らし商品」のほかにも「衣」の分野である「着るオーガニック」も存在します。
ここ近年、特に「オーガニックコットン」製品が需要を伸ばしています。
OrganicExchange(アメリカを拠点としたオーガニックコットンの普及推進・非営利団体)によると、2006から2008年における企業や小売業のオーガニックコットン製品の需要は、年平均110%増加するとのこと。
現在すでにオーガニックコットンを使用している多くの企業が長期間継続していく傾向にあることや、新たなブランドや企業が市場に参入していることが予想され、今後もオーガニックコットンの生産は盛んになるようです。
そもそも通常の綿花栽培には大量の農薬や化学肥料が使われ、地球上の全耕地面積の約2.5%にすぎないコットン畑に、世界で使われる殺虫剤の16%、全農薬の10%が使用されているといわれています(参照Pesticide Action Network,2007)。
農薬の大量使用は自然環境だけでなく人間にも悪影響を及ぼすもの。毎年何万人もの生産者が、栽培中に農薬を直接吸い込んだり、汚染された水を飲み健康被害を受けています。
とはいえ、異常気象が続き干ばつが世界のあちこちで深刻になるなか、大量の水を使用する綿花の栽培は厳しく、農薬や化学肥料を抑えたオーガニック栽培といえども、遠い所からとてつもない輸送費をかけて栽培用の水を運んでいる地域も・・・何を優先して「環境に優しい」を謳うか、難しいところです。
Ecotextile News(http://www.ecotextile.com)によると、今後、オーガニックコットンを拡大させていこうと計画している企業が30以上あり、オーガニックコットンの世界的な売上高は、年平均成長率116%を反映して、2008年末までに2.6億ドルに達すると見込まれています。
また世界規模でオーガニックコットンを最も多く使用している企業は
1位 NIKE(ナイキ)
2位 スイス・コープ
3位 パタゴニア
4位 オットー
5位 サムズクラブ(ウォルマート社)
NIKE(ナイキ)と聞くと意外なようですが、流行のYOGAウェア、Tシャツなどのラインナップをそろえ、全体の比率からすると4から5%の商品がオーガニックコットン使用のもののようです。
もともとNIKE(ナイキ)自体が巨大な会社で膨大な商品群のため、もちろん使用する原料の量も全体の数パーセントとはいえ多くなってしまうもの。
パタゴニアなどは「オーガニック・コットンを買う10の理由」と題し、オーガニックコットンに対するこだわりを以下のように挙げています。
1 農薬の使用量を大幅に減らすことが出来るからです。
2 生物多様性を豊かにするからです。
3 世界的に見ても、綿に使われている農薬は最も危険な薬品だからです。
4 将来の世代を守るためです。
5 農業従事者を守るためです。
6 水質を守るためです。
7 健康のためです。
8 土の浸食を防ぎ、地力を高めるためです。
9 本当の意味で経済をサポートするためです。
10 快適だからです。
─パタゴニア発行「オーガニック・コットン」パンフレットより
http://www.go-lands.com/shopping/patagonia_info/cotton/cotton.html
今年でオーガニックコットンを使用した製品作りをスタートして11年目になるパタゴニアは、このオーガニックコットンへのこだわりを徹底的に打ち出すことで、製品が出来上がるまでのプロセスで、どれだけ生産者の健康や自然環境を考慮しているかを消費者にわかりやすく、クリアに伝えています。
とはいえ出来上がったオーガニックコットンの商品は見た目や着心地など、普通の綿花の商品と比べても大きな違いを見出すことが難しく、その割には値段が高い。今後は消費者が購入の際にどのようなアプローチがあればより理解しやすく、提供側のコンセプトや思いに共感して手にとってもらえるかを考えていくことが必要なのではないでしょうか。私自身もオーガニックのレクチャーをさせていただく際は、しっかりした情報と事実を伝えていかなければならないと感じています。
■関連情報
○パタゴニア大好きブログ 「パタゴニアのオーガニックコットン」
http://gonia.seesaa.net/article/31513074.html
○どんな髭剃りにも哲学はある
「社員をサーフィンに行かせよう」 2007/07/04
http://d.hatena.ne.jp/mdshst/20070704/asin4492521658
○suadd blog 2007/06/03
「社員をサーフィンに行かせよう—パタゴニア創業者の経営論」
http://suadd.com/blog/2007/06/4492521658.html
○Talpa memorandum 「社員をサーフィンに行かせよう」2007/05/23
http://talpa.kahei.org/blog/185
○アオキンの遊び場 「社員をサーフィンに行かせよう」 2007/05/18
http://aokinworld.seesaa.net/article/42138230.html
○オフィス街の本屋さん 「社員をサーフィンに行かせよう」 2007/04/25
http://book.marunouchi-office.jp/recommend/000498.html
○世界一!障害者のトータルライフサポーター日記
「社員をサーフィンに行かせよう」 2007/04/14
http://plaza.rakuten.co.jp/joyjoy/diary/200704140000/
○仕事の人間関係を育てるビジネス書のことば
「社員をサーフィンに行かせようby micah」 2007/04/11
http://www.micahmicah.com/2007/04/_by_micah_30.html
○Market-Out Business Platform(MOP) 事務局ブログ
「社員をサーフィンに行かせよう」 2007/04/03
http://blog.livedoor.jp/marketout/archives/53529902.html
○Island Aroma ─手作り石けんの店─
「社員をサーフィンに行かせよう」 2007/03/25
http://islandaroma.ti-da.net/e1436056.html
○企業内コーチの大冒険 「社員をサーフィンに行かせよう」 2007/03/21
http://bubbasaito.jugem.jp/?eid=253
○ビジネス書房 2007/03/21
ミニ書評:「社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論」─冒険家にして企業家の探検記
http://bizshobo.com/2007/03/post_47.html
○まっぷる オフィシャルBlog【内田一成のアウトドアBlog】
「社員をサーフィンに行かせよう」 2007/03/19
http://naviblog.mapple.net/outdoor/2007/03/post_33ab.html
○ビジネス書で学ぶ人事労務管理
【社員をサーフィンに行かせよう】イヴォン・シュイナード[著] 2007/03/16
http://roumukanri.seesaa.net/article/36068486.html
○湘南経済新聞 「パタゴニア創業者の経営論」 日本語版が出版 2007/03/05
http://shonan.keizai.biz/headline/194/index.html
○Patagonia Video - Belinda Baggs Surfs California
http://www.youtube.com/watch?v=zUzNiajFwPY(YouTube映像)02:03
○Patagonia Shoes: Do-It-Yourself Footwear (Moccasins)
http://www.youtube.com/watch?v=cqn_riEIFBw(YouTube映像) 01:45
○Patagonia Oceans As Wilderness- Synthetic Seas
http://www.youtube.com/watch?v=Verhi88kR60(YouTube映像) 06:58
○Fly fishing by Mel Krieger .- Pesca a mosca en Patagonia
http://www.youtube.com/watch?v=ml2felPgVEI(YouTube映像)04:39
○Patagonia Common Threads Garment Recycling from Timmy O'Neil
http://www.youtube.com/watch?v=1CallW5kb2A(YouTube映像) 07:35
○Patagonia Video: Sonnie Trotter Climbs First Free Ascent...
http://www.youtube.com/watch?v=McHosr_98r0(YouTube映像) 11:35
○Steve House: Patagonia Clothing System for Nanga Parbat(YouTube映像)
http://www.youtube.com/watch?v=DoACZH2N9gE 04:12
- いただいたトラックバックは、編集部が内容を確認した上で掲載いたしますので、多少、時間がかかる場合があることをご了承ください。
記事と全く関連性のないもの、明らかな誹謗中傷とおぼしきもの等につきましては掲載いたしません。公序良俗に反するサイトからの発信と判断された場合も同様です。 - 本文中でトラックバック先記事のURLを記載していないブログからのトラックバックは無効とさせていただきます。トラックバックをされる際は、必ず該当のMediaSabor記事URLをエントリー中にご記載ください。
- 外部からアクセスできない企業内ネットワークのイントラネット内などからのトラックバックは禁止とします。
- トラックバックとして表示されている文章及び、リンクされているWebページは、この記事にリンクしている第三者が作成したものです。
内容や安全性について株式会社メディアサボールでは一切の責任を負いませんのでご了承ください。