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教育崩壊現象に惑わされるんじゃない! ─揺れる子供たちへのメッセージ

昔から最近の「若いやつは…」と子供たちは、大人に批判されてきた。今年還暦(60歳)を迎える昭和22年から24年生まれは、「団塊の世代」と呼ばれている。

学園闘争といって、大学に火炎瓶を投げ込んだりした世代で、少年事件も第二次世界大戦後、一番多かった層なんだ。

○メディアと「青少年凶悪化」幻想  広田 照幸 (教育社会学)
http://www.kodomonoshiten.net/asahi000824.htm

団塊の世代の子供の世代1970年代前半生まれを「団塊ジュニア」っていうんだ。そして、1970年代後半が、ロストジェネレーションっていうらしい。
http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&index=2007000127

ロストジェネレーションってのが、ニートとかフリーターとかの問題の当事者率が高いと学者やマスコミは騒ぎ立てている。

こんな大人たちが作った、国の社会に君たちは生きている。

「携帯もパソコンも子供には良くない!」ってお父さん、お母さんは言ってるかも知れない。でも、そういう物の発明を願ったのは、大人たちなんだよね。

だから、矛盾を感じている子供がいるってのはよくわかる。僕は、ジャーナリストで、取材で子供たちと関わる機会も多いし、塾でも教えてるから、小学生から高校生まで毎日接している。娘も9ヶ月で、息子も6ヶ月だから、もっと小さい子供たちの声も聞いている。

何でも揃っている、この世の中で未来の夢を持つのが難しいのもよくわかる。だから、夢を持たなくても、持つことを考えることもしなくて済む、大学までエスカレータ方式の私立小学校、中学校が人気なんだ。

でも、それは君たち自身で考えて選んだ訳ではないだろう。親が、「お前の将来を考えたら、私立が良い」なんて言うから、「お父さんやお母さんがそう言うなら間違いない」って何の根拠もなしに思い込んでるだけではないのかな?

教育の崩壊って言葉に大人は過剰反応しすぎなんだ。君たちが学校へ行ける限り、教育が崩壊したとは言えない。

ゆとり教育で土日が休みになって、授業数は減った分、十年前の子供たちよりは、勉強する内容が少なくなっている。これを、元に戻そうという動きが出ている。でも、本当のゆとり教育って、勉強ができる人は  どんどん進めて、できない人はゆっくりやるっていう勉強の仕方のことだったんだ。それを、先生たちが勘違いしてたから、今の教育の崩壊、混乱は起こってしまった。

君たちが大きな病気にならない限り、親は君たちよりも早く死ぬ。でも、君たちは生きている限り、色々なことを考え続けなければならない。親の世代が作り出した、環境問題や年金問題など、たくさんのややこしいものを処理していかなければならないんだ。

さらに、親は老後の世話を子供にしてもらうために、レベルの高い学校へ行ってもらって、給料の高い企業に入社する、その恩を売ってる可能性すらある。そこまで酷い話はないと思うかもしれないけど、今は会社をクビにならない終身雇用制度ってのがなくなって、不安なんだ。それで、子供に投資する親が多くなっている。

これからの時代は、「子供だから…」なんて甘えて、自分の責任を放棄していてはダメなんだ。

自分で自分のことを考えて行動しないことを、夜回り先生こと水谷修さんは、「自分病」と呼んでいる。彼にリストカットや薬物問題で相談してくる人のほとんどは、この自分病らしいんだ。

大人が悪い、先生が悪いとか言ってたら、知らない間に、自分が同じ立場に立ってしまう。月日の経つのは早い。光陰矢のごとし。

いじめ問題だって、学校で終わりじゃない。だから、自分で解決する力を養うことも大切なんだ。国が24時間体制でいじめ相談を受けるような時代だからこそ、この問題も自分で考えよう。  

○いじめ相談の窓口
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm

○いじめ防止ネットワーク:いじめSOSメール
http://www.ijimesos.org/


別にこの日本って国から出て行くのも自由だ。日本に一生いなくちゃならない法律なんてない。 

ただ、自由になりたいのであれば、何か一つのことに打ち込もう。勉強でもスポーツでも良い。その中の一つの分野を極めよう。そうすれば、次が自然と見えてくる。

僕も、ジャーナリストになる前は、英語をメチャクチャ勉強した。そこから、色々知識の吸収の仕方を身に付けた。その結果、自然に希望の職に就いた。だけど、現実は食べていくのが精一杯って感じ。努力を怠ったら、すぐに足下をすくわれる。

こんな世の中に生まれたのだから、自分のことは自分で責任を持とう。周りの大人のせいにしてたら、いつまでも子供のままだ。

大人に色々言われるのが嫌だったら、見返してやるために一生懸命になるんだ。がむしゃらになることは、カッコ悪いことじゃないんだから。

 

■関連情報

○FPN  徳力基彦  2007/07/23
 「Did you know 2.0 私たちは子供達の未来の為に何ができるのか?」
http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=2512


○POLAR BEAR BLOG 「失敗せよ、ただし成長する自信は失うな」 2007/07/16
http://akihitok.typepad.jp/blog/2007/07/post_dac1.html


○小飼弾 404 Blog Not Found 
 「才能に関して知っておくべき二つのこと」 2007/07/16
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50873308.html


○ITmedia Biz ID  2007/07/24
 30代が読んでみる『16歳の教科書』──勉強する本当の理由とは
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0707/23/news013.html


○イザ! 2007/07/22
【正論】森隆夫 「育自学」として親学の再生を
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/69820/


○Lifehacking.jp  2007/07/13
 「世の中甘くないぞ! 社会に出る前に学んでおくべき12のこと」
http://lifehacking.jp/2007/07/ten-things-to-learn-before-graduating/


○荻上式BLOG  2007/07/22
 輝く未来の必要性について―『時をかける少女』を再度観て
http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20070722/p1


○ITmedia News  2007/07/13
 「子供の安全教育は個人情報よりネットでの言動に重点を」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0707/13/news074.html


○CNET  2007/07/26
 学校裏サイト、知っている学生は約4割─うち「不愉快な思い」経験したのは8割以上
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20353508,00.htm


○Letter from Yochomachi 2007/07/24
 NHK「クロ現」:地方の若手教員が都会に取られていく……問題の設定がまたしても見当違い
http://homepage.mac.com/naoyuki_hashimoto/iblog/C1310380191/E20070724201927/index.html


○Munchener Brucke 2007/07/09
 「教師を尊敬しない雰囲気を醸成した保守主義者の責任は重い」
http://d.hatena.ne.jp/kechack/20070709/p1


○PAGES D'ECRITURE 2007/07/08
 「東京都で起こっている教育に関する不気味な事件」
http://ameblo.jp/cm23671881/entry-10039167292.html


○bolog 「子供の勉強における能力差」 2007/06/27
http://bolog.seesaa.net/article/46037313.html


○教育改革をチェックしよう 2007/06/09
 『ゆとり教育の見直し』とは何だったのか
http://blogs.yahoo.co.jp/dkqdf114/49081179.html


○今日のいいたいこと 「いえ、教育崩壊です」 2006/10/15
http://georgeoo.exblog.jp/3558105/


○livedoorニュース 2006/09/30
 「教育崩壊。無責任な親ほど声高に保護者と名乗る」
http://news.livedoor.com/article/detail/2511087/

 


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