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有機食品の統一ブランド「オーガニック・ギルド」誕生

 

8月12日の日経新聞。一面のトップでは「有機食品 食の安全で弾み」というタイトルで食品メーカーや大手小売が、有機食品の開発や販売を本格化することを取り上げていました。紀文食品、キーコーヒー、伊藤ハム、日本製粉などを含む食品メーカー17社は統一ブランド「オーガニック・ギルド」を立て、多岐にわたる商品を展開していくようです。

オーガニック・ギルドのコンセプトとは・・・

新しい食のスタイル

食生活ニーズが多様化する中で、「健康」「安心」「安全」な食品を求める声は高まっています。わたしたちは、農薬や化学肥料を使わない有機JAS規格の素材で作ったオーガニック食品への取り組みにおいて、新しい食のスタイル“オーガニック・ギルド”をご提案します。

食のエキスパートたちでつくる“ギルド会”

“オーガニックを食のスタイルとして楽しんでいただきたい”という共通の思いを持つ 食のエキスパートたちが集まり、“ギルド会”(オーガニック・ギルド・ブランド推進 会議)を作りました。わたしたち“ギルド会”は、すこやかで上質な生活を楽しみ、かけがえのない地球を 大切にするライフスタイルを食のシーンから支えます。

徹底した品質管理によるプレミアム・オーガニック・ブランド

“オーガニック・ギルド”は、すべて、有機JAS認証の商品です。有機JAS認証に加え、長年つちかってきた美味しさへのこだわりと厳しい安全・品質管理基準のもと、ていねいに仕上げたプレミアム・ブランドが“オーガニック・ギルド”です。

オーガニック・ライフを支えるフルラインナップ商品

“ギルド会”各メンバーが、国内外の厳選したオーガニック食材を使い、自信を持っておすすめできる商品を開発しました。「和の食卓」「洋の食卓」、そして「ティータイム」と、それぞれの食のシーンにおける豊かな“オーガニック・ライフ”のための商品をフルラインで提供していきます。


オーガニックギルドHP参照
http://www.organicguild.co.jp/index.html

 

参画企業一覧

 

参画企業名

 

分野

 

福岡農産

 

 

小西酒造

 

 

日本製粉

 

麺類

 

カルビー、岩塚製菓、イトウ製菓

 

菓子

 

正田醤油、ハナマルキ、ケンコーマヨネーズ

 

調味料

 

新進

 

漬物

 

三島食品

 

ふりかけ

 

伊藤ハム

 

ハム・ソーセージ

 

紀文食品

 

総菜食品

 

タカキベーカリー

 

パン類

 

キーコーヒー、三井農林

 

嗜好品

 

 

 

 

 

 

また参加企業の一つ「新進」の関係会社に株式会社オーガニック・ギルド(ブランドと同名)という会社があり、ここがブランド管理などを扱うようです。

今年9月に調味料、漬物、お米、レギュラーコーヒーなどの販売からスタートし、年内には、お茶やお菓子など20から30品目に増やしていくようです。今後も3年以内に約100品目にまで商品を揃える予定のようですが、価格が1・5から2倍になると見込まれます。

安全安心のイメージが定着しつつあるオーガニック食品とはいえ、高い値段であってもそれだけの価値があるモノとして、どこまで消費者に納得して購入してもらえるかが重要かつ難しい課題で、そのためには提供、販売する側からの様々な仕掛けが必要となってくるでしょう。

もちろんここで大きな鍵を握るのが小売店での展開でもあります。実際にイオンは自主企画のオーガニック食品を約20品目投入、続いてイトーヨーカ堂も首都圏内の店舗でオーガニックの専門コーナーを始めています。

ただ商品を配列するのではなく、消費者に一番近い小売店こそがその仕掛けを作っていくべき。そのためには生産者、流通、メーカーがアイディアを出し合い、協力していかなければいけません。

イギリスやアメリカの4から5年後を追いかける傾向にある日本のオーガニック市場。世界におけるオーガニック消費国としては日本も以前から注目はされていますが、有機JASの規格の厳格さや消費者の認知度の低さ、値段の高さや販路開拓の難しさなどから「見えない市場」と言われています。

とはいえ、アジア内でもトップの市場を持つ日本。近年、中国の驚くほどの生産高増加には目を見張るものがあり、その勢いに押され気味ではありますが、消費国としては、まだアジア1位の地位は譲れません。

しかしここ2から3年の中国におけるオーガニック生産量増大。もしかするとその中国産オーガニックが日本の大手食品メーカー商品の主原料になっているのかな? と思わざるをえません。

中国というと食に関するあらゆる問題が取り沙汰され、食品となると日本人にとってはあまり信頼のおける国とはいえない風潮にあるようです。実際にオーガニックに携わる中国現地の方々によると、今現在、広い中国大陸の中でも全くとっていいほど汚染されていないピュアな地域がまだ沢山あり、それらは緯度的に虫の被害にあいにくく土地も肥沃、そこでは簡単にオーガニック栽培ができるんだとか。

同じ中国産でも日本のようにもっと生産地、出荷地などの詳細を記載したラベルで展開すれば、少なからず消費者も選ぶ基準ができていいのではと思うのですが・・・まだ現時点では難しいのでしょう。

消費者も受け身でいるのではなく、自ら積極的に知りたいこと、疑問に思うことは、確実に正しい情報を提供しているところに問い合わせたり、書籍やサイトで調べてみることも大切です。

9月は私も台湾、オーストラリアにオーガニックのシンポジウムやトレードショーのため出向きます。また興味深いニュースを持って帰ることができると思いますのでお楽しみに!



■関連情報

○Maple's Promenade 「有機食品」2007/08/12
http://plaza.rakuten.co.jp/chibigorira/diary/200708120000/


○KUIS 仲野ゼミ 「パートナリング」 2007/08/13
http://kandaseminar.cocolog-nifty.com/nakano/2007/08/post_f1b6.html


○30から始まるオトコの世界  2007/08/13
「株の変わり目 伊藤ハム 日本製粉など 食の安全強化で統一ブランド」
http://30otoko.jugem.jp/?eid=268


○ある製造課長の現場での楽しい(?)プログ
 「オーガニックギルド」 2007/08/14
http://blog.livedoor.jp/product2007/archives/51054988.html


○女性が「きれいに生きる」ことを応援するブログ B-blog
「食の安心?食の安全?」 2007/07/07 
http://www.b-do.com/blog/2007/07/post_54.html


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