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急な不幸、慌てずに葬儀を仕切るための最低限の知識

急に近親者が亡くなり、自分が中心になって葬儀を行うとき戸惑う人も多いだろう。最近は、全てを葬儀会社が行ってくれるが、自分でも、亡くなった人への供養という観点から、葬儀に関する最低限の知識は覚えておきたい。

葬儀には、仏式・神式・キリスト教式だけでなく、無宗教方式で行う場合もある。今回は、日本でもっともポピュラーな葬儀方式である、仏式を紹介しよう。

現在の日本では、病院で死亡する人がほとんどである。医師から臨終を告げられたら、その場に居合わせた人が、新しい筆か箸(はし)に脱脂綿を巻きガーゼでくるんで、白糸で縛り、茶碗の水を含ませて故人の唇をしめらせ、「末期の水」をとる。そして、霊安室に移動。この後は、できるだけ、早く自宅に連れて帰るか、通夜・葬儀が行われる斎場に搬送しなければならない。

ここで、忘れてならないのが、病院からもらう死亡診断書。生命保険金の受け取りにも必要なので、2から3通は用意してもらった方がよい。

臨終の宣告を受けたら、すぐに来てもらいたい親族などへの連絡と通夜や葬儀に来てもらうための二種類に分けて連絡を行う。

そして、最も慎重に行わなければならないのが、葬儀社の選択。

1) 対応が丁寧
2) こちらの要望を聞いてくれる
3) 費用の詳細な説明がある

この三つを満たしていれば良い葬儀社と言える。さらに望ましいのが、全日本葬祭業協同組合への加入と葬祭ディレクターの資格の有無。

死亡届は、死後七日以内に市区町村役場に死亡診断書か死体検案書を添えて提出する。さらに戒名をつけるなど、葬儀会社やその地域特有の風習などを近所の人に聞く。

病院から搬送された遺体は、すぐには納棺せずに、安置しておく。布団は遺体が暖まらないようになるべく薄いものを用意し、掛け布団は上下逆さまに掛けるのが一般的。そして、アタマを北の方角に向けて寝させる。その後枕飾りをして、僧侶を迎えて、近親者だけで読経をしてもらう。

この「枕づとめ」の後、通夜の前に遺体を棺に納める。棺の底に白い布団を敷き、アタマの部分には枕を置いて、遺体を納める。この儀式を遺体が硬直しているために、葬儀社に任せることも多いようだが、故人の供養のためにも、できるだけ、遺族が手を添えるようにする。

通夜の準備は、葬儀社がほとんど行ってくれるが、取り急ぎ、遺族がやらなければならいことは、喪服の準備、遺影の手配、返礼品・会葬礼状(喪主が会葬者の中一人ひとりに直接あいさつができないので、書面にしてお渡しするというもの)の準備などがある。

通夜に来てくれた弔問客には、通夜式後に食べ物や酒をふるまう。これが、「通夜ぶるまい」。通夜ぶるまいに出られない弔問客には通夜返礼品を渡すのが礼儀である。

通夜の流れとしては、通夜開始時刻の30分前受付開始→僧侶の出迎え→15分前には遺族・関係者の着席→弔問客着席→僧侶入場→僧侶読経→焼香→僧侶法話→僧侶退場→喪主挨拶という順番になる。

次に、葬儀の準備をする際に、遺族が行わなければならないのが、火葬場に行く人数の確認。人数がわからないことには移動のためのバスの手配ができない。葬儀には、大勢の人が集まるので、スムーズに進行させるためには段取りが大切。

また、斎場には時間の制限があり、火葬の時刻も決まっているので、遺族が行うべきこと、葬儀社に伝えるべきことは葬儀の前日までに遺族や各世話役が集まって打ち合わせをしておかなければならない。

葬儀の一般的な流れとしては、遺族と参列者入場・着席→僧侶入場→開式の辞→読経→弔辞拝受・弔電朗読→読経→遺族・近親者焼香(読経中)→参列者焼香(読経中)→僧侶退場→閉式の辞となる。

告別式後に、遺族や親族が故人と最後の別れをするために、外に出て出棺を待つ。出棺の際には、祭壇に飾ってあった供花を、別れ花として、各々が故人の周りに飾る。

火葬場へ行く際には、喪主が位牌(いはい: 死者の祭祀のため、死者の戒名などを記した木の板をいう)を持ち、他の遺族が遺影を持つ。そして、絶対忘れてはいけないのが火葬許可証。これがなければ火葬はできない。

火葬が終わった後、喪主から骨上げ(こつあげ)を始め、故人との関係の深い順に参列者全員が行う。

骨上げのやり方は、正式には男女で一組になり、木の箸と竹の箸をそれぞれ一本ずつで一対にした箸を使い、男性は左から、女性は右から一片の骨を箸で拾い上げ、骨壺に移す。最初に歯を拾い、次に足、腕、腰、背、胸、頭という順番で拾っていく。骨上げが終わると、係員が骨壺を白木の箱に収めて白布で包み、喪主に手渡してくれる。位牌と遺影は遺族が持ち帰る。

遺骨は四十九日法要まで、自宅の祭壇に安置する。仏教では、七日ごとに法事を行うことになっており、最初が「初七日」法要となる。ただし、遠方に住んでいる親族への配慮などから、葬儀・告別式の当日に行うことが多くなっている。これを「付七日(つけなぬか)」という。付七日でも初七日と同様に僧侶に読経してもらい、遺族は焼香を行う。

故人の供養のためにも、きちんとした葬儀の進行を知っておくことは非常に重要である。自分が喪主となった場合は、しっかりと執り行うことができるように心がけて欲しい。

 

■関連情報

○葬儀の流れ
http://www.sougi8.com/~morelife-co-jp/sougi8.com/flow/flow.php


○初めてお葬式を準備しなければならないあなたへ 葬儀相談員 市川 愛 事務所
【リリーフ】 お葬式のリスクマネジメント&サポート
http://www.re-lief.com/relief/beginner.html


○葬儀参列の駆け込み寺!【早分かり葬儀参列】
http://www.sanretsu.jp/index.html


○お葬式の知識・葬儀社の無料紹介・費用相談は“いい葬儀”
http://www.e-sogi.com/index.html


○葬儀・葬式・家族葬 検索サイト【葬儀本】 マナー
http://www.sougi-bon.com/


○葬儀の相談と葬儀社の紹介は お葬式消費者相談.com
http://www.sogi-annai.com/


○葬儀費用・葬儀スタイル・葬儀社を斬る! NPO 葬儀を考えるNPO東京
http://www.sogi.or.jp/index.htm


○お葬式プラザ
http://www.osoushiki-plaza.com/index.html


○葬儀情報局
http://sogi-iso.jp/jouhou/jouhou_main.html


○冠婚葬祭.com
http://www.i-ceremony.com/


○冠婚葬祭文例集
http://zero1.gooside.com/template/marriage.htm


○葬儀費用 葬儀 葬式 リアルタイムで最適価格!『 葬儀費用net 』
http://www.sogihiyo.net/


○世界の葬儀
http://www.sousai.com/hp/anoyo/
 


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